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「京 都 探 訪」 京都和光純薬株式会社 中村 和彦

京都という土地は、千数百年前に桓武天皇が日本の都として「平安京」を制定し歴史ある都市として古くから栄えた「街」であることはご承知のことと思います。

位置・気候・水に恵まれ自然災害も少なく、先の大戦での空襲もなく穏やかな土地柄であります。が、その昔「都」ということで天皇はおられましたが、領主不在の地でもあり、時の権力者が覇権を競い争乱を起こし、戦は度々勃発し、疫病や大火もしばしば起こりました。また昨年のNHK大河ドラマ「新撰組」が活躍した時代、明治維新後に「都」が江戸(東京)に遷都された時は、人口が2/3に激減し都市としての存亡も危うい時代もありました。

その中で京都に暮らす人々は、その度に復興を重ね自衛・自活のため文化・芸術などの技術を磨き、温故知新の精神で常に最高のものづくりに励み努力し発展した地であります。

京都は、「伝統産業」と「ハイテク産業」とが共存する都市であります。暮らしに必要な「衣食住」を基に、西陣織・丹後ちりめん・友禅染・清水焼・宇治茶・清酒・京漬物・京菓子・京懐石・北山杉・仏具・工芸品・・・等の伝統産業が数多くあり、自然環境や歴史・文化・伝統を継承し守り育みながら、人と人・人と産業・人と自然の全てが程よい調和を保ち古くから発展してきました。それら伝統産業の更なる技術発展により、セラミック・半導体部品・電子部品・精密部品・蓄電池・計測機器・医療機器・金属製品・医薬品・化学製品・ファッション・バイオテクノロジー・・・等を主力製品とした「京都銘柄」というベンチャー企業が数多く創出され、日本のみならず世界のトップシェアを誇っている企業もあります。これには「学生の街」という産学交流のバックボーンがあるのかも知れません。

その一方で、京都の人には「一見さんお断り!」といった閉鎖的なところもあり、見知らぬ人と安易に接さず常連さんとのお付き合いを代々末永く続けていく気風があります。これは地方の外様領地であったところにおいても然りだと思います。京都は外様領地ではありませんでしたが、その昔地方から度々攻め入れられ戦乱を巻き起こされた結果、他の地方より如実にそれが表れたのかもしれません。それを知るものとして太閤豊臣秀吉が、京の都をお土居で囲み「洛中洛外」を区別し都への出入りを厳しくし、「京の七口」を設けました。実際には室町時代から十口説等あり定かではありませんが、粟田口(東海道)・丹波口(山陰道)・大原口(北陸道)・東寺口(山陽道)・竹田口(南海道)・長坂口(山国街道)・鞍馬口(鞍馬街道)が一般的であり、その地が現代の今なお残っております。

また京都は「国際観光都市」でもあり春夏秋冬、観光客が絶えません。昨年も一昨年前の「武蔵」に続き大河ドラマで「新撰組」が放映され、数多くの人々が入洛し、週末・休日にもなると京都市内各地の観光地は大賑わいであります。私の住む修学院の周辺も大勢の人々が観光に来られております。京都には、歴史・文化・芸術・神社・仏閣・情報・住居・風景・食事等・・・なかには世界遺産に登録されたものや様々な観光資源があり、それらの観光資源には「京風」といったものが数多くあり国内外から年間四千万もの人々が京都に訪れております。

それらの観光資源のなかで暮らしている私の趣向は、休日に愛車のオープンカー?で市内散策をしながら名所・旧跡や町屋を巡り、好物の「ラーメン」を食べることです。その昔は「中華そば」とか「支那そば」というように呼ばれておりましたが、時代の経過とともにラーメンという言葉が定着しました。最近の食文化のブームによって全国各地の有名なラーメン屋さんが雑誌・TV等で紹介されておりますが、なかでも旭川・札幌・喜多方・東京・和歌山・尾道・博多・熊本といった全国各地の横綱級のラーメン店は度々見受けられます。京都にはそれらの地方のような京都固有・独特な代表的な京都ラーメンというものは無く、全国各地のラーメンの特長を俗にいう京風にアレンジした店が数多くあります。京風と言えば薄味といった感じがしますが、実はそうではなく結構パンチの効いた店が主流です。ベースとなるタレは主に醤油味ですが塩味・味噌味なかには白味噌や酒粕を使った店もありバラエティーに富んでいます。麺は細直麺が主流で、中麺・太麺・ちぢれ麺や卵麺と豊富であり、自家製の麺から仕込んでいる店もありそれぞれ店の工夫が感じられます。スープも鶏ガラ・鶏ガラ醤油・豚骨・豚骨醤油・豆板醤や数多くの香辛料を使ったスパイシーなものや、口から火をふくような激辛もあり、魚介類から煮出ししたアッサリスープの店もあり、なかには豚の背脂や京野菜をふんだんに使った店もあります。量はやはり「学生の街」ならではで結構ボリュームがあり十二分に満足できます。テーブルには、白胡椒・黒胡椒・一味は当然ありますが、ラーメンタレやキムチや揚げニンニク、なかには胸焼け防止にお酢が置いてある店もあり、気配りが垣間見えます。最近では、老舗の有名なラーメン屋さんの周辺に新装開店する店が数多くあって巷では「ラーメン維新」とか「ラーメン王政復古」などと言われています。その中でも激戦地域は、やはり京都大学がある左京区の「今出川白川界隈」「一乗寺界隈」といった地域であり、私の自宅も幸いなことにその地域にあります。京都にお立ち寄りの際には、是非ともたんのうしていただきたく存じます。 情報は末尾のメールアドレスまで!

新年を迎え、高度に発達した物質文明のなか経済・社会構造が大きく変化する時代にあって、新たな価値観の芽生えのなかで、心の豊かさと自然との共生といった京都市が提唱している「ひと・まち・ロマン 元気都市・京都」を日々の暮らしのキーワードにしつつ、過去を学び、先人の知恵・功績に想いを寄せ、足元を見つめ直さなければならない時代と思います。そこから各人がこの時代の要請を的確に判断し様々な英知と創造力をもってより良い未来へ精神文明を引き継いでいける、健康な暮らし心豊かな未来に向け社会を築いていかなければならないと考えております。

「おこしやすう〜」nakamura.kazuhiko@kyotowako.co.jp

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