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「ダブルバインド」 舞鶴共済病院 村上育子

ダブルバインド(二重拘束)ってご存知ですか?

 猛暑の中、汗だくになって街を歩いていると、知らない人と「暑いですね」と気軽に声をかけあえませんか?炎天下では、同じ暑さを味わっている者同士という連帯感が生まれているのでしょう。

 普通なら知らない人より身近な人との方が、安心してコミュニケーションをとることができる、その安心感から、時として相手の気持ちを無視した不適切なメッセージを送ってしまうことがないでしょうか。心理的に近い人との会話は、案外難しいと感じたことはないでしょうか。

 あるコラムでこんな「ダブルバインド(二重拘束)」について読みました。ちょっと目を通してみてください。例えば、こんな会話です。

例1) 子 :ママ、だっこして〜。
母 :暑苦しいわね。あっちに行っててよ。(しばらくして)
母 :おいで。ほら、だっこしてあげるわよ。(子供はさっき拒絶されたのでそばに行かない)
母 :もうっ、かわいくない子ね。もう絶対だっこしてあげない。
例2) 教師 :これから自由時間にする。テスト前だから勉強するもよし、
遊んでもよし、自分でどう行動したらいいか考えなさい。(生徒の1人がマンガを読み始める)
教師 : 何をしている。お前の成績など、どうなっても知らないぞ。
例3) 先輩(上司) :わからないことはそのままにしないで、何でも聞いてね。(しばらくして)
後輩 : あの〜、これはどうすればいいんでしょうか。
先輩 : 質問すべきことと調べるべきことの違いもわからないの?

 これらはすべてダブルバインドだそうです。ダブルバインドとは、まさに「歩け」と言われてスカートのすそをふんずけられているようなもの。相手がどうしたらいいの分からない状況を作りだしてしまうメッセージです。身近に「ドキ!」とすることありませんか?
これは、複数の相手が言っている内容が違っている場合も同様のことだそうです。

 では、どのように言えば良いのでしょうか?例えば「だっこは少し待っててね」「テストの勉強をしなさい」「調べてもわからないことは聞いてね」と言うのが正解!だそうです。

 もし、このようなダブルバインドを長期にわたって受け続ければ、受け手は拘束状態から抜け出せなくなってしまうばかりではなく、悪いときには統合失調症(精神分裂病)を引きこす可能性があるとさえ指摘されています。
ちょっとヒヤリとしませんか?臨床検査技師として働く時にも思い当たることはないでしょうか?
もしや身近の同僚、もしくは患者さんに・・・。

 まず、自分自信が心がけることは、相手にきちんと自分の希望を伝え、たとえ年齢や立場に上下があろうとも、決して相手を自分の思い通りにあやつろうとしないことではないでしょうか。
一人の臨床検査技師であるまえに考えること? いや、あらゆる人間関係の全てに基本的な事なのかもしれません。

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