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こだまの世界

2001年12月中旬号

「ただし、あらゆる行為、あらゆる情念が中庸をゆるすわけではない…。 たとえば悪意・破廉恥・嫉視、また行為でいえば、 姦淫・窃盗・殺人など。 すなわちすべてこれらやこれに類したことがらはそれ自身劣悪であるがゆえに 非難されるのであって、その過超とか不足とかが非難されるのではない…。 これらのことがらに関しては、然るべき女を相手に、 然るべき時に、然るべき仕方で姦淫するかどうかということの上に姦淫の よいとかよくないとかがかかっているのではない」

---アリストテレス、『ニコマコス倫理学』より
(高田三郎訳、岩波文庫、1971年、上巻72頁)

「日常の行動が変わって行くことが基本だと思う。 その行動が変わって行かなくては、 論壇のようなところで民主的なことを話しても、 それは論壇民主主義です」

---鶴見俊輔
(西島健男、「鶴見俊輔と『思想の科学』」
『哲学がわかる』、アエラムック、1995年、177頁)


主な話題


11/Dec/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

「イミなくカタカナがタヨーされているブンショーってすごくハラタツよな」

「ハラタツハラタツ」

「しかしコレってナンナンダロー。どうしてハラタツんだろうか」

「ゲンゴテキなものってなかなかセツメーできないけど、 なんかウケねらいテキなとこがハラタツんじゃないダローカ」

「しかし、 イミなくヒラガナがおおいブンショーよりぜったいハラタツよな」

「ハラタツハラタツ」

「ん、『テツガクがわかる』のボーツチヤセンセーのブンショーのこといってんの」

「いや、まあイッパンテキにさ…」

「寒くて起きる。ヒコーキがツイラクする夢を見ました」

「どういうイミなんだろうね」

「落ちるけど、離陸後すぐだったので、 海の上に降りてそのあと無事に脱出できるんですよね」

「離陸後すぐってだいたいダメなんじゃないのか」

「なにか大失敗する(した)けど、 思ったより被害がすくなくてすむ、ということか? ゲソダイ哲学の件について考えていたのかもしれんな」

「あ、勉強しなくちゃ」

朝2

「授業授業」

お昼

「授業に行くまえにフト自分を探すための旅に出てしまい、 おおはばに遅刻してしまう」

「残念ながら自分は見つけられず」

「徳倫理二日目。 カントと徳について。 カントは有徳になるには漸進的な改革ではなく改心に比すべき革命が必要とされる と考えていた、というような話」

「つまり、全寮制の学校に六年間入って徐々に人格が陶冶されるのではなく、 ある日突然改心してすばらしい人間になるというわけですか」

「ダンコンダンコン」

昼下がり

「お昼は某中央生協で梅雑炊」

「引き続き徳倫理の講義。徳と習慣について。 習慣によって知識が身に付くというような話」

「それはあれ? 自転車とか自動車に乗る練習をしていると、 そのうち鼻歌を歌いながらでも操縦できるようになるということ?」

「うん、まあそんな話じゃないんですかね。 知識が血肉化するというか。服も着ることによって 自分の一部と化しますからね。セックスも性教育だけじゃだめで、 実習してみないとね。何を言ってるのかよくわかりませんが」

「ダンコンダンコン。ロゴスダンコン」

「きみ、大丈夫か」

「ヒテーのヒテー。ゼッタイヒテーセー」

「あ、ついにいかれた」

「授業終わり。 アリストテレスにとって倫理学は厳密学ではないとか、 シラーの美しき魂の話とか」


12/Dec/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

「テレビ見ながらリンク集をすこし更新する」

「分類がまずいだろ」

「よくわからん」

「やばい」

「ダンコンダンコン。ラ〜ラ〜ラ〜」

「昨夜は某越智先生を囲んで某韓国料理屋で飲み会。 焼肉関係が多く食べれないものが多かったが、 なかなかうまい料理屋」

「何話したか忘れた。なんだったかな。 バンドの練習をするという話とか」

「金曜日くらいに下宿のシャワーが復活するらしい」

真夜中2 (午前)

「中年オヤジ層に人気沸騰中の某さんが借してくれた『新解さんの謎』 をパラパラと読む。 ちょっと冗談のセンスが今ひとつな気もするが(清水義範のノリに似ている)、 それでも数ヶ所で吹き出してしまう」

