http://jama.ama-assn.org/issues/v279n19/abs/jrv71060.html Deborah E. Barnes, MPH; Lisa A. Bero, PhD Why Review Articles on the Health Effects of Passive Smoking Reach Different Conclusions (タバコ産業から研究資金をもらった研究者は、そうでない研究者に比べて、 88.4倍も多く受動喫煙の危険性を否定する論文を書いていた。) 目的 著者が研究資金をもらうことが受動喫煙の健康影響に関する論文の結論に 影響を与えるかどうかを調査した。 調査対象 MEDLINE・EMBASEデーターベースに登録されている1980年から1995年の 間に報告された受動喫煙の健康影響に関する研究論文 。 検索条件 論文の趣旨として、受動喫煙と1つ以上の健康影響の関係を検証している論文を検索した。 受動喫煙と健康影響の関係を検証していない論文や英語以外の言語で書かれた論文は除外した。 データー抽出 著者の研究資金の出所毎に論文の結論を分類した。 著者がタバコ産業から研究資金をもらっているか、あるいは、タバコ産業のスポンサー活動に 参加しているかなどに基づいて、著者とタバコ産業の関係を分類した。 (Author affiliation was classified as either tobacco industry affiliated or not, based on whether the authors were known to have received funding from or participated in activities sponsored by the tobacco industry. ) データー解析 106の研究論文を調査した。37% (39/106)の論文は受動喫煙は危険ではないと結論していた。 受動喫煙は危険ではないと結論した著者の74% (29/39)はタバコ産業から研究資金を受け取っていた。 multiple logistic regression analysesを用いて、peer review、主題、報告年月、等を調整して 論文を解析したところ、論文の結論に影響を与える最大の因子はタバコ産業から研究資金をもらうことであった。 タバコ産業から研究資金をもらった研究者は、そうでない研究者に比べて、 88.4倍も多く受動喫煙の危険を否定する論文を書いていました。 (the only factor associated with concluding that passive smoking is not harmful was whether an author was affiliated with the tobacco industry (odds ratio, 88.4; 95% confidence interval, 16.4-476.5; P<.001).) 結論 論文の結論と著者がタバコ産業から研究資金をもらっていることの間には強い関連が認められた。 (The conclusions of review articles are strongly associated with the affiliations of their authors.) よって、著者は論文を書く際には研究資金の出所を明記すべきである。 読者もまた著者の研究資金の出所を考慮して論文の正当性を判断すべきである。 JAMA. 1998;279:1566-1570 Vol. 279 No. 19,May 20, 1998