三叉神経痛・顔面痙攣

顔面痙攣とは(三叉神経痛も同様の原因で、治療法も同じです)

顔面痙攣は 目の下(下眼瞼)※眼輪筋のピクピクとした細かい痙攣から始まり、やがて口周囲※口輪筋の痙攣をきたします。
そのまま放置するとヒトと話したりしている時などに、顔の半分・片側の急な痙攣が始まって目も開けれず、喋ることも出来なくなってしまいます。
症状が酷い方だと、人前に出ることができなくなりついには人格まで変わってしまうことがあります。
ついこの30年で病気の原因と治療法が解ってきました。
発見したのはアメリカ・ピッツバーグのピーター・ジャネッタ教授です。
滞米中にお会いしたことがありますが、見上げる様な大柄な白人の優しい教授です。
原因としては、脳幹から出る顔面神経(顔を動かす神経)の根元を脳動脈が圧迫して顔面神経にダーメジが生じるからです。
そして顕微鏡を使用した小開頭手術で顔面神経を圧迫している動脈を移動して除圧してあげることで症状は改善します。
この手術方法を発見した先生の名を付けてジャネッタ手術とも言います。
現在、根本的に手術で治療せずに痙攣している顔面筋肉を一時的に麻痺させるボトックス注射も行われる様になってきていますが、数ヶ月に一度注射が必要になるので根本的に治療ご希望の患者さんには手術をお勧めしています。

手術は平均4.5時間前後で、入院期間は1週間から10日間です。
合併症は数パーセントですがあります。
髄膜炎・顔面神経麻痺・術後ふらつき・めまい・嚥下障害など起こすことがあります。

顔面痙攣に対するMVD(微小脳血管減圧術)の患者さまからの手紙
/ 73歳 女性

今、私は10年来の悩みから解放され、感謝とよろこびの気持ちで一杯です。
10年前、目のまわりに違和感を覚えた時は、たんなる疲れ目かなと思ったのですが、 だんだん口元の方にまでけいれんがおきるようになり、片側顔面痙攣という思ってもみない事になり、 その後ボトックス注射をしながらいろいろな経緯をへて今日に至ってしま いました。
顔の筋肉の衰えと共に注射の前後は人前に出る時はマスクをしなければ出られないほどヒキツレとケイレンに悩まされておりましたが、 あるいきさつをへて、脳神経外科:松野先生の 診察を受ける事が出来、いろいろ細部にわたって顔面痙攣の病気についてのご説明をいただき、 私なりに自分の年令や発症してからの年数など、いろいろ迷った結果、すべて先生におまかせしようという気持ちを固めまして、先日手術を受けました。
結果、 手術の翌日から顔面のヒキツレは無になり、わずかに残っていた目の周りのケイレンも2週間位後には無くなりました。
私にもまだ何の顔の事を気にしなくて人前に出ることが出来る、良い人生が残っていたなんて、ただただ感謝の気持ちで一杯です。
私の入院中、先生はもちろんいろいろサポートして下さいました病院のスタッフの皆様にあらためて深くお礼申し上げます。