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「週末の趣味」 京都桂病院 豊山 浩祥

 今回は私の週末の趣味である競馬について紹介したい。
昨年はデイープインパクトがニュースやテレビ番組でも取り上げられ社会現象にもなった。それもそのはず、同世代では実力が飛びぬけており3歳牡馬クラシックの皐月賞、日本ダービー、菊花賞を前哨戦も含めて無敗で勝ち、3冠馬となったからだ。残念ながらその年の暮れの有馬記念では古馬のハーツクライに敗れ2着になったが古馬の壁だったのだろうか。そもそも3歳のデイープインパクトは人間にたとえると中学生くらいで、古馬のハーツクライはベテラン選手といったぐらいの差はあった。今年になり2頭ともにすばらしい戦績を残しており秋には2頭ともに欧州の大レースにうって出る予定であり楽しみである。

 さて今年の3歳クラシックレースといえば第1戦の皐月賞は伏兵扱いされていたメイショウサムソンが混戦を制し1冠を取った。先日行われた日本ダービー(東京優駿)は戦国ダービーとうたわれ大混戦模様を呈しており、何が1番人気になるのかも予想がつかないほどであった。一生に一回3歳時にしか出られないダービー、すべての競馬関係者が目標とするダービー、一ファンの私でさえ発走のファンファーレを聞くと“血沸き肉踊る”という言葉が当てはまる。(実はどのレースもそうではあるが・・・)
私の知り合いに競馬発走時、馬がイレ込んで出遅れないよう“おちつけ、おちつけ”と必死で唱えているイレ込んでいた“人”がいた。もしかして自分におちつけと言っていたのか?君は馬にはまったく影響しないのにと思ったことがある。人間お金がかかっていると平常心ではいられないのである。また、イレ込みぐあいは投資額に比例するのも事実である。

 ダービーの話に戻るが、戦国ダービーを勝ったのは、皐月賞馬のメイショウサムソンであった。やはり皐月賞勝ちはダテではなかったか。翌日のスポーツ新聞に“名将サムソン”と1面に出ていたのが印象的であった。これで21頭目の2冠馬となったわけである。管理されているのは栗東トレーニングセンターの瀬戸口厩舎であるが、瀬戸口調教師といえば20年近く前になるが、デイープインパクトどころではなかった超社会現象となったオグリキャップを管理されていた先生である。競走馬のぬいぐるみや、いろいろなグッズが出て競馬人気が大爆発し、JRAの売り上げも毎年1兆円づつ伸びたころである。いわゆるバブルの前兆期である。私も家内と府中の東京競馬場での天皇賞秋や、船橋の中山競馬場での引退レースで復活をとげた1990年第35回有馬記念を観に行っていた。特に有馬記念では超アイドルホースの引退レースとあり、空前の17万人が入場していた。ずっと立ちっぱなしでトイレに行けばなかなか帰ってこれず、馬券なんて買いにいけない状態であった。帰りの最寄駅では危険防止のため駅への入場を制限しているほどであった。天才武豊をもって引退レースで復活勝利したオグリキャップに涙し、馬券抜きで感動した。ちなみに家内はオグリキャップの単勝馬券1000円分を今現在も持っている。その当時の馬券は馬名やレース名が入らず数字と金額だけであったが、その後、現在のように単勝、複勝馬券には馬名が、グレードレースではレース名が入るようになった。ついでに、地方競馬出身のオグリキャップは出生時、中央競馬でのクラシックレース登録がなされておらず、3歳クラシックにはいくら勝っても出走できなかった。クラシックレースの前哨戦で負かした馬が本番で勝ったりすると、2冠ぐらいは取れていたのではと思ったりもした。その後すぐに追加登録制ができ、200万払えばクラシック登録が後からでもできるようになった。オグリキャップがJRAを動かしたのである。

 ここでひとつ自慢したいことがある。超アイドルホースのオグリキャップは取材制限されるほどであったが、とあるルートから栗東トレセンの瀬戸口厩舎におじゃまし、オグリキャップを見ることができた。第1印象は他の馬とさほど違いはなく、汚い馬服を着ており、これが何億も稼いでいる馬なのかと驚いた。オグリキャップの側で写真を撮っていると、オグリキャップにかまれた。当時冬で厚いコートを着ていたおかげで、かまれた上腕は青アザで済んだが非常に痛かった。馬は草食動物であるが、あの大きさであり、噛む力はハンパではないそうで、厩舎関係者には指を失った方が少なくないというのもうなずけた。家にはオグリキャップとの2ショット写真が今も残っている。

 来年2月で定年の瀬戸口先生には2冠おめでとうございますと言いたいし、秋の菊花賞で3冠を期待したい。その昔、ミスターシービー、シンボリルドルフと2年つづけて3冠馬が出たように昨年のデイープインパクトと今年のメイショウサムソンもまんざら夢ではないと個人的には思っている。秋の京都競馬場が楽しみである。

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