TOPTOPTOPTOPTOPTOPTOPTOPTOPTOP
 
掲示板 コラム 最新 コラム バックナンバー
コラム

岩倉石座神社の秋祭り 京都大学医学部付属病院検査部 江見安一

 私が住んでいる京都市左京区岩倉に遷座約一千年の石座神社があります。この神社で毎年10月に行われる大祭日の明けがたに行われる火祭りがあります。最近までこの火祭は鞍馬の火祭りが終わった時刻の3時間後に行われていため余り知られていませんでした。

数年前より10月23日に近い土曜日に定められ鞍馬の火祭りと同一日でなくなったため見物者も年々増えてきています。昨年末に開催された京都市主催の「21世紀京都幕開け記念事業・京都21」の「火の祭典」に石座神社の松明(たいまつ)が参加し全国にテレビ放送されました。御存知の方もおられると思います。火祭りに感心のある方は一度鑑賞に来られたら良いと思います。今年の松明の点火は10月26日(土)の早朝3時です。

火祭りについて説明します。石座神社の火祭りで燃やす松明の規模は全長10.4メートル・頭部胴回り約4.6メートルのおおきな松明であります。この松明2基を境内の左右に設置し午前3時に点火します。松明の柴が乾燥しているため点火時には20メートルの火柱が上がり一見の価値があります。この火祭りの由来は明確ではありませんが、伝説によると昔この地に雄と雌の大蛇が棲んでいて罪なき人や家畜を害し住民を悩ませておりました。

そこで住民は大蛇の退治を神に祈りましたが効果がなく押して退去を迫りましたが大蛇は聴かなかったそうです。そこで大地主の石座明神に祈願したところ、ある夜村人の夢に聖尼現われて「彼の大蛇が退去せざれば神火を以って退治せよ」とのお告げがあったそうです。

夢醒めてのち住民が相集い松明を作り神前に灯火したところ、大蛇を見事退治することができたということであります。この由縁に感謝し今日まで松明の点火が伝承されています。松明の点火は元禄期(1688〜1703)の祭礼の様子記事より、300年程前から実施されていたと考えられています。

 石座神社の祭礼は松明が燃え尽きた5時過ぎお旅所に向け御輿が巡行します。昼神事はお旅所に安置された御輿を本殿へ還幸する行列がとりおこなわれます。行列は(1)神社の社旗、(2)金棒引き、(3)御幣、(4)各町一和尚、(5)各町剣鉾(5基)、(6)お稚児、(7)踊り子、(8)子供御輿、(9)大人御輿、(10)神官の順序で進行します。巡行は約1キロの道のりを概ね2時間で本殿に到着します。御輿を拝殿に安置後紅白の幕を張り、その前で女性8名の踊り子による「岩倉史謡踊」が奉納されます。

石座神社への交通は京福電鉄岩倉駅で降りて実相院に向かって北へ1キロメートル歩くか、京都バスの実相院行に乗り実相院で降車し徒歩で1分の所です。松明を見る場合は夜中ですのでバス、電車はありません。

バックナンバーTOPへ戻る
ページの先頭に戻る