第１回学術集会　蛍光ガイド手術研究会

＜学術集会＞　報告

第1回　「テイラーメイド手術を実現する蛍光イメージングの可能性」　　

2018年4月7日（土）7時50分～18時　　
JPタワー　ホール＆カンファレンスカンファレンスルームA（外科学会第16会場）


代表世話人戸井　雅和 (京都大学乳腺外科）	第１回当番世話人石沢　武彰 (東京大学肝臓胆膵外科)	常任世話人國土典宏（国立国際医療研究センター）	名誉会員草野　満夫 (大田熱海病院）

　この度は、「日本蛍光ガイド手術研究会　第一回学術集会（2018/4/7, 東京）」の開催にご尽力を賜り誠にありがとうございました。本会登録分だけで158名、日本外科学会共催企画への入場者を含めると200名以上の先生方・企業担当者の皆様にご参加頂き、盛会のうちにプログラムを終了したことを報告差し上げます。
　朝8時から夕方6時半まで、ほとんど休憩時間のないプログラムでしたが、どのセッションにも多くの皆様にご来場頂き、専門領域を超えた情報交換を行うことができました。これも、企画段階から頂戴した皆様のご支援と、当日の明解なプレゼンテーションの結果であると感謝申し上げます。
　今後は、「蛍光ガイド手術」への関心の高まりを冷ますことなく、第2回の研究会（当番世話人：京都大学戸井雅和教授）に襷をつなげたいと存じます。引き続きご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。

石沢武彰　拝
第１回学術集会　当番世話人（東京大学医学部　肝胆膵外科）

開催概要　　　プログラム　　全抄録（PDF）

日　時：2018年4月7日（土）　7時50分～18時
会　場：東京・丸の内：　JPタワー　ホール＆カンファレンスカンファレンスルームA（外科学会第16会場）
　　　　　＊第118回日本外科学会定期　学術集会と併催
参加費：3,000円（現金）。研究会会員は参加無料です。→詳細
参加証： 所属・氏名をご記入の上，研究会期間中は必ずご着用ください。

開会の挨拶（7:50）

　戸井雅和（京都大学乳腺外科）
　石沢武彰（がん研有明病院消化器外科）

I: 骨盤内手術・脳外科（8:00-8:50）

（司会）成田善孝（国立がん研究センター中央病院脳脊髄腫瘍科）
　　　　伊藤雅昭（国立がん研究センター東病院大腸外科）

1. 野中康一（埼玉医科大学国際医療センター消化器内科）
　　「消化器内視鏡における共焦点内視鏡診断の現況と今後の課題」

2. 長谷川寛（国立がん研究センター東病院大腸外科）
　　「直腸手術における術中蛍光イメージング」

3. 青木洋一（がん研有明病院婦人科）
　　「子宮頸癌に対するICG蛍光色素を用いた腹腔鏡下センチネルリンパ節マッピング」

4. 清水一秀（東京女子医大先端生命医科学研究所）
　　「悪性神経膠腫に対するTalaporfin sodium（レザフィリン）を用いた光線力学的診断」

5. 近藤恵理香（国立がん研究センター中央病院脳脊髄腫瘍科）
　　「5-ALAを用いた転移性脳腫瘍摘出術について」

6. 村井保夫（日本医科大学脳神経外科）
　　「ICG videoangiographyにおける組織輝度定量評価への蛍光散乱效果の影響」

II: 肝胆膵・移植（8:50-10:00）

（司会）海堀昌樹（関西医科大学肝胆膵外科）
　　　　　田邉稔（東京医科歯科大学肝胆膵外科）

1. 古泉友丈（昭和大学病院消化器・一般科）
　　「ICG蛍光法を用いた術中胆道造影による胆道走行異常・困難症例の評価」

2. 小倉俊郎（東京医科歯科大学肝胆膵外科）
　　「肝臓領域における各種蛍光イメージングシステムの特徴」

3. 裵正寛（兵庫医科大学病院肝胆膵外科）
　　「近赤外光カメラシステムLIGHTVISIONを用いた肝切除」

4. 西野裕人（京都大学肝胆膵・移植外科）
　　「ICG蛍光法を用いた生体肝移植における右葉グラフト灌流域の可視化
　　～テーラーメイド肝静脈再建による鬱血のない移植肝を目指して～」

