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こだまの世界

2001年9月下旬号

接続表現とは、また、対話における「合いの手」でもある。 何ごとか言葉を発する。 そうするとそれは必ずやそれを受け取った相手になんらかの反応を引き起こす。 「どういうこと?」と解説を求められるだけでなく、 「それから?」と続きを促されたり、 「どうして?」と理由を求められたりもするだろう。 そして、それに答えるべく次の主張が展開され、 それに応じて適切な接続表現が選ばれる。 「どういうこと?」と問われて「つまり」と応じ、 具体的に説明しようとするなら「たとえば」と応じる。 「それから?」と問われて「そして」と応じ、 「どうして?」と問われて「なぜなら」と続ける。 あるいは、相手が思っているのとは違う方向に話を転換させようと思ったならば、 「しかし」と切り出す。
文章は、それがたとえモノローグの見かけをもっていようとも、 基本的に対話の構造をもっている。議論を読み解くとは、 なによりもまずこうした問いと応答の流れを読むこと、 その対話の構造をつかむことである。 そのリズムが送り手と受け手で共有されたとき、 分かりやすい文章が生まれる。 議論を適切に読み解くためには、 こうした接続表現の合いの手をうまく入れられるようにならなければならない。
そのため、自分で論理的な文章を書こうとする場合には、 何よりもまず自覚的に接続表現を用いるようにすることである。 そしてまた、論理的な文章を読み解くときにも、 そこで用いられる接続表現に注意して読む。

---野矢茂樹、『論理トレーニング101題』
産業図書、2001年、9-10頁

論理トレーニングの成果は、親、兄弟、友人、恋人、 そしてとりわけ配偶者に対して無分別に発揮してはいけない。 (1)初心者がうかつに論理的分析力を発揮して批判すると、 (2)少なくとも現在の日本社会においては、 人間関係を損ねるおそれがある。 刃を研ぎ澄まし、懐中に忍ばせておく。 そして、ここぞというときに抜くのとである。 どういうときが「ここぞ」なのか。 残念ながら、本書はそこまでめんどうを見ることはできない。 読者諸氏のご自愛を願ってやまない。

---野矢茂樹、『論理トレーニング101題』
産業図書、2001年、148頁


主な話題


21/Sep/2001 (Friday/vendredi/Freitag)

夕方

寝不足なのか時差ボケなのかわからないが、 お昼の2時ぐらいから、立っていても寝れそうなくらい猛烈に眠くなる。 たまっていた郵便物を調べていたり昨夜は某君と話したりすると 夜明け前になってしまう。

午前中すこし昨日買った本を読む。

午後、また用事。 某学会に会員費を振り込んだり、 区役所で課税証明書をもらったり。 証明写真を撮ったり。

某ルネでまた猿のように買物をしてしまう。 コンピュータ用品(モニタ、プリンタ、オフィスXP等)、 それと本。あ、中央購買部で文房具も買ったんだった。

事務に行き書類を提出し、新しい学生証の申請しようとすると、 写真は大きすぎると言われる。 2*3センチで光沢仕上じゃないといけないんだそうだ。くそ。早く言え。 しかし、週末に勉強できないと困るので、 古い学生証を使って文閲でベンタム全集その他を借り出す。

さて、週末は勉強勉強。


22/Sep/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

昨夜の夕食は下宿で。うどん、ごはん、かつお漬。 某君に「炭水化物ばっかやないですか」とつっこまれる。 そういえばお腹が減っていたにもかかわらず、けっきょく昼食は食べなかった。

たまっていた日記の整理。 9月上旬9月中旬

はやく勉強せねば。

昼下がり

う。昼前まで寝てしまう。

靴下がないので(だいぶ捨ててきた)、某君の勧めにしたがって、 最近できたらしい近所のショッピングセンターに行く。 ロンドンにも今月から進出するらしい某大手衣料店にはじめて 足を踏み入れる。すこし上着なども購入。

下宿でネットにどうつなぐかを兄に相談しながら検討中。 固定電話を買ってフレッツISDNという手もあるが、 それほど裕福ではないので、 当分はドコモPHSを使ってメイルチェックだけする、 という方針に固まりつつある。

いや、やっぱりちょっと無理してでも電話を買ってフレッツにする方がいいか。 せっかくファクス付プリンターも買ったし。

いや、いやいやいや。う。わからん。

プロバイダはやはり生協か。つながるのかな。

夕方

Nimdaウィルスが恐かったので、 インターネットエクスプローラを6.0に更新。

下宿に戻って勉強をしよう。


23/Sep/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

昨夜の食事は、そうめん。さすがにこれだけでは死んでしまうので、 夜中に某君にご飯をおすそわけしてもらい、キムチと海苔をおかずにして食べる。 おいしくてしかたがないが、 これでは栄養失調で倒れてしまうかもしれない。 昼も抜いてしまったし。

