薬剤師が薬物治療に立ち向かうための基礎力充実を目的とした勉強会です
前期、後期の自習課題を以下に掲載いたします。
【第1回】
1.興味のある、関心のある医薬品に関し、薬物動態パラメータ値をリストアップしてください。インタビュホーム中の情報は必ず拾ってください。まずは、静脈内投与製剤のある医薬品を対象にしてください。
2.分布容積値、全身クリアランス値、尿中排泄率値から、薬物の分布状態、全身循環から消失する状況を推定しなさい。
【第2回】
静脈内投与製剤を有する医薬品の薬物動態パラメータを収集し、分布容積について、その変動の決定因子を挙げてください。
【第3回】
静脈内投与製剤を有する医薬品の薬物動態パラメータを収集し、全身クリアランスについて、その変動の決定因子を挙げてください。
血中薬物遊離形分率が上昇して時、同一量の薬物を負荷投与直後の血中遊離形濃度の変化を推定しなさい。
血中薬物遊離形分率が上昇して時、同一量の薬物を静脈内持続注入を行っている時の定常状態血中遊離形濃度の変化を推定しなさい。
【第1回】
身近の論文を対象に、データの表現の仕方について、読むヒトに得られたデータを正しく伝える表現となっているのか、考えてみてください。
【第2回】
身近にある文献について、データの表現方法、2群の比較の統計手法とその結果の考察に関し、批判的評価を行いなさい。
【第3回】
身近にある文献について、2群の比較、多群間の比較について、用いられている統計手法とその結果の考察に関し、批判的評価を行いなさい。
【課題論文】
第2回:課題論文
第3回〜第4回:課題論文
第5回:課題論文、キーワードリスト
【第1回〜第5回】
日常業務の中で疑問に思った薬物治療上の問題に対し,PubMedで論文を検索し,得られた論文を批判的に読んで,疑問の解決に役立てなさい.
【第1回】
身近なデータ(臨床研究論文や新聞記事、TV報道など)で、疑似相関の関係にありそうな因子を推定しなさい。
【第2回】
連続変数アウトカムを指標とした身近な文献について、重回帰分析を取り扱っているものはその方法論と結果を批判的に評価・考察しなさい。また、単変量解析のみのものは、重回帰分析によって結果が変わる可能性がありそうか考察しなさい。
【第3回】
二値変数アウトカムを指標とした身近な文献について、ロジスティック回帰分析を取り扱っているものはその方法論と結果を批判的に評価・考察しなさい。また、単変量解析のみのものは、ロジスティック回帰分析によって結果が変わる可能性がありそうか考察しなさい。
【第1回〜第5回】
自分の受け持ち患者(受け持ちがない場合には興味のある症例)について以下の順に薬物治療評価を行いなさい。疾患は問わない。
1.自分がインタビューして得た情報も含めた患者データのまとめ
2.患者データ全体のレビューに基づいた問題リストの作成
3.薬剤師の視点からの薬物治療評価(基本的な評価内容は講義資料を参照)
4.薬剤師の視点から評価した内容に基づく、具体的な治療計画・モニタリング計画等の提案
5.自分の評価・立案内容を、その具体的な根拠とともに医療記録として記述(必ずしもSOAP形式である必要はない)
Q.1つの前向き試験と幾つかの後ろ向き試験で結論が異なっている場合,どちらの結果の方が信頼性が高いのでしょうか?
A.一般的にエビデンスのヒエラルキーは前向き試験の方が高いです.しかし,方法論に弱点の存在する前向き試験であった場合には真実の結果を示していない可能性も考えられますので,試験のデザインによる判断のみではなく,各試験の方法論をよく吟味した上で総合的に判断することが必要になります.
Q.試験の結果の大きさ(大きな差か?小さな差か?)はどのように判断するべきでしょうか?
A.結果の種類(死亡か?症状の発現か?など)や結果を適応する対象者,結果を引用する医療者によっても判断が異なり,一定の基準を設けることは適切ではありません.柔軟に解釈するためにはその分野の臨床知識も必要となります.