慈恵医大における前立腺がん診療

II . 治療

内分泌療法

内分泌療法は女性ホルモン系の薬剤を用いて行いますが、とくに進行した患者さまや比較的高齢の患者さまにとって身体的負担の少ない有用な治療法です。ただし、3〜5年以内に、ある割合でホルモン剤に対して抵抗性となることが知られており、このときはその後の治療法がますます限られてきます。また単独の治療だけではなく、手術や放射線療法などの前後に一時的に併用する場合もあります。副作用としてはインポテンス、女性化乳房、ときに肝機能障害などが起きることがあります。治療は外来通院で行います。

この治療法は継続治療が標準的ですが、治療による性欲低下、勃起不全といった患者さまのQOLに対するマイナス面の作用や、骨粗鬆症などの副作用も知られています。こうしたことから、最近、患者さんの病状や希望などにもよりますが、投薬期間と休薬期間を設定した方法、いわゆる間欠的内分泌療法も行っています。

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