「ムリしちゃって。やせ我慢してないで大笑いしたら」

「それに中年オヤジ層というのはまずいだろう、中年オヤジ層は」

「いや、他に形容の仕方を思いつかなくて」

「ジョン・ベルーシとダン・エイクロイド風の殺し屋に追いつめられて絶体絶命、 という夢を見ていると、電話で起こされる」

「〆切に対する恐怖じゃないの、やっぱり」

「それと、コタツで寝てるせいか腰が痛い」

お昼

「めずらしく遅刻せずに授業に出る。あまり授業に出てる場合ではないのだが」

「テオリア、プラクシス、テクネーについて。 近代ではテクネーやポイエシス(技術にかかわる知識)が軽視されていた、 というような話」

「大学内のネット環境がかなり悪化していない? お昼だからかもしれないけど、 ほとんどモデム並かそれ以下の転送スピードなんだけど…」

「いや、そんなに遅くはないと思うよ」

「生協早くADSL8Mbpsに対応してくれないかな、話は変わるけど」

「また話は変わるけど、環境倫理学についてのネタを探す必要あり。 あと、情報倫理学についても」

昼下がり

「ひきつづき集中講義。アリストテレスとカントの幸福観について。 アリストテレスは行為をしているさいに幸福になるが、 カントは行為が達成されると幸福になるとか、そんな話。 ちょっと意識が飛んでしまったので細かいところはわからない」

某君の掲示板の記述がおもしろいので一部引用」

ウィルス / Luft++ 【URL】

01/12/12(Wed) 0:37

非常に恐ろしい。

ここ二週間ほどで20回以上OSをインストールしなおしているのだが、どれだけ インストールしなおしても、調子が悪い。XP入れるとプロファイルが壊れたり、 MEを入れてみてもレジストリが読み込めません。修復して再起動しますという ウィンドウが現れたまま、次回以降はデバイス等がすべてやられてしまう。

そこで、ウィルススキャンをかけてみたのだが、22種類でてくる。うちいくつ かは、遠隔操作したりする(いわゆるトロイの木馬)やらの私が所有するハッキ ングツールなのだが、ほかのものなんかもでてきたりして、実際なにが原因な のかわからないのでとりあえずすべて消したわけです。んで、今日にいたり、 またレジストリがいかれかけてたので、バックアップから復元して、ギリギリ セーフだったわけですが、そういうわけどもう一度ウィルススキャンをかけて みると、さらにまたトロイの木馬が検出され、即刻消されたわけであります。 んで、実際のところ、原因がなんなのかはわかりませんが、いろんな重要なファ イルやらがたくさん消えたり、連絡ができなくなったりと大変みなさんにご迷 惑おかけしております。この場をもってお詫びします。

