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こだまの世界

2001年3月下旬号

`Only tough measures and harsh means can be used with these people. They don't understand any other language.'

-- Vladimir Putin

`Moscow vows `harsh' revenge against Chechen bombers',
The Independent, 26/Mar/2001.


21/Mar/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

SPPセミナー

ニューヨーク大のリアム・マーフィーという先生による、 「課税の正義」についての議論。 同名のタイトルで、ネイグルとの共著が近く出版されるそうだ。 おもしろい話なので要修業。

時事放談

「狂牛病やら口蹄疫やらのせいで、 マクドナルドやバーガーキングは大変だそうですね。 それに対し、 ケンタッキーフライドチキンが売上を伸ばしているとか」

「ケンタッキーフライドチキンの陰謀じゃないのか」

「そういうことを言うと訴訟が起きるのでやめてください」

「すまんすまん」

(追記: しかし、ガーディアンによれば(22/Mar/2001)、 実際に農村地帯ではいろいろなウワサが広がっているようだ。 動物権利論者のしわざだとか、外国から移民してきた連中が病気をもたらしたとか、 はてはサダム・フセインの陰謀だとか…)

「また、上の病気の影響で、 ヨーロッパではカンガルー肉の需要が高くなっているそうです」

「え、ヨーロッパ人はカンガルー食べるのか」

「ええ、オーストラリアから輸入して。 この国にはカンガルーが3500万頭いるそうですから。 人口の約2倍です」

「え、ヨーロッパ人はカンガルー食べるのか」

「何を驚いているんですか。鹿肉のような味がするらしいですよ」

「なんだなんだ、鯨や馬を食べる日本人を野蛮だと非難しておいて、 カンガルーを食べるとは…」

「何をぶつぶつ言ってるんですか。人間は困ったらなんでも食べますよ。 こないだも、ドミニカ共和国からプエリト・リコに亡命しようとした連中が、 船が座礁したために24日間も漂流することになり、 生き残っていた人々がついには死んだ連中の肉を…」

「あ〜、気持ち悪いからやめてくれ。 たのむからもうちょっと文化的な話をしてくれ」

「そうですか、では文化的な話をしましょう。 オペラとミュージカルってどう違うかご存知ですか? 両方とも、歌を中心に物語が進むという点で同じだと思うんですが。 あ、ローラースケートをはくとミュージカルになるという…」

「いやいや。同じ劇がイタリアかフランスで作られたらオペラで、 アメリカやその他の国で作られたらミュージカルになるんじゃないか」

「う〜ん、それはちょっと無理な説明では…」

「では、こんな説明はどうだ。 歌の他に、踊りが入ったらミュージカルになる。 つまり、歌って踊るとミュージカル。 オペラに出てくる人ってだいたいデブばっかりだから、 ほら、踊りたくても踊れないだろう」

「いや、それは偏見でしょう。それにオペラでもバレエダンスがあるわけだし。 やっぱりクラシックを中心とした上品なものはオペラ、 ポピュラーミュージックとかタップダンスとかの下品というか鄙びたというか 下卑たものはミュージカルということではないでしょうか」


22/Mar/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

現代政治哲学の授業

パーフィット、フランクファートの平等論について。要修業。

「さいきん要修業ばっかりじゃないか。ちゃんと勉強してるのか」

「いや、それが、もうすっかりイースター休み気分になってしまっていて」

「ただでさえ留学期間が短かいんだから、 しっかり集中して勉強しないといかんだろうが」

「いや、おっしゃるとおりで耳が痛いです」

Les Miserables

と言いつつ、 友人に誘われたので夜にミュージカルLes Miserablesを観に行った。 三階のものすごく狭い席に、2時間半近く座っていたので腰が痛くなった。

内容はそこそこ。音楽もそこそこ(`At the end of the day'という曲がよい)。 もっと悲劇的な終わりを期待していたので、最後はすこしがっかり。B-。

もうすこしガツンとくる映画かミュージカルを見たい。

「そんなこと言ってないで勉強しろってば」

「やりますやります」

買った本

「やっぱ哲学はかっこよくなくちゃいけないですよね。 『え、きみ哲学やってるの、クールだね』って言われるようにならないと」

「そうなったら、きみみたいに『え、専門ですか。 あの、その、てってて哲学なんですけど、 今やってるのは法哲学といって、 法学と哲学のあいの子みたいなものです。実用性? ありますあります。それはもう、ものすごくあります。 実用哲学です。はは。ははは』と言いわけしなくてすむだろうな」

