前立腺がんに対する組織内照射療法(ブラキセラピー)には、前述の線源を永久留置する低線量率小線源治療(LDR)と、一時留置するだけの高線量率小線源療法(HDR)があります。高線量率小線源療法(HDR)は前立腺内に一時的に小線源(イリジウム192)を挿入し治療終了後には抜去する方法ですが、決まって放射線外照射療法(EBRT)と併用して行います。主に再発リスクの高い局所前立腺がん(高リスク前立腺がん)に対しておこなう放射線治療です。
この高線量率小線源療法/外照射併用療法(HDR+EBRT)は、前立腺内から前立腺に直接放射線をあてる方法(HDR)と、体の外より放射線を前立腺ならびに周囲にあてる方法(EBRT)を併用する治療法です。通常の外照射単独療法に比べて前立腺内に多くの線量を照射し、周囲臓器(直腸、膀胱など)にあたってしまう余分な放射線を減少させ、周囲臓器合併症を減らすことができる治療法です。
実際には、この放射線併用療法の前の約6ヶ月間に内分泌(ホルモン)療法、または化学(抗がん剤)療法を先行して行います。さらに放射線併用療法後の2年間は内分泌療法を継続します。