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<学術集会> 


第8回 
「光が織りなす科学と創造」
2025年5月23日(金)~24日(土)
会 場:京都大学百周年時計台記念館国際交流ホール(京都府京都市)


日本蛍光ガイド手術研究会第8回学術集会
当番世話人 杉江 知治
関西医科大香里病院 化学療法センター長


<当番世話人挨拶>

 この度、日本蛍光ガイド手術研究会第8回学術集会を開催させていただくことになりました。前身であるICG蛍光navigation surgery研究会の第1回学術集会(当番世話人 草野満夫先生)が2008年に開催されてから17年目を迎え、私自身、2014年以来2度目の当番世話人となります。このような機会を与えていただきました会員の皆様に厚く御礼申し上げます。
 インドシアニングリーン(ICG)を用いた蛍光イメージングは、当初、心冠動脈の血流をリアルタイムに評価する血流造影法として報告されました。そして2005年に、鍛 利幸博士らが、乳癌センチネルリンパ節に本技術を応用し、世界に先駆けて蛍光ガイド手術の扉を開きました。その後、本技術は、消化管や移植片の血流評価をはじめ、ICGが持つ蛍光特性と胆汁への排泄性を利用した胆道造影や肝区域の評価にも応用されています。さらに、腫瘍に集積する蛍光プローブを利用した、腫瘍mappingや光線力学療法の開発もすすめられています。とりわけ、画像技術の進歩は著しく、当初のopen surgery時の蛍光像の観察から、腹腔鏡下手術やロボット手術での高精細映像、さらにプロジェクションマッピング法を応用した革新的な術野投影法も開発され、現在ではさまざまな領域で蛍光イメージングが応用されています。
 蛍光ガイド手術が生まれて20年目を迎える今回の学術集会のテーマは「光が織りなす科学と創造」とし、そのシンボルとして「国宝 曜変天目茶碗(藤田美術館所蔵)」を選ばせていただきました。これは、国宝に指定された「曜変天目」三碗のひとつで、水戸徳川家の家祖である徳川頼房が家康より譲り受け、同家に代々伝えられた大名物です。高精細画像でお分かりのように、この茶碗には、光を受けて黒い茶碗の表面に神秘的な青色や緑色の斑紋を放つ、まさに、宇宙を思わせる、神秘的な世界が広がっています。
 蛍光ガイド手術は、医薬分子機能や光工学技術を応用し、革新的な医療技術を創造する可能性を秘めています。今回の学術集会では、医薬,医工連携によって生まれる最先端技術の現状と問題点について議論する場を設けました。また、特別講演にはNIHの小林久隆先生をお迎えし、自身が開発された光免疫療法の基礎と現状について講演をいただきます。従来のとおり、蛍光ガイド手術の経験や臨床試験の結果を報告いただく時間も確保しております。本学術集会に参加された先生方が、最先端技術の情報を得、次世代の新医療技術開発につながるヒントを得られることを期待してやみません。
 若葉が初夏の日差しに輝く京都で皆様のご参加をここよりお待ちしております。