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「鯛 福 鮨・・・ 明日にかける「讃岐うどん」」 京都第二赤十字病院 芦田 英之

私が鯛福鮨の事を知ったのは数年前の近畿放送テレビでの放映だったと思います。
闘病されている奥様と、支えておられるご主人の放送でした。
私の故郷である舞鶴市にお住まいであったこともあり、一度お会いしてお話がしたいと思っていました。
念願かなって、平成18年12月24日(日)に鯛福鮨へ家族と一緒に食事に行きました。
父の命日に墓参するために、実家の舞鶴市への帰省でした。
日曜日なので、お店を開けておられるのかと不安があり・・・電話で問い合わせをすれば良いのですが、折角の休みだったら、電話でも迷惑をかけると思ったので、車で店の前まで行き、開店を確認してから、再度、母親と一緒にお店に伺いました。
暖簾を開けると、元気な声で・・「いらっしゃい!!」
私は、TVを見たことや、HPでの報道などを知って、鯛福鮨に訪れた事を伝えました。
「いや〜遠くから、来てれたんやね・・」
「いいえ、実家が舞鶴ですから・・」
その後は、打ち解けてお話をする事ができました。
店主の糸井 功さんと奥様の利美さんの闘病・愛情物語を話したいと思います。
インタビューではなく、私が客としてお話を聞いた内容です。
ちなみに、糸井 功さんは私の高校の先輩にあたります。
私が出会った時に感じた印象は、とても明るく、二人で漫才をしている様に見えました。
特に、先輩のご主人は、「だじゃれ」が多く、寒い??と感じていようが、お構い無しに連発でした。私も喋りには少し自信があったのですが、先輩!!・・負けました。

 

筆者と一緒に

一部内容は2003.28掲載のHPより引用しています。
7年前に卵巣がんを発病されて、その後の治療で回復された利美さんが、出身地である香川県観音寺市のふるさとの味を食べてほしいと、念願だった「讃岐うどん」をお昼のメニューとして始められました。
美味しい釜あげうどん(430円)と、巻き寿司・野草の天ぷら(とても美味でした)を食べながら、笑いが途切れることはありませんでした。

 

美味しい「讃岐うどん」

「讃岐うどん」のレクチャーも受けました。讃岐うどんは、讃岐で作らないと「讃岐うどん」と名乗ってはいけないそうです。利美さんは以前から思っておられた、讃岐うどんの本場の味を舞鶴で、皆さんに知ってもらいたい・・
功さんも、病後に自分の生き甲斐を持った方がいいと賛成し、利美さんの地元へ出掛けて一番おいしい店から、同じうどんを直送しているとの事でした。
毎日、笑顔でお客様と接しておられるお二人ですが、病気について、又、気持ちの持ち様についてもお話を聞く事ができました。
病気の悩みの中、お二人は出会った同病者からの励ましを受けたそうです。
利美さんが卵巣がんの診断を受け、入院したのは平成12年2月でした。
抗がん剤で患部を小さくしてから、摘出する手術を受け、抗がん剤での治療は手足がしびれ、歩けなくなるほど苦しかったそうです。病気を知った功さんも、どうしていいか分からず悩み、医師や看護師から励ましを受ける中、お二人は同病者がいる病室に入ることを勧められました。
ここで出会った女性の話を聞き、病気と共存する気持ちへ次第に切り替わったそうです。
利美さんは治療で髪が抜けた時のショックを自分で悩んでいましたが、
「お父さんから命の方が大切だと励まされた」・・・そうだ!!と病気と闘う気持ちと、
共に、自分のためにも、お父さんのためにも頑張ろうと決心したそうです。
利美さんを支える功さんは「ガン告知いろ色すぎし冬の薔薇」など俳句を詠み、自分の気持ちを見つめたそうです。また、独作で仏像などの彫刻も手掛けられていました。
数点の作品を見せて頂くことになりました。どの、作品も、優しさと力強さを感じました。

 

手彫りの仏像

退院後、再発し長期入院。その間、同室者たちと、渓流や野山にハイキングに出掛け、春の風景やお弁当を楽しんだそうです。また、功さんが毎日見舞いに訪れる病室は笑いが絶えなくなったそうです。
笑いが絶えない・・納得します。本当に、明るく楽しい人です。
免疫を上げるために、笑う事が大事だとありますが、私もそう思います。
再手術の予定だったががんは消えていたそうです。その後は通院で、毎月1度、血液検査を受けておられ、定期的に坑がん治療もされているそうです。
利美さんは「今日は何の天ぷらにしようかとか、お客さんと話もできて楽しい毎日です。病気のことも忘れています」。功さんも「生き生きとしている。元気になった」と言っておられました。
私は、調子に乗って、お昼はしていないお鮨ですが、注文をしてしまいました。
とても美味しく頂きました。今度は、夜にゆっくり行きます・・・・
最後に、奥様から言われました。「病気のことをネタにして商売をしているように取られると嫌ですから・・・」十分、分かっています。
鯛福鮨のネタは、美味しい魚と、讃岐うどんと、お二人の最高の笑顔と愛情だと・・・
愛情は最高の味付けでした。
私は、励ましの言葉を伝えるつもりで訪れたのですが・・元気を頂きました。

頑張れ!!明日にかける「讃岐うどん」

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