「授業は早目に終わる。某君らがバンドの練習の曲を決めていた。 どうやらオレはベースをやることになるようだ。練習しよう」

「最低限の文化的生活を送るために、某所でフトンを買う。 掛・敷ふとんとカバーで3万円ちょっと。 これで暖かくなかったら火を着けて燃やしてしまおう」

UCLの成績

「ぎゃ。UCLの成績がついに来ました」

「ぎゃ」

「ぎゃ」

「それでどうだったの」

「す、すごいです、いろんな意味で」

「どうすごいねん」

「まず、ディサテーション。70点。優(distinction)」

「ほう」

「つぎに、『ジェレミーベンタムと功利主義の伝統』クラス。63点。合格(pass)」

「なんでやねん」

「いやあ」

「いやあとちゃうやろが」

「その次が、『法哲学と法理論』クラス。48点。allow pass」

「よ、48点。ぎゃー」

「ぎゃー」

「ぎゃー」

「これって何なんですかね、allow passって」

「そんなんはじめて聞いたよ。 お情けで通したったってことちゃうの? いったい何やったんや、きみ」

「いやあ〜。試験か論文か…。たぶんどっちもですかね。 先生厳しかったもんなあ」

「ふ、ふるえるな」

「ふ、ふるえます」

「『現代政治哲学1』クラス、70点。優」

「ふむ」

「『現代政治哲学2』クラス、72点。優」

「なるほど。それで総合的には?」

「『合格』でした」

「まあじゃあ一応おめでとうということで。もっと修業しいや」

「とくに法理論がんばります。功利主義も」

夜2

「炊きこみごはんを食べたあと、すこし寝る。 それからちょっとベースを弾いてみる。 人差指の先が痛くなる」

「Taxmanの途中のベースリフ、機知外だよなあ」


13/Dec/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

「銭湯に行く。風呂から上がったあたりで猛烈な鬱に襲われる」

「なにか悪いものでも見たのか」

「いや、よくわかんないんだけど」

「すべての物事には原因がある。 なにか鬱の原因になるようなことを考えていたんだろう」

「まあもうだいぶ回復したのでいいです」

「残っていた炊きこみごはんを食べたら眠くなってきた」

「日本の不景気を解決する方法を思いつきました」

「言ってみろ」

「問題は個人消費の冷え込みでしょう。 そこで、アフガンを爆撃していたB-52を呼んできて、 東京にじゅうたん爆撃をしてもらうんです。 そしたら建築やら家庭用品やらの需要ができて、 経済が復活するかと」

「だったら京都にもやってもらえ」

「いや、中京区のあたりであれば構いませんが…」

「『なぜ人を殺したらいけないか』について、アリストテレスとカントと 功利主義者はそれぞれなんて言うんでしょう」

アリストテレス「なぜなら、悪い行為とは善い人がしないことのことであり、 善い人は殺人をしないからだ。もちろん戦争に行けば敵を殺すけどな」

カント「普遍化できんだろうが、『自分が嫌いな相手を殺してもよい』 という格律は」

功利主義者「まあ全体の利益に貢献するときは殺してもいいんじゃないの。 某ビンラディンとか。 しかし、殺すと薮をつついて蛇を出すことになりかねんがな」

「功利主義者って誰ですか」

「さあ。匿名希望なんでしょう、きっと」

「そういえば、この話題が2chの哲学板でもまた問題になっているようですね」

「2chはもうあんまり見てないんだけど」

お昼前

「さっき起きた。勉強せねば。ちょっと今日は授業に出れそうにない。 あとで学校に行くつもりだけど」

「中国脅威論。日本の製造業の空洞化。 そりゃ労働力が安く大量に提供されるわけだから、 自由化されれば中国でやった方が企業は得だ。 そもそも日本がいつまでもアジアで一位の座にいれると思うのがおかしい。 競争力をつけるためには英語でも中国語でも勉強して足腰を鍛えろっ」

「またわけのわからんことを」

「ADSL。加入者が120万人を超えたらしい。米国では300万人、 韓国では500万人くらいだそうだ。値段は、米国が6000円程度、 韓国が3000円程度。日本は一時的に2000円を切っているので、 世界で一番安くADSLサービスを提供しているそうだ」

「ヤフーのおかげだな」

「電話関係は自由競争の美点がいかんなく発揮されてる感じがしますよね。 マイラインはよくわかんなかったけど」

「さて、リンクリンク」

お昼

「わ。洗濯してたらもうこんな時間。早く勉強しよう」

写真は玄関口に勝手に茂っている木になる実。 名前は知らない」

昼下がり

「引き続き雨。外に干した洗濯物がちょっと濡れている気がする」

「うどんを食べる。しいたけ、玉子、とろろ昆布、唐辛子入り」

「やっと本気でリンク集を作る気になってきた」

「辛口のコメント書いてやろう。ひひひひひ」

夕方

「ああ、もういやになってきた。 サイトぐらい自分で勝手に調べてくれよ、ほんとに」

「いや、信用あるリンク集を作るって意義のあることだと思うよ。 クズサイトと重要サイトを見分けるのって一苦労だもん、やっぱり」

「資料収集と情報交換のために大学に足を運ぶ。 いくらか有益な情報を入手」

「帰りに買物。鍋の準備(ぽん酢を購入)」

「某君から聞いたが、 テレビのゲイ関係の特集番組に某氏が映っていたらしい」

「え、あのダスティン・ホフマン似の?」

夜2

「某NHKの7時のニュースを見ていたら寝てしまい、 国谷さんを見損ねる。 起きたら同じニュースキャスターがしゃべっている」

「あの赤い実のなる低木、南天って言うんですって。 煮ればノド飴になるのかしら」

「精力剤にもなるらしいよ」

「まあ」

と言って花子は顔を赤らめる。

夜3

日記の整理

真夜中

「テレビで『フォートレス』を観てしまう。 クリストファー・ランバートかっこいい」

「この映画には続編があって、 クリストファー・ランバートはまた捕まって牢屋に入れられてしまうそうだ」

「まぬけっすね」

真夜中2

「う、首相が燃料電池車に試乗している。 環境的にはあれで大丈夫なのかなあ」

「免許取る?」

「まあちょっと考えてみます」


14/Dec/2001 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

「おれの哲学・倫理学用語集にリンクがあまり貼られてないのはけしからん。 あんなにおもしろいのに」

「いいかげんな説明の項がたくさんあるからいけないんでしょう。 ヘーゲルの項なんか、『ドイツの哲学者(1770-1831)。哲学を完成させてしまった男』 で終わりじゃないですか。これじゃ誰も信用してくれませんよ」

