2003年 世界禁煙デー 緊急共同アピール
医学部、研究所、研究者は、タバコ産業からの研究助成金を受け取らないで下さい!
近年、アメリカをはじめとする諸外国では、訴訟の立証過程において、あるいは内部告発により、「タバコ産業から資金提供を受けた研究者が、研究結果を歪曲し、あるいはタバコの害の真実を隠蔽している」 との事実が数多く明らかになってきました。 この流れを受け、世界の医学界では、「タバコの害を研究する研究者は、タバコ産業から資金提供を受けてはならない」とのルールが定着しつつあります。 なかでも、世界中の良心的な医師を代表する世界医師連盟は、1998年の『タバコ関連勧告』のなかで、「医学部、研究所、研究者は、たばこ産業からの助成金を受けてはならない」と明言しています。 一方、わが国においては、タバコの害を意図的に過小評価する「研究」をマスコミが好んで取り上げる状況が続いています。 さらに、タバコ病訴訟をはじめとする各種の裁判においては、タバコ産業から直接、間接に資金をもらっている研究者が証言台に立って医学界の常識とはかけ離れた「学説」を展開し、裁判の進行を著しく妨げる例が散見されています。 日本たばこ産業は、これら研究者に間接的に資金を提供するために「喫煙科学研究財団」なる団体を設立し、毎年多額の資金を多くの「研究者」に提供しています。 また、日本国内にとどまらず、受動喫煙研究の金字塔ともいうべき平山博士の研究を貶めるために、多国籍タバコ企業の捏造「研究」に荷担する日本人研究者もいるようです。(British
Medical Journal”Vol.325, 14 December 2002 ) 一般人の常識に照らせば、「お金をくれる人の不利になるようなことはしない」というのは当然のことであり、タバコ産業から資金をもらって行われる研究の客観性には疑問をもたざるをえません。 これを裏付けるように、「タバコ産業から研究資金をもらった研究者は、受動喫煙の害を否定する論文を書く傾向が著しい」との論文がアメリカの権威ある医学雑誌に掲載されています。(The
Journal of the American Medical Association”Vol.279 No.19, May 20, 1998 ) 私たちは、以上の事実を踏まえ、世界禁煙デーの今日、このアピールを発表します。
『医学部、研究所、研究者は、タバコ産業からの研究助成金を受け取らないで下さい』
2003年5月31日
【緊急アピール賛同団体】鹿児島禁煙支援研究会、きょうと分煙生活舎、全国禁煙・分煙推進協議会、タバコの害を考える会・鹿児島、たばこ病訴訟弁護団、たばこ病訴訟を支える会、タバコ問題首都圏協議会、たばこれす、日本禁煙医師連盟鹿児島支部、日本禁煙推進医師歯科医師連盟兵庫支部、非喫煙者を守る会、北海道分煙社会をめざす会、兵庫県喫煙問題研究会(50音順)