Science of Functioning, Disability and Health

生活機能マネジメントとしての就労支援
〜ICFを活用して自立・就労支援を科学する〜

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  春名 由一郎 >>English
連絡先ResearchmapJEEDでの業績
プレゼン資料
ICFについて
研究テーマ

障害がある人の職業
-ICFからみた職業的障害
-難病
-カスタマイズ就業
-HIV
-地域ネットワーク
-加齢と障害
-e-VR(更新中止)
保健健康管理
-慢性疾患のある人の職業生活と疾患管理の両立
-病気や障害があっても働けるための医療・福祉行政
 
 

ここ数年、難病のある人の就労支援に取り組んできて、実感しているのは、就労支援とは「職業生活と疾患管理の両立」の支援だということです。そのためには、ICFの「生活機能」の考え方が不可欠です。これはもちろん難病だけでなく、精神障害、発達障害、さらに、がんサバイバーといった慢性疾患のある人たちの職業問題にも共通する課題です。

  • 「総合リハビリテーション(医学書院)37(3), 220-226, 2009」にICFと職業についてまとめました。リンク
  • 障害者職業総合センターから「地域就労支援における情報の取得と活用のガイドブック, 2009」を出しました。(職業生活の生活機能の分析にICFを活用しています。)リンク

2006年にアメリカ7つの州を巡って「カスタマイズ就業」プロジェクトを見学してきました。病気や障害があっても仕事に就けるようにする研究を続けてきたつもりでしたが、「誰もがこの世の中に貢献できる」というの突き抜け方には目からうろこが落ちました。

WHO(世界保健機関)が2001年に発行したICF(国際生活機能分類)の主に職業(雇用・就業・就労)分野での活用について、これまでも障害という「マイナス」をなくすだけでは足りないと思っていたので、今年は「プラス」である「貢献」に焦点を合わせたいと思います。


ICFからみた職業場面での障害の捉え方(ICIDHからどう変わるか?)

型にはまった就業問題の捉え方では、病気や障害があると十分な生産性のある仕事は無理で、雇用する企業には負担となり、重度の障害者は一般的な仕事には就けないと捉えられがちです。そうすると、対策は作業所などの福祉的就労の場の確保や、事業主への賃金補填といったことが中心になります。

しかし、現実には、十分な環境整備があると重度の障害があっても仕事上の影響を解消することができ、また、職種や働き方の多様性を考えると問題なく仕事をする可能性は十分にあります。そのようなことを前提とすると、課題は、その人の強みや個性を活かし社会に貢献できる仕事の発見と、また、その人の希望を実現する環境整備を行う専門性と社会的体制の構築が課題となります。


UWDB(疾患・障害のある人の就業支援のための総合データベース)

ICFの概念枠組みと分類をフル活用して、職業生活上の問題や環境のチェックや支援方法の検索などができます。


様々な難病のある人に対する職場環境整備の効果の実証的研究

適切な職場環境整備があれば、難病があっても仕事に就いて生産的になれることを実証したいと考えています。

難病のある人の就労問題は、病気の観点(ICD-10)と障害の観点(ICF)の両方ともが重要であることを示す最も分かりやすい例です。また、環境因子によって障害の状態が決定的に変化することも調査から分かりつつあります。


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