私の住む舞鶴は､周りを山で囲まれた自然豊かな所です。そのためか、よく家族で山菜を採りに行きます。今の時期ですと、むかご､しばぐり、しい、あけびといったところでしょうか？でも今回はもっと身近な野草、タンポポの紹介をしたいと思います。
皆様の中には、なんだタンポポかと思われる方がいるかもしれません。それほどありふれた野草ですが、なぜか日本ではあまり利用されていません。欧米や中国ではもっと広く一般的に使われ、栽培品も出回っています。ウサギもこの葉っぱが大好物ですね。以前、捨てウサギを拾った時、恐がって何も食べようとしなかったのですが、この葉っぱだけはおそるおそる口にした事がとても印象に残っています。
タンポポは葉を生食するだけでなく油いため、おひたし、天ぷらなどに、花も天ぷら、根はきんぴらやタンポポコーヒーにと余すところなく使え、和洋中全てに合う食材です。また、胃腸病、便秘、ぜんそく、利尿、母乳の出を良くするなどの効果がある薬草でもあります。
味はほろ苦く、山菜天ぷらやサラダのアクセントにぴったり。一年中いつでも使えますが、おすすめは春先の花が咲く前。葉が柔らかく虫もまだついていないのでサラダに最適です。
滋養豊かな根は薬用茶になります。ヨーロッパではノンカフェインコーヒーとして利用しているそうです。今年の夏、信州へ旅行した時に泊まった宿で、着いてすぐにタンポポコーヒーを頂きました。香ばしくてけっこうおいしかったです。ただコーヒーのつもりで飲むとちょっと物足りないかもしれません。

タンポポコーヒーの作り方
（1）タンポポの根をよく洗い、刻んでよく乾燥させます。
（2）フライパンで20分程炒ります。
（3）よくさましてから、ミキサーなどで粉砕してフライパンに戻しさらに香ばしく炒ります。
（4）コーヒーメーカーなどを使い、コーヒーを入れる要領でドリップします。
手軽に楽しみたい方は、市販品も出回っていますので利用してみて下さい。

花を楽しむのもタンポポの利用法の一つです。摘んできた花を部屋や料理の彩りに使うのもいいでしょう。また、散歩がてらに咲いている花を探すのも楽しいものです。落ち込んでいる時など、片隅でけなげに咲いている花を見つけると少しほっとしますし、若草色の野原一面に白や黄色のタンポポが咲き乱れている様を見ていると心が浮き立ちます。
私達は普段、物を見ているつもりでも実際は見えていないという事があります。小さな自然も注意して見るように心がける事によって、いろんなものが見えてきます。タンポポに限らず、もっと身近な自然に親しんでみて下さい。きっと、小さな幸せをみつけられますよ。