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日本蛍光ガイド手術研究会 (JSFGS)
設立にあたって

皆様
本ホームページを閲覧頂きありがとうございます。
皆様も人体のイラストをご覧になったことがあると思います。そのような絵の中では、動脈は赤、静脈は青、神経は黄色などに、きれいに色付けされていたのではないでしょうか。このように人体の構造が見やすければ、外科医も一切迷うことなく手術を行うことができるでしょう。しかし実際には、血管や臓器を色だけで区別することは難しいことが多く、しかもこれらの構造は脂肪に包まれているため、外科医は手術前の画像や「経験」を元に少しずつ脂肪を剥がしていかなくてはいけません。また、がん組織も見た目では周囲と区別しにくいことが多いため、切除する範囲を決めることが難しいこともあります。
手術中に人体のイラストのように生体の構造を描き出すことができれば、より確実に手術を行えるのではないか-このアイディアを実現する手段として、近年、「生体内蛍光イメージング」の技術が発展し、一部は臨床の現場にも用いられるようになってきました。「生体内蛍光イメージング」とは、蛍光物質を用いて血管やがん組織などのターゲットを手術中にリアルタイムに「光らせる」技術です。外科医は、この光を道標(みちしるべ)にして手術を進めていきます(これを蛍光ガイド手術と呼びます)。
蛍光ガイド手術の中には日本で開発されたものも多いのですが、現在では世界中に広まりつつあり、手術の対象も脳から胸腹部、手足まで全身に対象が広がっています。一方で、より「はっきりと」ターゲットを映し出すために、新しい薬剤や撮影装置も活発に開発されています。このような状況において、研究者と外科医の区別や、診療科の枠を越えて情報交換を行い、技術の普及と発展を促すことを目的として、この度「蛍光ガイド手術研究会」を発足させる運びとなりました。この技術の開発に積極的に関わっている企業にも賛助会員として参加頂いています。
本研究会としては、学術集会だけでなく公開セミナーや本ホームページなどを通じて、医療関係以外の皆様にも蛍光ガイド手術に関する情報を提供していきたいと考えております。ご不明な点がございましたら、本研究会宛に、あるいは施設会員リストに掲載されている診療科をご参考にお問い合わせください。ご支援のほど、 どうぞよろしくお願い申し上げます。

代表世話人  戸井 雅和(京都大学 乳腺外科)
副代表世話人 吉田 昌(国際医療福祉大学病院 外科)  
石沢 武彰(大阪公立大学 肝胆膵外科/第1回学術集会当番世話人; 文責)