「冗談がわからないやつだな、おまえは。 全部まじめだったらおもしろくないだろうが。 『新明解国語辞典』を見習え。 それにヘーゲルの説明なんてごまんとあるんだから、 おれがわざわざ書く必要もない」

「まあもうちょっと体系的かつ真剣に書かないとダメですよ」

「や、やかまし」

真夜中2 (午前)

「チェチェン、パレスティナ、アフガニスタン。 なぜいたるところで戦争が起きているのだろう。 もう二十一世紀だというのに」

「またナイーブなことを。ちゃんと国際関係の勉強をしろってば」

「キムチ雑炊を食べた」

「今夜こそは鍋決行だ」

「そういえば思い出したけど、 某中央食堂の天丼は舌が腐り落ちるほどまずい。 あのテンプラは最悪。今後絶対に食べないようにしよう」

「そう言いつつ、すっかり忘れてまた食べるんじゃないの」

「こんなサイトがある。 翻訳のためのインターネットリソース。 すごいな、この膨大なリンクは。 やはりコレクター魂がないと優れたリンク集は作れんな」

お昼前

「わ、思いきり寝てた。やばい、〆切がっ」

お昼すぎ

「ああ、もういやだー」

「甘えたことを抜かしてるんじゃあない。〆切厳守だ」

「いや、まじで間に合わん気がしてきたぞ」

「お、おれの顔をつぶす気か。しし、死なすぞ」

「まだリンクが60ちょっとしかない」

「東大は哲学も倫理学もウェブサイトがないっていうのはどういうことだ。 けっ、けしからん」

「ノーコメント」

「東北大も今ひとつ。 こういうページとか こういうページに リンクを貼ったら怒るかなあ」

「ノーコメント」

「あ、北大でも『世紀末の倫理』の読書会をやっているようだ。う〜む」

「ノーコメント」

「九大の研究室だよりは背景が悪質でとても読めん」

「ノーコメント」

「う〜む。情けないサイトばかりだな、正直に言って。 とてもリンクを貼って紹介する気にはなれん」

「京大倫理学のも大概でしょう。ちょっとは更新しなさいよ」

「やりますやります」

「旧帝大はダメだよ。危機感がない」

「いったいウェブサイトのアレテー(徳)ってどういうものだろう」

「それは徳のあるサイトがやっていることを見ればわかるはずだ」

「じゃあ徳のあるサイトってどこにあるんだ」

「それを知らないようじゃあ君に徳を語る資格はない。沈黙したまえ」

「賞をいろいろもらってるサイトがそうじゃないの」

「そもそも日本でもウェブサイトに与えられる賞ってあるの? それに、その賞を与える機関は卓越性に関するなんらかの基準を持ってる んじゃないの?」

夕方

「うどん」

「ようやく、というか今ごろamazon.co.jpから本が届く」

「これ、必要経費で落としてくれるそうだから注文したんだけど…。 お、実哲研も載ってる。あ、これ某中山氏が書いてるのか。 どおりでドイツ語とかイタリア語とかのサイトも紹介してるわけだ。 誰が読むんだ、イタリア語なんて」

「きみ以外のたくさんの人が読むってば」

「ぎゃ。催促の電話が来た。人間失格」

「待たせとけ待たせとけ」

「フランス語の哲学のポータルサイトを知っている人は至急連絡してくれませんか。 Ulysse(http://www.babel.fr/ulysse/)が消えたようでたいへん困っています」

「う〜、やばい、あと一時間…」

「某君にいろいろ左翼系のサイトを教えてもらったが、 ちょっとやりすぎると文句が来そうなので自主規制することにする」

「え、某朝日だったら大丈夫じゃないの」

「けど、『正真正銘のトロツキスト、 西○×氏がトロツキー研究所のホームページを開設しました』 なんてこと書いてあるところはちょっとまずいんじゃないの?」

「大丈夫、大丈夫ですってば」

「とりあえず某朝日にメイルした。 しかし、いいかげんなまま見切り発車してしまったので猛烈な自己嫌悪に 襲われる」

「『哲学/思想のリンク集が便利。他に「よい子の社会主義」などの連載もあり』 なんて紹介とか、 『『「知」の欺瞞』 についての情報など。掲示板での議論も活発。推奨文献も推奨』 なんてこと書いてたもんね。 朝日をなめるんじゃないって突きかえされるんじゃないの?」

