修了試験

過去の修了試験サンプル

A-1.PK/PD入門コース

【2012年度】
問1.以下に健常成人における薬物動態パラメータ値を示す。

FAe (%)fuBCLtot (mL/min)Vd (L)B/P
700.4800301.5

a)この薬物の,CLtot,Vd,kelについて,決定因子によって表現しなさい。
b)CLcr(クレアチニンクリアランス)ガ低下している。CLcrが正常時と比較し,薬物血中濃度の時間推移はどのように変化する可能性があるか。可能性を全てあげ、それぞれについて、総濃度,遊離形濃度について,変化前を実線で,変化後を点線で書くことによって比較しなさい。
 b-1)同一投与量を単回静脈内急速投与:片対数プロット
 b-2)同一投与量で単回経口投与:片対数プロット
 b-3)同一投与量で等間隔繰り返し経口投与:普通目盛りプロット

問2.以下に健常成人における薬物動態パラメータ値を示す。

FAe (%)fuBCLtot (mL/min)Vd (L)B/P
0.600.150050

a)この薬物のB/P比はいくら以上と推定できますか。
b)B/P比の値とCLtot,Vd,kelの決定因子の関係を明らかにしなさい。
c)c) 肝機能障害の患者に対し、単回静脈内投与時のCp0の低下、AUCivの低下、半減期の短縮が認められた。b)の結果をもとに、B/P比の値の範囲のどこに位置するかを推定しなさい。尚、EHがおおよそ0.3から0.7の間の値である場合CLHは変化しない、Vdがおおよそ20Lから50Lの間である場合Vdは変化しないと考えなさい。

【2011年度】
問1.以下に健常成人における薬物動態パラメータ値を示す。

FAe (%)fuBCLtot (mL/min)Vd (L)B/P
0.8100.0150040

a)この薬物の,CLtot,Vd,kelについて,決定因子によって表現しなさい。
b)fuBのみが上昇した。fuBが正常時と比較し,薬物血中濃度の時間推移はどのように変化する可能性があるか。総濃度,遊離形濃度について,変化前を実線で,変化後を点線で書くことによって比較しなさい。
 b-1)同一投与量を単回静脈内急速投与:片対数プロット
 b-2)同一投与速度で静脈内持続点滴投与:普通目盛りのプロット
但し、解答は一つとは限らない場合もある。その場合は、可能性を挙げ、それぞれについて解答しなさい。

問2.以下に健常成人における薬物動態パラメータ値を示す。

FAe (%)fuBCLtot (mL/min)Vd (L)B/P
0.200.410001500.8

a)この薬物の,CLtot,CLpoについて,決定因子によって表現しなさい。
b)同じ薬物を同一量,高齢者に単回経口投与した場合のデータが報告されていた。AUCは健常成人に投与した場合と比較し上昇し、消失速度定数は同じであった。但し,吸収率Faは変化していないとする。
この薬物の高齢者における同一の用量で単回急速静脈内投与した場合の、
 b-1)血中総薬物総濃度の対数値の時間に対する図を描きなさい。
 b-2)血中遊離形薬物濃度の対数値の時間に対する図を描きなさい。
但し、解答は一つとは限らない場合もある。その場合は、可能性を挙げ、それぞれについて解答しなさい。

【2011年度】問3.添付したIF(ダプトマイシン)の薬物動態に関する記載事項から、答えなさい。

a)CLtot、Vd について,それぞれ、決定因子によって表現し、遊離形濃度を決定する因子を挙げなさい。
b)腎クリアランス、腎外クリアランスの値を推定しなさい。

【2009年度】
問1.以下に健常成人における薬物動態パラメータ値を示す。

FAe (%)fuBCLtot (mL/min)Vd (L)B/P
0.900.01501001.5

a)この薬物の,CLtot,Vd,kelについて,決定因子によって表現しなさい。
b)fuBのみが上昇した。fuBが正常時と比較し,薬物血中濃度の時間推移はどのように変化する可能性があるか。総濃度,遊離形濃度について,変化前を実線で,変化後を点線で書くことによって比較しなさい。
 b-1)同一投与量を単回静脈内急速投与:片対数プロット
 b-2)同一投与速度で静脈内持続点滴投与:普通目盛りのプロット

問2.以下に,ある薬物を健常成人および肝不全患者に,同一量,単回経口投与した時の血中総薬物濃度から算出した薬物動態パラメータ値を示す。この薬物の,肝不全患者においては,遊離形薬物濃度のAUC値はどのように変化していると推定できるか。理由をあげて説明しなさい。

FAe (%)fuBAUC (µg・hr/mL)
健常成人00.01800
肝不全患者00.05800

問3.以下に健常成人における薬物動態パラメータ値を示す。

FAe (%)fuBCLtot (mL/min)Vd (L)B/P
00.018001501.0

a)この薬物の,CLtot,Vd,kelについて,決定因子によって表現しなさい。
b)同じ薬物を同一量,高齢者に経口投与した場合のデータが報告されていた。AUCは低下,半減期は延長を示していた。但し,吸収率Faは変化していないとする。高齢者では,健常成人と比較し,薬物動態の何が変化していると推定できるか。