5. 横塚慧（東京医科大学八王子医療センター消化器外科・移植外科）
　　「cT2胆嚢癌に対する胆嚢動脈からのICG蛍光Navigationを用いた胆嚢静脈還流域」

6. 多田正晴（兵庫医科大学病院肝胆膵外科）
　　「手術既往のある腹腔鏡下肝切除でのICG蛍光法の使用経験」

（症例報告）
7. 中村和徳（上尾中央総合病院消化器外科肝胆膵疾患先進治療センター）
　　「肝門部胆管癌に対しGlissonian approachにより左３区域切除を施行した一症例
　　（ICGによる肝区域同定と動門脈再建の血流評価）」

8. 千代田武大（東京大学肝胆膵外科、人工臓器・移植外科）
　　「“Hilar approachによるparacaval portionを含むcentral hepatectomy”とICG蛍光法」

9. 稲垣冬樹（国立国際医療研究センター外科）
　　「ICG蛍光法が有用であった肝細胞癌リンパ節転移の一切除例」

III: 呼吸器外科・形成外科（10:00-10:50）

（司会）関根康雄（東京女子医科大学八千代医療センター呼吸器外科）
　　　　赤澤聡（国立がん研究センター中央病院　形成外科）

1. 穴山貴嗣（高知大学医学部外科学 [外科二]）
　　「呼吸器外科領域におけるICG近赤外線蛍光の臨床応用」

2. 関根康雄（東京女子医科大学八千代医療センター呼吸器外科）
　　「仮想区域切除による切離マージンの測定に基づく切除範囲の決定とICG区域切除の併用」

3. 陳豊史（京都大学医学部呼吸器外科）
　　「呼吸器外科領域における術中蛍光イメージングの臨床経験」

4. 布施佑馬（国立国際医療研究センター形成外科）
　　「ICGリンパ管造影を用いたリンパ超微小外科」

5. 岡部圭介（慶應義塾大学医学部形成外科）
　　「ICG蛍光イメージングによる術中皮弁血流の評価」

6. 武石明精（静岡県立静岡がんセンター再建・形成外科）
　　「Free TRAM flapの術中ICG造影におけるphase分類と造影範囲分類」

IV: 新規蛍光プローブと撮像装置（10:50-11:40）

（司会）七島篤志（宮崎大学医学部外科学講座肝胆膵外科学分野）
　　　　林秀樹（千葉大学フロンティア医工学センター）

1. 北川陽介（東京大学脳神経外科）
　　「脳腫瘍を標識する噴霧式新規蛍光プローブの開発」

2. 林秀樹（千葉大学フロンティア医工学センター）
　　「疎水性近赤外蛍光色素ICG-C18を用いた多様な手術ナビゲーションの可能性」

3. 菱川秀彦（関西医科大学外科肝胆膵外科）
　　「高分子ミセル化ICGを用いた胆嚢癌診断・治療の検討」

4. 今村直哉（宮崎大学医学部外科学講座肝胆膵外科学分野）
　　「新たな水溶性ポルフィリン化合物を光感受性物質に用いた光線力学療法の有効性の検討」

5. 穴山貴嗣（高知大学医学部外科学 [外科二]）
　　「近赤外蛍光樹脂の“ひかり”ガイド手術への応用可能性」

6. 御任大輔（静岡県立静岡がんセンター再建・形成外科）
　　「小型で可搬式の蛍光撮影装置の自作についての検討」

V: 特別講演（11:45-12:00）

（司会）波多野悦朗（兵庫医科大学病院肝胆膵外科）
1. 穴原玲子（医薬品医療機器総合機構[PMDA] 医療機器審査第二部）
　　「医療機器を開発するということ」

VI: ランチョンセミナー（12:20-13:10）　　（共催）三鷹光器株式会社

（司会）石沢武彰（がん研有明病院消化器外科）
1. 村垣善浩（東京女子科大学先端生命医科学研究所）
2. 瀬尾智（京都大学肝胆膵・移植外科）

VII: JSS & International Society of Fluorescence Guided Surgery (ISFGS)共催
　　　「最新の分子イメージングと外科医療への展開」（13:30-16:30）

（司会）長谷川潔（東京大学肝胆膵、人工臓器・移植外科）
　　　　藤原俊義（岡山大学消化器外科）
　　　　 Raul Rosenthal （Cleveland Clinic Florida）

