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「ラジオ体操」 京都民医連中央病院 神崎由佳

 小学生の頃、夏休みの一日はラジオ体操で始まった。私が育ったのは四国の片田舎であるが、当時は六時過ぎに学校の運動場や広場に集まり、六時半開始の生放送に合わせてラジオ体操をした。その後、上級生がカードに出席のハンコを押す。それでもまだ七時くらいなので、石蹴りや鉄棒で遊びながら、泳ぎに行く時間などを約束して帰宅し朝食、というのが夏休みの毎朝であった。

 あれから○○年、今も小学生の夏休みにはラジオ体操がある。しかし、夏休みの最初と最後の約一週間ずつしか行われない(注:これはあくまでもウチの子供の通っている学区のことで、他はわかりません)。開始は七時、ラジオではなくカセットテープ(今や絶滅の危機と思われるが、こういうところに残っているんですね)に合わせて行う。そこには元気なお兄さんの朝の挨拶も「ラジオ体操の歌」もないが、地域委員の方のお世話のおかげで行われているのでやむを得ない(私の子供の頃はどうやって運営していたのだろう?)。

 驚いたのは、低学年の子供たちがラジオ体操を知らない、何となく知ってはいても覚えていない、ということである。では上級生はどうかというと甚だアヤシイ。とても「体操」とは言い難い状況である。手足をかすかに動かし、跳ぶところも体を上下に揺する程度である。もっとシャキッとせい、と言いたくなる。ウチの子供に聞くと、学校ではラジオ体操は全くやらないそうである。せめて夏休み前のプールの準備体操くらいラジオ体操にしてくれれば、もう少しマシなのではないかと思う。

 それでも子供たちは起きてきて、参加している。とてももうランドセルは似合わないと思われる上級生も眠そうな顔をしながらも顔を出す。夏休みを規則正しく過ごすために、やはりラジオ体操は一役買っているのだ。

 前期の期間は本日で終了してしまった。我が子の場合、明日から後期の開始日まで、朝寝三昧のグータラ生活の毎日が始まるのは間違いない(ちょっと羨ましい)。

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