ヘアのMoral Thinkingのイントロを読む。 一日一章ずつ読めたら読もう。

真夜中、某君にこないだ書いたDissertationを読んでもらい、議論をする。 勉強になった。

お昼

夜明け前に寝たのに、なぜか早朝に起きる。朝食はごはん。洗濯もする。 運動靴も昨晩洗っておいた(新聞を中に入れると速く乾くことを某君に教えてもらう)。

すでにメイルで回覧されているようだが、 某名誉教授の報復戦争反対の声明をウェブに掲載しておいた。 英訳つき。

昼下がり

雑用。関倫に何を書くかがいまだに決まらず、困る。どうしよう。

オフィスXPを入れてみる。 そろそろ12GBあったハードディスクが残り少なくなってきた。


24/Sep/2001 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

昨日の午後、某君が尋ねてきてくれる。 某さんも来る予定だったのだが、連絡に行き違いがあったようだ。残念。

夜、すこし部屋の片付け。夜中、某君から借りた『静かなるドン』 の最新4巻を読んでしまう。

すこし風邪気味の気がするが、気にせず勉強勉強。

あ、 MEADOW95で使っているSKK98の動きがおかしいと思ったら、 きっとIME2002に変更したからだ。更新する必要がありそうだ。

昼下がり

今朝は下宿の裏庭と玄関口の雑草抜きをする。 裏庭は地面がコンクリートで固めてあるのにそれでも雑草が生え放題で、 いつのまにか密林になっていた。 まず、密林に住む原住民と交渉して立ち退いてもらい、 それからお隣りさんから借りた枝切バサミでばりばりと切る。 大虐殺。

玄関の方でも大虐殺。雑草をぐっと引っこぬいたら、 下に蟻の巣があったらしく、卵を抱えた蟻がわらわらと出てくる。 きっと蟻たちは神のごとき力に恐れおののいているだろう。 もうしわけないことをしたと思いつつ、 それでも雑草は徹底的に大殺戮。 いつのまにか低木のようなものまで生えており、 苦戦する。蚊にもさされる。

お昼はうどんを作る。それから大学へ。 某名誉教授の「ゲルニカを忘れないで」をウェブに掲載。

アフガン人も雑草かなにかのように殺戮されるのだろうか。

真夜中

今日の夕方に某さんが下宿に来てくれる。雑談。

夜、四条で某氏らと会い、非公式の帰国歓迎会をしてもらう。感謝。 自転車で四条まで行ったので、帰りはだいぶしんどかった。


25/Sep/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

よく寝る。

以下ちょっと走り書き。

米国テロに関する産経の社説

昨日の産経の社説(主張 テロに武力行使は当然)は極端で考えさせられる。 要約すると、 今回のテロ事件に対して米国にも非があるとする「日本のゆがんだ一部論調」は オウム真理教のサリン事件を 「このような事件を生み出した社会にも責任がある」 と擁護するような誤った見方で、テロを根絶するのは当然のことだ、 と主張している。

しかし、察するに、日本の「ゆがんだ」論者にしても、 テロの根絶という目標を否定しているわけではなく、 その手段を非難しているのではないのか。 イスラエルがパレスティナを攻撃すればするほど イスラエルで自爆テロが起きることについては 目に見えて明らかである。 先のモスクワの自爆テロにしても、 ロシアのチェチェン侵攻が原因だとされている。 テロに対してさらなる武力攻撃をしても、 根本的な解決にはならないというのが産経の社説が「ゆがんだ」 と形容する論調の言わんとするところではないのか。

また、オウムとの類推がどこまで成り立つのかも不明だ。 たしかに両者とも無差別テロの事例だ。 しかし、オウムの場合は「警察が強制捜査」をしたと述べられているが、 今回のアフガン侵攻を警察の強制捜査と同列に語ることはできるだろうか。 むしろ、ビンラーディンとその組織を壊滅させるという目的で 米国が今やろうとしているのは、オウムのこれ以上の犯罪を防ぐ目的で オウムが隠れている町ごと爆撃するようなものではないのか。

さらに、産経は、米国のやらんとしていることは「正義」を貫徹することであり、 「報復」や「復讐」といったものではないと強調している。

ブッシュ大統領らは議会演説でも他の政策表明でも「報復」「復讐」「目には 目を」という言葉は一度も使っていない。無差別な大量の殺害と破壊をもたら すテロという犯罪を裁き、その組織や温床を根絶すると言明しているのだ。暴 力、武力の行使そのものであるテロリズムの防止や抑止には物理的な強制力の 行使を排せるはずがない。

