中級編
基礎編では、98ページから105ページに掲載されている「ケトン食食品交換表」の使い方を解説しました。
具体的には、食品構成表に記された「基本の食品」を実際に使う食材料に交換する方法を解説しました。
この考え方は、「基本の食品」からの交換のみならず、既に作成された献立に使われている食材料を好みの食品に交換する際にも使えます。
この「中級編」では、ケトン食入院から退院する際に担当栄養士から頂いた1週間分の献立や、ケトン食の本に掲載されている献立に使われている食材料を、当日の冷蔵庫にある食材料に交換する方法を解説します。
ケトン食の本の34ページには、「1,300kcal/日 ケトン比 2.5:1」の献立が紹介されています。
昼食には、「シーフードピザ」と「豆腐のポタージュ」の献立が用意されています。
献 立 | 材 料 | 数 量 |
シーフードピザ | 生地 ケトンフォーミュラ 生クリーム たまご ツナ缶 えび 玉ねぎ 粉チーズ ルッコラ マヨネーズ ケチャップ サラダ油 |
20g 10g 20g 10g 10g 10g 少々 少々 5g 3g 2g |
冷蔵庫には、「えび」がありません。「ベーコン」や「ウィンナー」を使ったピザにアレンジできないでしょうか?
「えび」や「ツナ缶」は、「ベーコン」や「ウィンナー」と同じ「主成分がタンパク質の食品」グループに属しますので、交換は可能です。
「ツナ缶 10g」を「ベーコン 何g」に交換できるでしょうか?
基本の食品が「あじ 20g」のケトン食食品交換表を見ると、「ツナ缶 20g 油の量 −4g」と「牛肉(脂身付) 20g 油の量 −1g」が交換可能となります。つまり、「ツナ缶 10g
油の量 −2g」=「牛肉(脂身付) 10g 油の量 −0.5g」であり、「ツナ缶 10g」⇒「牛肉(脂身付) 10g 油の量 +1.5g」となります。
一方、「牛肉(脂身付) 20g」は、「ベーコン 30g 油の量 −10g」に交換可能です。つまり、「牛肉(脂身付) 10g 油の量 +1.5g」は、「ベーコン 15g
油の量 −5g+1.5g = −3.5g」に交換できます。
よって、「ツナ缶 10g」⇒「ベーコン 15g 油の量−3.5g」となります。
続いて、「えび 10g」を「ウィンナー 何g」に交換できるでしょうか?
基本の食品が「あじ 20g」のケトン食食品交換表を見ると、「えび 20g 油の量 +1g」と「牛肉(脂身付) 20g 油の量 −1g」が交換可能となります。つまり、「えび 10g
油の量 +0.5g」=「牛肉(脂身付) 10g 油の量 −0.5g」であり、「えび 10g」⇒「牛肉(脂身付) 10g 油の量 −1g」となります。
一方、「牛肉(脂身付) 20g」は、「ウィンナー 20g 油の量 −3g」に交換可能です。つまり、「牛肉(脂身付) 10g 油の量 −1g」は、「ウィンナー 10g
油の量 −1.5g+1g = −0.5g」に交換できます。
よって、「えび 10g」⇒「ウィンナー 10g 油の量−0.5g」となります。
これらの交換を反映させて、献立を書き換えてみましょう。
献 立 | 材 料 | 数 量 |
ベーコン・ウィンナーピザ | 生地 ケトンフォーミュラ 生クリーム たまご ベーコン ウィンナー 玉ねぎ 粉チーズ ルッコラ マヨネーズ ケチャップ サラダ油 油の量 |
20g 10g 20g 15g 10g 10g 少々 少々 5g 3g 2g −4g |
「油の量 −4g」ですが、「豆腐のポタージュ」に使われている「生クリーム 30g」を減量することができます。「植物油 5g」は「生クリーム 12g」に交換可能ですので、「植物油 4g」⇒「生クリーム 12g
÷ 5g × 4g = 9.6g」、つまり、「生クリーム 20g」に減らせます。
しかし、ケトン食は、脂質が多い方が良いので、「油の量 −4g」を無視することもありえますよね。
では、ケトン食の本の32ページで紹介されている「1,000kcal/日 ケトン比 2.5:1」の夕食の献立の主菜とサラダである
献 立 | 材 料 | 数 量 |
かに入りオムレツ | たまご 生クリーム かに缶 塩、こしょう、ねぎ マーガリン レタス |
20g 40g 20g 少々 6g 10g |
レタスと豆腐の サラダ |
レタス 木綿豆腐 マヨネーズ |
20g 20g 10g |
オムレツの具を「かに缶 20g」を「プロセスチーズ」に交換し、サラダの「レタス 20g」を「レタスときゅうり」に、「木綿豆腐」を「ツナ缶」に交換してください。