「分類もわけわからんし」

「こんなことも書いてるじゃない。 『粉川哲夫のサイト。メディア関連のエッセイなど。非常に見にくいページ』。 殺されるわよ」

「だってほんとなんだもん。目、つぶれるかと思ったよ」

「説明の文字数も25字以内って言われてたのに、 『情報倫理の構築プロジェクト。フォーラムの記録、 倫理資料データベースなどが重要。京都大学、広島大学のサイトも要チェック』 って、どう見ても50字超えてるじゃない。 しかも、なんでメインのリンクが千葉大になってるのよ」

「いや、千葉大のサイトが一番充実してたから…」

「それに、某先生のサイトとかないし…。殺されるわよ」

「某先生がこんな俗物的な雑誌を見ないことを祈ろう。ハレ・クリシュナ、 ハレ・クリシュナ」

「あ、最後になったけど、今回もいろいろな方々にお世話になりました。 ほんとにありがとうございます。いつか恩返しさせていただきます」

「とくに修論執筆中の某氏にはかなりの情報をもらいました。 ありがとうございます」

と言って花子は頬をほんのりと赤らめた。

夜2

「ケイト・ウィンズレット、歌うまいよな(`What if')」

「買物に行き、予定どおり水炊きを決行した。 白菜とエノキだけだったので今ひとつ。 エビか鱈(たら)を買おう」

真夜中

「ふとキルケゴールの解説書を読む。 人はアレかコレかという倫理的選択を逃れて美的な生き方をするが、

選択しないことの最終的な結果は、ウツである。 キルケゴールのウツの分析は彼の著作の中で最も感動的で心を打つ。 彼はウツを「死に至る病」と呼ぶ。 身体の病は身体の死をもたらすかもしれない。 しかし、キリスト教の教えでは身体の死は生への移行である。 それに対して、ウツは精神の病であり、 「自分自身」が病にかかっている。 ウツに苦しむ人々は死にたいと思うものの、 彼らは死なずに生きつづけることで耐えがたい苦しみを味わう。 ウツとは生きたまま死ぬことなのだ。 人は失恋や失敗などの特定の出来事によってウツになるかもしれない。 しかし、ウツの本当の原因は自分自身なのだ。 ウツの人は自分自身を片付けてしまいたいのであり、 しかしそれは不可能なことを知っているのである。 それゆえウツは精神の麻痺状態であり、 真の自由の正反対に位置している。

---Robert Van De Weyer, Kierkegaard In a Nutshell
London: Hodder & Stoughton, 1997, pp. 13-4.

んだそうな」

「あれ、ウツじゃなくて絶望でしょ。なに勝手に変えてるのよ」

「ウツの方が現代的でいいじゃん。 ウツだ死のうと言いながら死ねないわけでしょ、みんな。 言葉は違っても同じことを指してたんじゃないの、きっと」

「そんないいかげんなことを言ってたら怒られるわよ、 キルケゴーリアンに」

「『自分を持つこと、自分であることは、 永遠なる者が人間に与えた最も大きな贈り物である。 しかし、それはまた永遠なる者の最も大きな要求でもある』だって。 人間もなかなか大変だ」


