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「稲作日記 2014年・夏」 京都大学医学部附属病院 白波瀬 浩幸
 7月下旬〜8月初旬に稲の花が咲きます。 小さく可憐な白い花ですが、開花は朝方でせいぜい3時間くらいの短い時間しか咲かないので、 都会(まち)の人には意外と知られていないかもしれません(田舎育ちの自分自身も、自分でコメ作りするまでは知りませんでした)。


 それはそうと、昨年の秋の台風18号によって由良川の支流である川合川も氾濫し、 田んぼの端っこも土砂崩れ。幸いなことに台風到来の10日前に稲刈りが終わっていたので、 我が家の収穫の被害はなかったけど、お隣さんの田んぼは稲刈り前で、 倒れた稲の上に土砂が被さり半分ほどは稲刈り不能の状態でした。 冬が過ぎ、春が来ても修復作業は進まず、今年のコメ作りは無理かなと思っていたところ、 4月に入り修復工事が一気に進み、今年もなんとか例年通りコメ作りの準備に取り掛かることになりました。

 例年の準備作業の前に今シーズンは一仕事。 それは川の氾濫で流されてきた、空き缶、ペットボトル、雨合羽、ワイヤロープ、流木、トタンなどを取り除くこと。 それが終わってから、肥料をまいてトラクターで耕うん作業となる訳ですが、 重機による作業があったので、地盤となる硬い層の高さが違うので、水平に整地するのが難しい。 結局、中途半端なまま代掻きを終えて、田植え作業はひとまず順調に。 土地が水平でないと、田植え後に多めに水を入れないと水に浸からない地面が出来るし、 たくさん水を入れ過ぎると苗が水没するのでとっても悩ましい。

 稲の成長と共に雑草がたくさん生えて、とてもマズい感じになりましたが、 農薬は最小限に、が一応のモットーなので、追加の農薬投与は控えて、 草取りもちょこっとやりながら、あとはなるようになれと自然に任せる。 それでも、追肥をしっかり稲に(結果的に雑草にも)与えることで、 稲は順調に育ち、葉っぱの色づきもよくなっていい感じです。

 稲の穂となる部分が2つにパカッと割れると、中からおしべが伸びてきます。 そこに入っている花粉が、おしべの下にあるめしべに落ちると受粉。 それから約1か月後に、ようやく米になる訳です。 これからの作業は、マメに草刈りしてカメムシによる黒い虫食いのコメができるのを防ぐ、 イノシシに入られないように電気柵をチェックする、台風が来ないようにひたすら祈ること。 そうして9月には収穫を迎えることとなります。
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