「あ、それは秘密にしておいてくださいって言ったでしょう」

囚人に選挙権を

英国では刑務所にいる囚人は選挙権がないため、 現在約52000人いる囚人は投票できない。 これを不満に思っている囚人3名が、 ヨーロッパ人権規約を盾に近く訴訟を起こすようだ。

「よく考えると、囚人は投票権を剥奪されるって変な話ですよね。 今回の動きに反対している国会議員は、 『民主主義社会においては、法に従わない連中は投票する権利はない』 なんて言ってるようですけど、 囚人になったからと言って、まさかあらゆる人権が奪われるわけではないでしょうし」

「刑罰の一環として考えられているんじゃないのか、投票権の剥奪は」

「しかし、民主主義において投票権が基本的人権の一つだとしたら、 いくら犯罪をおかしたからと言って、基本的人権を奪うのはおかしいでしょう。 人を殺したり他人の家を放火して刑務所に入れられるのと、 国会議員を選出するのはまったく別のことで。 あいつは悪人だから投票権はないっていうのは根拠がないと思います」

「しかし、悪人は悪徳代議士を選出するかもしれないじゃないか。 刑期を短かくしてくれる代議士とか」

「刑務所にいるヤクザに選挙権を与えると、ヤクザが首相になるっていうんですか。 けど、刑務所に入っていようが入っていまいが同じことじゃないですか。 悪人は刑務所に入る前にも後にも悪徳代議士に投票するだろうし」

「いや、しかし、刑務所に中にいるヤクザと刑務所の外にいるヤクザが 投票することになるわけで…」

「そんなこと非現実的なことより、 囚人に投票権を与える利益を考えた方がいいと思います。 国会議員が囚人の票を無視できないとなると、 彼らは刑務所をより頻繁に訪れるようになるだろうし、 その結果、刑務所の環境改善に力を入れるようにもなるかもしれません」

「まあ、たしかに囚人が自分の利益を代弁してくれる人間を 選べないのは変な気もするな」

「それに、副次的効果として、 選挙に参加することにより、 囚人は政治に関心を持つようになるかもしれません。 まあ、この効果がどのていどあるかはあまり期待できませんが」

「他の国ではどうなんだ」

「スウェーデンその他の国では囚人にも投票権があるようです。 英国では1870年に囚人の投票権がなくなったそうです」

「そのあたりの事情をもうすこし調べてみたらどうだ」

「そうですね、ちょっと調べてみます」


23/Mar/2001 (Friday/vendredi/Freitag)

Sovereign Virtue

ロナルド・ドゥオーキンを囲んで彼の新著Sovereign Virtueについて 議論するone-day conferenceが行なわれたので、 最後のコーエン対ドゥオーキンのところ(expensive tasteについて) だけ出席してきた。 (ほんとは朝から行くつもりだったが、ついなまけてしまった)

この著書は彼の政治哲学の総決算的なものだから、真剣に読む必要があるようだ。 って、まだ買ってないのだが。(ハードバックしかないので25ポンドくらいする)

買った本


24/Mar/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

買った本

Oxbridge Boat Race

毎年テムズ川で行なわれる、 オクスフォード対ケンブリッジのボートレースを観てきた。

かなりの数の観客が集まっていたが、実際のレースは20分ほどで、 始まったと思ったらあっという間に終わり、拍子抜けした。 今年はケンブリッジの勝ち。

Don't Look Now

NFTでDon't Look Nowという70年代の映画を観た。 ヴェニスを舞台にしたヒッチコック風の作品。監督Nicolas Roeg。 主演Julie Christie, Donald Sutherland。

娘を亡くしたイギリス人夫婦がヴェニスにやってくる。 妻は娘の死後ウツ状態だったが、 盲目の女性の「娘は笑顔であなたと共にいる」 という神秘的な言葉を信じて快方に向かう。 その一方で、 神も予言も信じない夫は、死んだ娘の亡霊を追ってついには死に至る、という筋。

上の読みは一つの解釈で、他にもいろいろな解釈ができると思う。 難解な物語だが、 印象的なシーンが多く一度見ると忘れられない作品 (とか言っておきながら、一年経ったら忘れているかもしれないが)。 とくにクライマックスは『サイコ』を思わせる衝撃的映像。 『ハンニバル』の俗悪なグロテスクな映像よりも、ずっと衝撃的だ。

長いので途中すこし退屈したが、よく練られた映画だと思う。B。


25/Mar/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

日記の整理

Joseph: King of Dreams、 あるいは非キリスト者の告白

「友人に誘われたので、夕食後、キリスト教の集会に行ってきました」

「ほお。何してきたの」

「学生の集いで、賛美歌を歌い、映画を観て、説教を聴いてきました」

「映画? ライフ・オブ・ブライアンか何か?」

「いやいや、 Dreamworks製作のJoseph: King of Dreamsという新しい作品です。 創世記37-47に基づいた物語で、こないだのEmperor's New Groove に比べると、ずっとよくできてました。非キリスト教徒にもおすすめです。B-」

