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「アシナガバチ」 京都府立医科大学臨床検査部  南部 昭

 桜が散り、「春だねえ」なんて言いながら、ぼーっとしている隙に木々の緑は一雨過ぎるごとに鮮やかになる。「あんまり気持ちがいいから今日は遊びに行こう」って、遊びほうけている間に庭の木や雑草は地中へ空へとその命を大きく増殖させる。いやだいやだと、限界まで我慢するが、もうほっておけない。ジャージに着替え、帽子をかぶり、タオルを首に巻き付け、軍手をはめて、ゴム長はいて道具を用意する。はしご、のこぎり、はさみ各種、くまでにほうき、そしてゴミ袋。そんな時期がもう目と鼻の先に迫っている。

毎年我が家にはアシナガバチが巣を作る。例年、1、2個だったのに昨年は5個も作った。石垣、垣根、軒下などなど。いずれも「木ぃ切り」と呼んでいる我が家の一大イベントの場所とバッティングする。
昨年、いきなり先制攻撃をくらった。まさかのところに巣を作っていた。無防御の私は当然のごとく刺された。すぐにへこたれて志半ばにして「木ぃ切り」中断。しかしリベンジに燃えて後日、皮の手袋で再チャレンジ。でも、10匹ほどの軍隊蜂に追いかけられ、あえなく白旗をあげた。

今年は巣を作らせまいと作戦を思案中、このリレーコラム執筆の依頼を受けた。アシナガバチの撃退記にしようと考え、駆除法を調べるためにアシナガバチについてネットで検索してみた。
日本には3属11種のアシナガバチが生息しているということ。我が家に巣を作るのはどうやら「キアシナガバチ」か「セグロアシナガバチ」のようだ。4月中旬から母蜂が1匹で巣を作り始め11月中旬には新しい母蜂を残しすべて死に絶えるらしい。そしてアシナガバチは樹木や庭木につく害虫を駆除する益虫だという説明がなされており、きわめつけにはつばめの巣のように軒先に巣を作って欲しいとホームページに書き込んでいる人までいる。

さて、直接被害を被るから排除するか、間接的に恩恵を預かるから目をつぶるか、それとも…..
我が家のまわりにはすでにアシナガバチがブンブンとんでおり、2つの巣が同時進行で建設中である。今年もまた、完全防備で「木ぃ切り」に立ち向かおう。そして逃げるが勝ち。

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