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「えっ! 院内歓染??」 京都大学医学部附属病院検査部 樋口 武史

「院内感染」と聞いて、皆さんはどのようなことを連想しますか?
たぶん(maybe)、いや十中八九(probably)の方は、ネガティブなイメージを抱かれることと思います。まぁ、普通はそうですよね。
誰が「院内感染」と聞いて、良いイメージを連想するんだ!ばかばかしい!非常識じゃないか! そういったお叱りの声が聞こえてくるような気がします。
確かに、○○菌による院内感染発生!患者××人、なんてことになればそれこそ重大な問題です。そんな状況から良いイメージを連想する方はおそらくいないでしょう。
でも皆さん、頭をやわらかくして寛大な気持ちで聞いてください。

じつは院内感染の原因は、何もバイキンだけではないことをご存知ですか?
その答えは、「人間」です。
ちなみに私は、微生物検査や院内感染対策に従事している関係で、何でもそれに結びつけてしまう悪い癖があります(やだやだ、半ば職業病?)。
例えば、偶然?(必然!)同じ職場で勤務している男女がいたとします。その二人がどのようなきっかけ(感染経路)で、交際(定着)がはじまり、次第に盛り上がっていった結果(感染)、やがて、めでたくゴールイン(発症)したという、いわゆる職場恋愛・結婚といった場合があります。
このようなケースを、業界用語で「院内歓染??」と呼んでいます。
誰ですか?「そんな院内歓染やったら、今すぐにでも歓染したい!された〜い!」って言ってる方は。一方では、「視野が狭いなぁー。同業者なんて、やだやだ」って冷ややかな声も聞かれるかもしれませんね。職場恋愛に関しては賛否両論あるでしょうが、それは個人の価値観の違いですから、あしからず。
世間ではやや認知不足の感のある臨床検査という仕事に対して、一番身近で理解してもらえる相手となる訳ですから心強いですよね。いやぁ、同業者同士の恋愛、大いに結構じゃあ、ありませんか!!!ちょっと力が入りすぎました?
というのも何を隠そう、私自身が「院内歓染」を起こしてしまったのです。(失礼!)
院内感染対策をしている者が、自ら院内歓染の発生源になろうとは、いやはや面目ないような、恥ずかしいような今日この頃です。
それにしても、「人生、何が起こるか分からない」とは、よく言ったものです。何事にもくさらず前向きに生きていれば、今までの辛く悲しいことなんか一瞬にして何処かに吹き飛んでしまったような感じがします。それどころか、心に余裕が生まれ、人に対して素直にやさしい気持ちになれます。これ、ほんと!

これって、すごく大切なことだと思いませんか?

私たちの仕事って、目先の技術力だけを臨床に提供している訳ではないですよね。相手(医師や患者さん)がしっかり見えてこそ、はじめて相手の考えや要求を理解することができます。それが土台となってはじめて、臨床検査として本来求められている情報を相手に提供できるのではないでしょうか?
では、いったいどうすればいいのか? ここでちょっと目先を変えてみましょう!
いま私たちは、超一流ホテルのスタッフになったつもりで色々なことを考えてみてください。超一流ホテルのスタッフも検査技師も広義に捉えると同じサービス業のプロ同士です。相手をもてなすプロとして、私たちは彼らから学ぶべきことがたくさんあると思います。
つまり私たち検査技師は、患者さんや医師といった、いわゆるゲスト側のいかなる要求に対しても素直にやさしく対応(心からもてなす精神で相手の要求を十分理解する)できるように自分自身をイメージチェンジするのです。私たちが心からもてなせば、きっと相手が必要とする情報を提供できるはずです。
それには自分自身が幸せで、心が満たされていなければなりません。なんといっても病は気からです。心が病んでいると、幸せも逃げてしまいます。また仕事にも悪影響が出ます。

いらいらしても、くよくよしても、ぷりぷりしても、にこにこしても、一日、24時間です。

皆さんすべて共通の時間が流れています。それならば、にこにこして、幸せな方が良いに決まっていますよね。

どうですか、皆さん!
皆さんもちょっと変わった「院内歓染」、その主役になって仕事もプライベートも共に充実した日々を満喫したいとは思いませんか? あっ、もちろん「院外処方」も大いに結構!
自ら院内歓染を起こし、その結果、充実した日々を送っている者から皆さんにエールを送ります。

「くさらず、何事もあきらめず、常に前進しよう! では皆さん、Good luck! 」

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