「説教はどうだったの」

「ええと、説教もおもしろくて、われわれが罪人であること、 神が主人であること、また、 われわれが罪から逃れるには神の許しを請わなければならないことを学びました。 説教師が雄弁で、彼の語り口を学べただけでも行ったかいがありました」

「へえ。ところでどの宗派なの、きみの行った教会は」

「教会というより、ふつうの建物でしたが、あとで友人に訊いたところでは、 プロテスタントでもカトリックでもないnon-denominationというんだそうです。 なんでも20数年前にボストンで始まった運動で、 聖書第一主義が特徴のようです。集会に来ていた人と話しましたが、 みな聖書の重要性を強調していました」

「それで、きみはこれからも説教を聴きに行くのか」

「いや、たしかに説教はたいへん勉強になるので聴きたいんですが、 やはり教会にコミットするのはちょっと…」

「なんで『ちょっと…』なわけ? きみは仏教徒でもないだろう。 新興宗教でもないし、行ったらいいじゃないか」

「いや、たしかに集会に来ていた学生も善い人ばかりでしたが、 ぼくにとってキリスト教はあくまで研究の対象であり、信仰の対象では…」

「いやいや、そんなことを言っていてはいかんよ、きみ。 実際にキリスト者として生きてみないと、 キリスト教を研究することはできないだろう。 ドゥオーキンとハートの内的視点と外的視点の話を思い出したまえ」

「いや、しかし、神が主人であって、 ぼくが罪深い召使であるという議論は、 心から受けいれなくても理解できるわけで…」

「いやいや、キリスト教の信仰を受けいれなければ、 キリスト者の世界観を真に理解したことにはならんよ」

「そうかもしれませんが、ぼくとしては、 困ったときに神さまに頼るのもなんだし、 自分の人生に変な意味づけを与えられるのもなんだし、 --いや、人はそれぞれ自分の人生にある程度の意味づけというか物語を 作らなければならないのかもしれませんが、 自分が神に仕える召使だという物語を受けいれる気にはなりませんし-- とにかく信仰に頼らずに生きていきたいと思うのです」

「神がいないとか、人生の意味は自分で作りだすとかいうのも けっきょくのところ信仰なんじゃないの。まあでも、 説教がおもしろいんだったら、感化されたふりをしてしばらく顔を出してみたら? 良い人ばかりなんでしょ」

「う〜ん、そうなんですが、しかし、 死刑廃止論者かなにかに囲まれている気分になるんですよね、教会に行くと。 疎外感というか」

「そいえば以前にきみ 『ドイツ人がユダヤ人と同席してナチスの歴史の講義を聴くような居心地の悪さが…』 と言っていたけど、今回はちょっと事情が違うだろう。 改心してキリスト者になってしまえばいいのに」

「いや、そんな、会計士がライオン調教師になるような真似は簡単にはできません」

「またわけのわからないことを」


26/Mar/2001 (Monday/lundi/Montag)

UCLのコピー事情

UCLには、図書館を含めていくつかのコピー室があるが、 これまではそれぞれのコピー室のコピーカードが別々で、 たいへん不便だった。

そこで、当局が重い腰をあげ、 ようやく先日からコピーカードが全室共通になった。 コピー代も若干安くなり、A4一枚が6.6p(約11円)から5p(約8円)になったが、 新しいコピーカードはなんと一枚4.50ポンドもする。 top upできるので、一枚購入すれば永続的に使えるものの、 これではコピー代が安くなったのか高くなったのかわからない。

なんだか不条理な気がしたが、買わないわけにもいかないので一枚購入した。

文房具

文房具に対する投資が不十分だったので、 バインダーやその他を購入。 あとで調べるときに困らないよう、ちゃんと整理すること。

カードとカードボックスも買ってみたい衝動に駆られたが、 こういうものに凝りだすと人生がより複雑になる気がしたのでやめておいた。

(追記: 夜に部屋の片付けをしていたら、 カードとカードボックスがでてきたので驚く。 友人にもらったのをすっかり忘れていた)

買った古本

時事漫談

「はあ。この、あれですね」

「また『あれ』か。あれってなんだあれって」

「口蹄疫ですが、予定では英国本土だけで60万頭ちかくの家畜が殺されるそうです。 牛が12万頭、羊が42万頭、ブタが4万頭、 ヤギが数百頭ほど殺されるそうです。 もうすでに40万頭近くが殺されたとのことです」

