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アジソン病患者への環境整備 の検討

アジソン病

アジソン病は、およそ10万人に1人の割合で発生する、内分泌系あるいはホルモン系の異常による希少疾患です。 年齢に関係なく起こる病気で、男女間にも差はありません。 この病気の特徴は、体重減少、筋力低下、疲労、低血圧などで、皮膚が黒変 (日光に当たる部分と当たらない部分に関わらず) することもあります。 アジソン病は、副腎皮質の損傷によって起こる、重度の、あるいは全身性の副腎皮質ホルモン欠乏症です。 副腎は通常2つ、それぞれ腎臓の上にあります。 つまり、2つで1つの分泌器官だということです。 副腎の内側は、髄質と呼ばれ、エピネフリン (アドレナリンとも言い、緊張状態のときに分泌され、心拍数を上げ、血流を筋肉に集め、血糖値を上げて、身体が 「戦うか逃げるか (fight or flight) 」という状態に対応するのを助ける) を分泌しています。 しかしながら、副腎髄質やエピネフリンがなくとも、病気にはなりません。 それに引き換え、副腎の外側は、皮質と呼ばれ、髄質よりも重要な部分です。 副腎皮質は2つの重要なステロイド系ホルモン、コルチゾールとアルドステロンを分泌しています。 コルチゾルは、炎症反応を抑える、肝臓を刺激して血糖値を上げる、体内の水分量の調整を助けるといった機能があります。 アルドステロンは体内の塩分と水分の量 (血液量と血圧に関係) を調整します。 コルチゾールの分泌は、下垂体 (脳のすぐ下にある器官) で作られる副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) という別のホルモンによって調整されています。 通常のアジソン病は、2つの副腎の全体的な損傷による、コルチゾールとアルドステロンの分泌不足が原因で起こります。 また、この状態は一次副腎不全と呼ばれます。 ACTHが欠乏している場合、コルチゾールの分泌も欠乏することになりますが、アルドステロンは欠乏しないはずです。 これは2次的な副腎不全であり、アジソン病とは区別されますが、どちらの症状にもコルチゾールの欠乏があるため、よく似た病気と言えます。 http://www.medhelp.org/nadf/nadf3.htm から。

アジソン病患者への環境整備の検討:

疲労への対応: 柔軟な勤務スケジュールや休暇取得、自宅勤務の許可、身体的緊張や仕事上のストレスの 軽減、定期的な休憩、人間工学的な職場設計な どに効果が見込めます。

体重管理: 塩分不足のため、塩辛いものが欲しくなります。 スナック菓子や冷蔵庫を用意すると効果が見込めます。

寒い環境での勤務: 特殊な衣服、個人用ヒーター、空調の管理などによって、寒さの影響を緩和すること ができます。 極端に寒い、あるいは暑い期間は、自宅勤務の許可、空調機器の調整、エアコンやヒーターの風が直接当たらないようにすることなどに効果が見込めます。

低血圧により起立や歩行が困難な場合: 職場を歩き回 る必要がある場合は車い すや電動ス クーターによる環境整備が可能です。 寄りかかりいすや調整可能な座席に よって座ったまま作業できる環境を作ることも効果的です。

弱視: アジソン病患者は、視覚障害を起こすことがあ ります。 視覚障害のための環境整備情報についてはSOARの「視覚障害に対する環境整備」 か「視覚障害者のための職場環境整備案」を参照 してください。

抑うつへの対処:事前に問題解決の計画を立てておく、同僚の意識向上のため講習を行う、勤務中に医師などに電話して相談することを認める、カウンセリン グや労働者支援プログラムについての情報を提供するといったことが効果的です。

関連機関・組織

環境整備は個別対応を基本に検討します。 あなたが追加情報を必要か、または情報について議論したい場合は
ここでの情報についてはJAN (1-800-526-7234 (V/TTY) までお問い合わせください。

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