15/Dec/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

「シャワーを浴びる。 昨日、電気屋が来て巨大な電気湯沸器を設置して行ったのだ」

「どのぐらい大きいんですか、それは」

このくらい大きい。 この写真ではわかりにくいが、だいたい1.5メートルくらいある。 電気代も相当かかると思われるぞ」

「そういえば、昨日某君に頼んで買ってもらった本が届きました。

某君の見えない力のおかげで両方新品を半額で購入することができました。 某君に感謝。いつも感謝しています」

「わ、知らないうちにポンドが185円台になってる。すごいなこれは」

「ドルも127円台ですしね。円はほんとに弱くなってますね」

夜明け前

「もう起きてしまった」

「もう起きてしまった」

「腹減った」

「もう行かねば、某関空へ」

「某関空」

「ムニャムニャ」

「合評会遅刻」

「ポッター」


16/Dec/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

「では質問どうぞ」

「昨日なんで関空行ったんですか」

「某痴人を迎えに行くためです。 飛行機が予定より1時間以上遅れてずいぶん待たされました」

「某痴人とは誰のことですか」

「某痴人は某痴人です」

「女性ですか男性ですか」

「今の質問をした人を粛清してください」

「粛清しました」

「はい、では次」

「なんで実哲研の合評会に遅刻してきたんですか。 それも大幅に」

「関空から戻ってくるのに時間がかかったんですが、 実はそのあとフトンの配達を一時間ほど待っていました。 ごめんなさい。このつぐないはかならず」

ハリーポッターを見に行ったって本当ですか」

「はい。某痴人と行きました」

「どうでしたか」

「長過ぎです。かなり疲れます。映像、俳優はAクラスですが、 ちょっと犯人探しの要素がうまく行っていないようでした。 部分的にはかっこいいところが多々あります。 しかしやはり未成年向けの映画でしょう」

「総合評価は」

「B-です」

「タクシーで下宿に戻ったって本当ですか」

「映画館から出たら電車もバスもなかったので泣く泣くタクシーに乗りました」

「ということは某痴人はどこに泊まってるんですか」

「企業秘密です。今の質問をした人も粛清してください」

「粛清しました」

「粛清ハンターイ」

「粛正ハンターイ」

「一言言いたいんですが、 河原町通りの某ま○坂というところで鰻丼を食べましたが、 これがひどい味で。 危険ですのでぜったいに食べに行かないように注意してください」

「起きる。部屋寒すぎ。死んでしまいそうだ」

「昨日入手した本。


17/Dec/2001 (Monday/lundi/Montag)

お昼すぎ

「昨日は大阪観光に行ってきた」

「まず難波から道頓堀に行き、いか焼、たこ焼を食べる」

「それからアメリカ村を回り、心斎橋から梅田に戻り、 少しあたりを歩いてから京都に帰還」

「ひさしぶりに歩いたので疲れた」

「通天閣に行き忘れた。べつにいいけど」

「夜はカレー」


18/Dec/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

「昨日は銀閣寺に行ってきた」

「市バスの一日乗車券は500円だからけっこうお得だ」

「そのあと某ルネに行き本を注文していた購入」

「『現代思想』の別冊の現代思想のキーワードも買おうかと思ったが、 やめておく」

「あ、CDも昨日amazon.co.jpから届いたのだった」

真夜中2 (午前)

「今月はじめぐらいから左の首筋が痛い。ctrlキーの使いすぎか、 あるいは(ウワサで聞いた)親知らずが原因か。 いままで肩こりにはあまり悩まなかった方なので、けっこうつらい」

「あいかわらず首が痛い」

「そういえば、昨日は某ユニクロでズボンとシャツも買ったのだった」


19/Dec/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

「昨日は京都を回った」

「またバスの一日乗車券を購入し、 金閣寺、 竜安寺、京大、八坂神社、清水寺、JR京都駅を観光してきた」

「お昼に大学のそばの某く○みでカレーを食べたところ、 量が多すぎてあとで猛烈に気分が悪くなってしまった。 あそこには今後立ち入り禁止」

「部屋が寒すぎるので、ついに大学生協で半纏を購入」

「夜はお好み焼きを作って食べる」

真夜中

「今日は姫路と神戸に行ってきた」

姫路は遠いので青春18切符を購入。 新快速で京都から二時間近くかかる」

姫路城に行くのは初めて。 自由に歩き回れて楽しい。 客が少ないのもよかった」

「姫路いいとこ一度はおいで」

「それから元町へ。 繁盛している中華街(南京町)でつまみ食い」

「そのあと、信じられないほど長い列に加わってルミナリエを見てきた。 人混みに流されるという経験以外、何が楽しいのかわからず」

「まあ。ロマンチックじゃあないのね」

「あんな人混みの中でどうやってロマンチックになれるわけ?」

「非倫理的な人は、大丸の裏口から列に加わるのがベスト」

「夜は某天一本店でラーメン。食べすぎてまた気分が悪くなる」

「どうも新しく買ったズボンがきつすぎるみたいだ」

「今度から29インチにしよう」


20/Dec/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

「早くクリスマスカードを出さねば」

「え、まだ出してなかったの。全然だめじゃん」

「あ、年明けに歯医者の予約をしておいた」


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Sep 29 08:35:40 JST 2006