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睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)とは
SASとは、
一晩7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこる。
あるいは、睡眠中1時間において無呼吸や低呼吸が5回以上おこる状態
日中の眠気や疲労等の症状を伴う状態
を指します。

SASの病態
気道(鼻や喉)が何らかの理由でふさがって、呼吸ができずに窒息状態になります。症状としては、激しく大きないびきで、それが10秒以上、時として60秒以上止まり、再び激しいいびきが出現する(息を吹き返す)、その繰り返しです。

以下のような症状が知られています。
・呼吸停止を伴ういびき
・日中の過度な眠気
・熟睡感が得られない
・寝付きが悪い
・睡眠中、度々目が覚める
・窒息感による覚醒
・多い寝返り
・夜間頻尿
治療しないと・・・
SASを治療しないとどうなるのでしょうか…
以下のような病気の発症や悪化の危険性を高め、生活上の危険性、不都合が増加します。

・いねむりによる自動車事故や過度な眠気による仕事上のトラブル
・高血圧症
・心筋梗塞
・脳卒中
・生活の質(QOL)の低下
社会全体に広がるSASの影響【交通事故】
では、なぜ、SASの方は事故を起こしやすいのでしょうか…?
理由は簡単です。
SASになると、睡眠中、度々無呼吸や低呼吸によって覚醒(=目が覚めること)を起こすことで、十分に深い睡眠を得ることができず、日中に強い眠気を生じてしまうからです。
重度のSAS患者の中に以下のような事例・コメントがありました。

例1:走行中に気がつくと目的地についているということがある。高速道路で運転中、気がついたら出口で側壁に衝突していた。それ以外にも壁に接触することがよくある。
例2:運転中に居眠りをすることが頻繁にあり、最近10年間に5回追突事故を起こしている。
例3:(1)滞中気がついたら前があいていた。その後運転していて前がつまり、ブレーキを踏むが追突。よく覚えていない。(2)下りブレーキを踏んでいて足から力が抜けて前の車に追突、覚えていない。
例4:バイクを運転中、居眠りをしていて気がついたら車の後部に衝突していた。
例5:居眠り運転は1年間に12回位あり、運転中に居眠りして気がついたら赤信号で停まっている前の車の後部に追突した。

実際にSASが原因と思われる居眠りで発生した交通事故の例を挙げてみましょう。

例1:02年8月 和歌山県古座町で起きた乗用車の衝突事故→05年2月 大阪地裁が無罪。SASの自覚がなく、責任問えない
例2:03年2月 JR山陽新幹線で運転士が居眠り→04年3月 岡山地検が不起訴処分(起訴猶予)。本人に自覚がなかったと判断
例3:03年6月 茨城県玉造町で起きた乗用車の衝突事故→05年3月 水戸地裁支部が禁固2年6ヵ月執行猶予4年
例4:03年10月 名鉄新岐阜駅で電車が車止めに衝突→05年3月 岐阜県警が書類送検(06年2月 業務上過失致傷罪、SASと診断されたが「責任能力」ありと判定)
例5:04年3月 羽田発山口宇部行きの全日空機で、機長が居眠り→04年7月 SASと緊張感の欠如が複合したとして訓戒処分
例6:05年11月 名神高速道路で多重衝突事故7人死亡→弁護人が鑑定を求めた結果、SASと診断された
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