「かわいそうだけど、まあ、 どうせ家畜は死ぬ運命にあるんだし、仕方ないんじゃないの」

「冷たいですね。かわいい子羊とかの姿を新聞やテレビで見ると、 あんまりそんな風なことを言う気にはなれませんよ」

「しかし、口蹄疫は食いとめないと、農業はけっきょく大打撃を受けるわけだろう」

「そうです。病気にかかっても動物はまず死なないそうですが、 やせてしまったり、乳の出が悪くなったりするのに加えて、 日本や米国を含め大部分の国は口蹄疫が流行している国からの畜産物を輸入しない方針ですので、 けっきょく農家としてはぜひ口蹄疫の伝染をくいとめる必要があるそうです」

「じゃあやっぱり仕方ないじゃない。かわいい子羊も死んでもらわないと」

「いや、それが、ワクチン注射による方法もあるんですよね、 これもいろいろ問題があるんですが。たとえば半年ぐらいしか効き目がないとか、 ワクチン注射で伝染を抑えた場合、やはり諸外国への輸出ができなくなるとか」

「それじゃあまり意味ないんじゃないの」

「いや、それでも動物を殺すよりはましなんじゃないでしょうか。 英国政府は今になってワクチン注射への方向転換を考えているようで、 40万頭も家畜を殺したあとで方向転換するとはなんと先見の明がないことかと ため息がでるわけです」

「Better late than never, 遅くてもやらないよりはましだろう」

「いや、どうせならもう少し早くに方針を再検討すれば、 多くの動物が助かったろうにと思うんです。 戦争でよく話になりますよね、ある村で伝染病が流行りだしたので、 村ごと焼き払ったというような話が。人間だとこういう場合は相当問題になるのに、 なんで牛や羊だとこんなに大殺戮が簡単に行なわれるんでしょう」

「いや、しょせん牛や羊は家畜だから。人様とちがって、 家畜の場合は単に手段として扱い、 同時に目的として扱わなくてもカント先生はお怒りにならないわけで」

「共感能力がない人ですね。羊や牛だって苦痛を感じるんですよ」

「いや、家畜はかなり楽に死ねるらしいよ。 ほとんど苦痛ゼロで殺す方法があるみたいで。 それに、牛や羊の視点に立って彼らが何を考えているかを理解するのは 困難というか不可能だから、家畜に共感するのはかなり難しいわけで」

「ドナドナを歌ってみてください。 屠殺場に向かう牛の悲しみを知ることができます」

「いや、だから、それはあくまできみが牛になったつもりになっているだけで、 牛の視点に立ったことにはならないってば」

「また難解なことを。これだから倫理学者はまったく…。 しかし、それはともかく、ブレア首相はかなり困難な状況にあるようですね」

「なんで?」

「総選挙の日取りが5月3日の予定だったんですが、口蹄疫の大流行のせいで、 遅らせるべきか強行するべきかで労働党内でかなりもめているそうです」

「遅らせた方がいいんじゃないの。農民は投票に行けないかもしれないじゃない」

「いや、それが、口蹄疫がいつ終焉するかわからないので、 下手に遅らせるとずるずると秋まで選挙ができなくなる可能性があってですね」

「じゃあ秋にやればいいじゃないか」

「いや、それがまた問題で。現在の英国はまだ好景気のさなかにありますが、 米国の不況がどの程度悪化するかが懸念となっていて、 下手をすると秋ごろには英国も不景気になっているかもしれないんですよね。 これは与党の労働党にとっては不利な要因となるわけで」

「米国がくしゃみをすると鼻水がヨーロッパに飛ぶというやつか」

「いや、正しくは、 米国がくしゃみをするとヨーロッパが風邪を引くだったと思います」

「ああそうだったそうだった。けど、 そういう政治戦略的なことばかり言っていたら、農民が怒るだろう」

「ええ、農民は首相が選挙のことばかり考えていると非難しているようです」

「しかしまあ、確かに難しいわなあ。きみならどうする? たとえ次の選挙で敗戦するとしても、農民を優先するか?」

「いや、やはり牛や羊を大切に…」

「そんなことを言っているようでは政治はできんって。 きみは功利主義者だろう。大局を見ろ、大局を」


27/Mar/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

Summertime

先の日曜日から夏時間に変わったおかげで、夜8時ぐらいまで明るい。

買ったCD-ROM、あるいは辞書について

本屋で雨やどりをしているときに辞書を見ていたら、 ケンブリッジがなかなかがんばっていることに気付き、 ついCD-ROM版の辞書を買ってしまった。 15ポンドは安いと思う。