しかし、州知事時代のブッシュの死刑執行の歴史、 そしてオクラホマ・ボマーを処刑したときの 「正義がなされた」という言明から ブッシュの大好きな「正義」という言葉が、 「目には目を」という応報的正義であることは明らかだと思われる。 応報的正義が一概に悪いとは思わないが、 テロ根絶の目的でアフガンの一般市民を巻き添えにしたりすることは 可能なかぎり避けるべきであるし、 それより何にも増して、 この「正義」によってテロ組織や温床が根絶できるのかという疑問がある。 オクラホマ・ボマーはもう生まれないかもしれないが、 多くの論者が言うように、 一人のビンラーディンの息の根を止めてもテロを根絶はできないだろう。 米国がテロを根絶するために考えるべきことは、 応報ではなく、イスラム教圏との付き合い方である。

まとめると、この産経の社説に対する反論は、 「日本の一部の「ゆがんだ」論者は、 テロが正当化されると論じているわけではなく、 テロを根絶するために米国がとろうとしている手段に問題があると 主張していると考えられる」というものである。

お昼

午前中は洗濯をしたり、ツナサラダを作って食べたり。 ヘアのMoral Thinkingの第二章も読む。

ヘアもロスのように直観レベルにおける「一見自明な義務または原則」を認めるが、 ロスのような直観主義者が二つ以上の義務が衝突したときの解決策を 講じていないのに対し、 ヘアは批判レベルにおいて(行為)功利主義を用いて義務の調停を行なおうとする。 批判レベルでなぜ功利主義が用いられるのかについては第二部まで待つ 必要があるようだ。

夕方

帰国以来はじめて授業に出る。おわりに自己紹介をやらされる。 いや、こういうこともあろうかと思って準備しておいたのだが。

関倫の論文のテーマがようやく決まったので、 今夜から書き出すこと。


26/Sep/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

お昼前

昨夜は研究室の人に帰国歓迎会をしてもらった。ごちそうになる。感謝。

今日から関倫の勉強。

そういえば、 某君の日記にある話は、 ぼくも先日英国の友人からのメイルで知ったが、 BBCなどで 調べてみるとどうも完全なガセネタらしい (墜落した四機のフライトナンバーは11, 175, 77, 93とある)。 いやまあ、よくできた話だと思うけど。

昼下がり

某ルネで生協インターネットに加入手続。いろいろ考えたすえ、 フレッツADSLも使うことにしたが、その手続はまたあとで。

下宿に戻ってツナサラダ。倹約倹約。


27/Sep/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

昨日は最悪。午後に生協からモニタとプリンタが届いたのだが、 まずプリンタに(双方向インターフェース) ケーブルが付いていなかったのでわざわざ某ルネに 買いに行くはめになる。

それだけならまだいいが、プリンタがどうやっても正常に機能しない。 数時間苦戦したあと、 以前MPウォークマンを使おうとしてBIOSをいじったことに思いあたり、 これで解決かと思ったら、まだ動かない。 プリンタ用ソフトに問題があるのか、よくハングアウトして、 さっさと勉強しないといけないのに時間だけが過ぎていく。 けっきょく一晩中かかったがプリントアウトできず、 朝になったら製造会社に電話することにした。 〆切前だというのにほんとに愚かだ。

モニタは順調。 テレビも見れるのでプリンタをいじりつつ近鉄の優勝する姿などを見ていた。 英国で買ったキーボードとマウスも使っているので、 現在ThinkPadは机の下にある。

夕方

朝起きてようやく論文の執筆にとりかかる。

昼、大学に来てネットでプリンタのことを調べる。 ちゃんと動くだろうか。

コムズという会社に電話加入権と フレッツADSL用のお金を振り込む。まただまされてないかちょっと心配。 (しかし安いのでついネットで頼んでしまう)

生協やら近くのスーパーやらで買物をしたあと、帰宅。 プリンタはいまだ動かず。 とりあえず関倫の論文が書けるまで放置しておくことに決定。


28/Sep/2001 (Friday/vendredi/Freitag)

勉強中。

お昼すぎ

勉強中。昼はうどん。

某当局から電話。 やはり国民年金は今年は免除されないとのこと。

昼下がり、大学に行く。

キャノン当局に電話して質問したところ、 いくつか助言をいただき、おかげでプリンタが動くようになる。 万歳。

某コムズからも連絡があり、電話も来週設置される様子。万歳。

あとは論文を書くだけ。がんばれ。


29/Sep/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

夕方

勉強中。ようやく一段落ついた気がする。

昼はかけうどん。

そういえば、昨日自分で髪の毛を切って失敗した。 こういうところでケチってはいけないことを再び悟る。


30/Sep/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

一日下宿で勉強。某君にいろいろ助けてもらう。

夕方にカレーを作ったので、夕方と夜はカレー。

大雨。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Sep 27 13:47:09 JST 2007