オースティン

(おーすてぃん Austin, John Langshaw)

Many important distinctions, which are not immediately obvious, between types of social situation or relationships may best be brought to light by an examination of the standard uses of the relevant expressions and of the way in which these depend on a social context, itself often left unstated. In this field of study it is particularly true that we may use, as Professor J.L. Austin said, `a sharpened awareness of words to sharpen our perception of the phenomena'.

---HLA Hart


英国の哲学者(1911-60)。 二十世紀半ばのオックスフォード大学における日常言語学派 (通常用いられている言葉使いを分析することによって概念を明晰化する手法) を代表する哲学者の一人。

オースティンは言語の行為的側面に着目し、 発話行為(speech act) という概念を生み出した。 たとえば結婚式で`I do.'と言ったり、 新しい船の進水式をやるときに「わたしはこの船をクイーン・メアリーと命名する」 と言ったりする場合、 これらの発言は真であったり偽であったりする言明(陳述 statement) ではなく(いいかえると、出来事を記述しているのではない)、 言葉によって結婚の宣誓や船の命名といった行為を行なっていると考えるべきである。

主著は死後に出版されたHow to Do Things with Words (1961)。

発話内行為発話媒介行為の項も見よ。

12/Aug/2001


上の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sun May 23 15:36:24 JST 2004