1. Takeaki Ishizawa, 石沢武彰（がん研有明病院消化器外科）　～Keynote lecture（基調講演）～
　　Development of in vivo fluorescence imaging enabling “Tailor-made surgery”
　　「テイラーメイド手術を実現する蛍光イメージング技術の開発」

2. Masakazu Toi, 戸井雅和（京都大学乳腺外科）
　　Sentinel node navigation using fluorescence imaging during breast cancer surgery
　　「乳癌手術における蛍光イメージングによるセンチネルリンパ節ナビゲーション」

3. Masashi Yoshida, 吉田昌（国際医療福祉大学外科）
　　The difference caused by color, bright-field observation of the ICG fluorescence
　　「ICG蛍光の明視野・カラー観察がもたらしたこと」

4. Fernando Dip（Cleveland Clinic Florida / University of Buenos Aires）
　　Dissemination of fluorescence cholangiography during laparoscopic cholecystectomy

5. Takeshi Aoki, 青木武士（昭和大学消化器・一般外科学教室）
　　Liver resection with ICG fluorescent imaging -clinical practice and difficulty-
　　「ICG蛍光法を用いた肝切除の実際と課題」

6. Shinya Terada, 寺田真也（滋賀医科大学心臓血管外科）
　　Utility of intraoperative fluorescence imaging in coronary bypass surgery
　　「冠動脈バイパス術における術中蛍光イメージングの有用性」

7. Mingyon Mun, 文敏景（がん研有明病院呼吸器センター外科）
　　Novel technique of indocyanine green fluorescence navigated thoracoscopic lung segmentectomy
　　「胸腔鏡下肺区域切除術における術中ICG蛍光イメージングの応用」

8. Hideo Fukuhara, 福原秀雄（高知大学泌尿器科学講座）
　　5-aminolevulinic acid-based photodynamic diagnosis in urological cancers
　　「泌尿器癌における5-アミノレブリン酸を用いた光力学診断」

9. Toshihiko Kuroiwa, 黒岩敏彦（大阪医科大学脳神経外科）
　　Intraoperative photodynamic diagnosis in the field of neurosurgery
　　「脳神経外科領域における術中光線力学診断」

10. Michael Bouvet（University of California San Diego）
　　Fluorescence guided surgery using cancer-specific fluorophores

11. Yasuteru Urano, 浦野泰照（東京大学薬品代謝化学教室）
　　Intraoperative rapid imaging of tiny tumors by topical spraying of novel chemical fluorogenic probes
　　「実臨床応用を目指した新規術中蛍光イメージングプローブの開発」

12. Michele Diana（IHU-Strasbourg, Institute of Image-Guided Surgery）
　　Computer-assisted enhanced reality assessment of the fluorescence signal to estimate bowel perfusion

13. Norihiro Kokudo, 國土典宏（国立国際医療開発センター）
　　~ Closing remarks（特別発言）~

VIII: 上部消化管（16:40-18:00）

（司会）木南伸一（金沢医科大学一般・消化器外科）
　　　　並川努（高知大学医学部附属病院消化器外科）

1. 小柳和夫（東海大学医学部消化器外科）
　　「食道癌切除後の胸骨後再建における胃管壁内ICG蛍光血流速度の臨床的意義」

2. 佐伯浩司（九州大学大学院消化器・総合外科）
　　「食道再建術におけるICG蛍光法による胃管血流定量法と血流評価に基づく三角吻合・大網被覆法の有用性」

3. 川田三四郎（浜松医科大学外科学第二講座）
　　「食道癌切除後胃管再建における術中蛍光イメージングによる胃管血流動態評価」

4. 小林敏倫（東京医科大学八王子医療センター消化器外科・移植外科）
　　「腸間虚血症例におけるICG蛍光法による腸管血流評価の有用性」

5. 木南伸一（金沢医科大学一般・消化器外科）
　　「ICG蛍光胃癌センチネルリンパ節生検が拓くテーラーメード機能温存根治手術」

6. 大平寛典（国際医療福祉大学病院消化器・一般外科）
　　「PINPOINTを用いた胃癌sentinel node mappingの試み」

7. 有上貴明（鹿児島大学大学院腫瘍学講座）
　　「早期胃癌に対する術中蛍光イメージングを併用したSentinel Node Navigation」

8. 並川努（高知大学外科学講座外科１）
　　「胃癌に対する5-アミノレブリン酸を用いた光力学的診断の臨床応用」