A-2.PK/PD応用コース

【2016年度】
問1.CLtot = 50 mL/min、Vd = 45 L、Ae(尿中排泄率) = 75%、fuB = 0.9の抗生剤Aがある。抗生剤Aはピーク濃度依存性の効果を示す。体内動態は1-コンパートメントモデルに従うとする。

a)腎機能が正常な患者においては、以下に示す用法用量によって静脈内急速等間隔繰り返し投与が行われる。
   D = 200 mg、τ = 8 hr
 1) 半減期はいくらか。
 2) 蓄積係数はいくらになるか。
 3) 定常状態における、ピーク濃度、トラフ濃度はいくらになるか。
 4) 定常状態にほぼ到達するには、どの程度の時間を要するか。
b)CLcr = 30 mL/minの患者にAを静脈内急速等間隔繰り返し投与したい。薬物動態上では、腎機能が正常な患者の状態をほぼ維持したい。投与設計を行いなさい。その場合のピーク濃度、トラフ濃度を推定しなさい。但し、腎機能が正常な状態を、CLcr = 120 mL/minと想定する。また、Vd、腎外クリアランス、fuBは変化しないと仮定する。

問2.2-コンパートメントモデルで表される医薬品がある。200mgを急速静脈内投与後の血中薬物濃度の時間推移は以下の式で表現される。
   Cp = A・e- 0.7・t + B・e- 0.05・t
   Cp:μg/mL
   A:10 μg/mL
   B:3 μg/mL
   t:hr
 200mgを8時間毎に急速投与を繰り返した。定常状態時の投与直後の血中薬物濃度はいくらになるか。

【2015年度以前】
問.CLtot = 100 mL/min、Vd = 60 Lの薬物Aがある。1-コンパートメントモデルに従うとする。

a)静脈内定速持続投与によって、定常状態血中薬物濃度Cpssを10μg/mLを維持したい。
 a-1)半減期はいくらか。
 a-2)投与速度をいくらにすればよいか。
 a-3)定常状態に到達するには、投与開始後、どの程度の時間が必要か。
b)Aを100 mg含有する錠剤がある。tmaxは0.5 hrである。F = 0.8である。等間隔繰り返し投与によって、定常状態平均血中薬物濃度を、おおよそ、10 μg/mLに維持したい。投与設計を行いなさい。その場合のピーク濃度、トラフ濃度を推定しなさい。

問.単回経口投与時の情報は以下の通りである。1日3回8時間ごとの繰り返し投与により得られる定常状態時の血中薬物濃度の状態を推定しなさい。
 Cmax = 10 nM、tmax = 2 hr、t1/2 = 11.5 hr、AUC = 180 nM・hr

問.CLtot = 50 mL/min、Vd = 30 Lの薬物Aがある。1-コンパートメントモデルに従うとする。 投与量 = 200 mgを2時間かけて静脈内定速持続投与を行う。8時間毎に投与を繰り返す。

1) 第1回目投与終了直後の血中薬物濃度(μg/mL)はいくらか。
2) 定常状態に到達するには、投与開始後、どの程度の時間が必要か。
3) 定常状態における、ピーク濃度(μg/mL)、トラフ濃度(μg/mL)はいくらになるか。
4) 効果と血中濃度の関係はEmaxモデルで表現される。E0 = 0%、Emax= 100%、EC50 = 2μg/mLである。定常状態におけるピーク時、トラフ時における効果値を推定しなさい。
5) 投与量 = 200 mgを2時間かけて静脈内定速持続投与を行う。投与を、8:00、 13:00、20:00に行うように変更した。定常状態での22:00における血中薬物濃度(μg/mL)を推定しなさい。

問.CLtot = 50 mL/min、Vd = 30 L、Ae(%) = 50%の薬物Bがある。1-コンパートメントモデルに従うとする。F = 0.8、tmax = 0.25 hrである。錠剤の含量は100mgである。腎機能正常患者では、τ = 8 hr、D = 400 mgで投与される。
CLcr = 30 mL/minの患者の投与設計を行いなさい。但し、腎機能が正常な状態を、CLcr = 120 mL/minと想定し、CLRはCLcrに比例するとする。Vd、Fは変化しない。有効性は濃度依存性を示す。

B-1.臨床統計入門コース

問.論文のデータの表示、統計解析について、評価しなさい。
対象論文:
 カルバペネム系抗菌薬使用状況の評価とイミペネム耐性緑膿菌検出率の動向
  日病薬誌、45、1221-1224(2009)
 2型糖尿病患者を対象としたボグリボース錠0.2 mg「SW」の有効性および安全性を検討する郡内比較試験
  薬理と治療、36、499-510(2006)

B-2.臨床統計中級コース

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C-1.薬物治療文献コース

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C-2.薬物治療評価コース

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