この辞書の特徴は、とにかく用例が多いこと。 たとえばsmidgen (smidgin)などというマイナーな単語にも、 例文が三つ付いている。 本に比べると、CD-ROM版は若干見にくいのが難点だが、 ほとんどの単語にアメリカ英語とイギリス英語の発音がついているのも良い (ただし、発音を聴くにはCD-ROMを挿入している必要あり)。

コリンズのCOBUILDとケンブリッジのこの辞書に比べると、 オクスフォードとロングマンは少し遅れている気がする。 過去の栄光にしがみついていないで、改良の努力を重ねてほしい。

というわけで、現在主に使っている辞書は、 コンピュータではマイクロソフトのブックシェルフと Webster's New World Dictionary & Thesaurus (*)。 リーダーズとか広辞苑も入っているが、 英和や国語辞典はブックシェルフでだいたい間に合う。

(* 後者はたいへん重宝している。例文がほとんどないのが難点だが、 辞書とシソーラスが別々に表示されるシンプルなインターフェースと、 語源を記してあるのがよい。おすすめ)

本では、あまり使わないが、 マレーシアの空港で買ったCOBUILD Learner's Dictionary。

あと、百科辞典はコンピュータ雑誌に付録として付いていたHutchinson のMultimedia Encyclopedia 2000。これも使いやすい。

何かコメントがあればどうぞ。 他におすすめの辞書があったら教えてください。


28/Mar/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

買った本

時事漫談

「風邪を引いてしまいました。ノドが痛くて困ります」

「なにっ。口蹄疫じゃないのか、それは」

「そんなわけはないでしょう。 人にうつる可能性もわずかながらあるそうですが、 羊や牛などの動物との濃密な接触がないかぎり心配ないそうですから」

「信用ならん。足を出してみろ、足を」

「まったく、悪魔か何かじゃあるまいし、ひづめのわけがないでしょう。あっ」

「あっ」

「あ、足がひづめになっている。そそそんなばかな」

「焼却焼却。みじかい付き合いだったな。あばよ。こだまの(新)世界、堂々完結」

「アギャー」

(ヒクションです。が、しばらく日記が更新されない可能性があります。 心配しないでください)


29/Mar/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

ミュンヘン行

昼下がりにスタンステッド空港に行く。 あいにく地下鉄がストライキをしていたので、 バスでリバプールストリート駅に行き、 そこからスタンステッド急行に乗って空港へ。 電車の中で、ピギーケースのカギを無くしたことに気づく。

空港ではつつがなくチェックイン。 「ドイツに行くのにビザはいらないのか」と尋ねられ、 何も調べていなかったのであせったが、 短期の旅行の場合はいらないようだ。

飛行機は半時間遅れで出発。 墜落することもなくミュンヘンに到着。 税関も簡単にパス。 某氏が空港に迎えにきてくれたので、 目的地である某氏の家まで何も問題なく辿りつくことができた。感謝。

ピギーケースのカギは、ペンチで簡単に切れた。


30/Mar/2001 (Friday/vendredi/Freitag)

ミュンヘン2日目

午前中、一人でレンバッハ・ハウスへ行ってきた。 19世紀以降のミュンヘンを中心とした絵画が展示してある。 20世紀以前のものはぱっとしないが、 カンディンスキー、ヤウレンスキー、フランツ・マルク、 パウル・クレーなどの作品がよい。

ついでにクンスト・バウというところでシルエット展も見る。 ドイツではなぜ肖像をシルエットで描くのが流行したのだろうか。

夜、某氏と某氏の友人たちと食事。まだ体調が悪い。


31/Mar/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

ミュンヘン3日目

体調回復せず。喉の腫れは引いたが、 かわりに右の鼻からまさに水のように鼻水がでる。 右目だけ涙が出たりする。 何か悪い「気」でも右半身にたまっていたのか。

某氏宅のクリネックスをもうれつな勢いで消費してしまう。すいません。

しかし観光しないわけにもいかないので、 今日はミュンヘン大学 (正式にはルートヴィヒ・マクシミリアン大学) とその周辺を観光してきた。 大学はイースター休みだったので閑散としていた。 古本を買おうと思ったのだが、 土曜日は2時に閉店してしまうので、 あまり見る時間がなかった。

ついでにマリエン広場のあたりを4時ごろまでうろつく。 土曜日は買物の日らしく、ものすごい人混みだった。 聖母教会の塔に昇りたかったのだが、 今日は閉まっていた。

夜、某氏にカレーを作ってもらう。感謝。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sat Mar 25 00:27:59 JST 2006