第4部 成人の二次救命処置
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■4b. 院内での蘇生 ■4c. 二次救命処置(ALS)による治療のアルゴリズム ■4d. 気道管理と換気 ■4e. 循環の補助 ■4f. 切迫心停止期の不整脈 ■4g. 蘇生後のケア □参考文献 *AHA G2005の関連資料6、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5 |
新しいガイドラインのこの章では、院内での心停止防止の重要性について強調する。院内で心停止となった患者のうち、20%未満の者しか生存し家庭復帰することができない1,2。ほとんどの生存者は、原因としては目撃されモニターされたVF心停止や一次性心筋虚血であり、即座の除細動を受けている。
モニターされていない院内区域の患者での心停止は通常、突然の予測できない出来事ではないし、通常は一次性心疾患によって引き起こされるわけでもない。これらの患者はしばしば、ゆっくりと進行する身体の荒廃を経験する。それは、低酸素血症と低血圧を含んでおり、それらはスタッフに気付かれないか、もしくは気付かれても不十分にしか治療されない3,4。このグループの患者の心停止リズムは通常、ショック不可能であり、生存退院できる者はわずかに過ぎない1,5。
心停止や予期せず集中治療室(ICU)入室となった患者の記録は、認識されてない、もしくは未治療の呼吸、循環の問題をしばしば含んでいる3,4,6-8。ACADEMIA研究によると、心停止例では79%に、また死亡例の55%に、そして予期せずICU入室となった患者では54%で、先述のことが示された4。重症患者に対する早期で有効な治療により心停止、死亡、そして予定外のICU入室の一部を防止できるかもしれない。心停止コールが適切になされなかった患者の1/3は、後に死亡している9。
これらはしばしばケアの単純な側面に関わるものであり、次のことが含まれる。すなわち、患者の気道・呼吸および循環の異常を治療することに失敗すること、不適切な酸素療法(incorrect use of oxygen therapy)、患者モニターの失敗、経験豊富な上級スタッフが関与していないこと、コミュニケーションが不十分、チームワーク不足、そして治療制限計画の不十分な使用である3,7。
いくつかの研究が示すには、医療および看護スタッフは、救急治療における知識、技能が欠如している。例えば、研修医師には酸素治療10、輸液と電解質バランス11、鎮痛12、同意に関する問題(issues of consent)13、パルスオキシメトリ14、そして薬物投与量15についての知識が欠如しているかも知れない。(また)医学生は異常な呼吸パターンを認識できないかもしれない16。医学部での訓練は医師の早期の職歴としては不十分な準備しか提供しておらず、彼らに臨床生理学(applied physiology)や急性期治療の本質的な側面を教え損なっている17。(さらに)年長の医療スタッフに対する救急治療の訓練や彼らの知識が医学生の場合より勝っているということもほとんどない18,19。スタッフは急性期治療の問題を扱う際には、しばしば自信を欠如しており、重症患者評価のための体系的アプローチを用いることは稀である20。
急性疾患の臨床徴候は一般的には呼吸、循環、そして神経学的システムの悪化を反映するので、そこまでの過程のいかんを問わず単純である。異常な生理現象は一般病棟であっても(重症管理部門でみられるのと)同様である21が、病気の患者において重要な生理現象が観測され記録されるのは、予測されるほどは頻繁には起こらない3,4,8。驚くべきことだが、呼吸回数の異常は心肺停止の予兆となるかもしれない22。重症疾患の早期発見に役立つよう、多くの病院は現在早期警戒スコア(EWS)やコール基準を用いている23-25。早期警戒スコアリングシステムは、適宜合意された "正常" 範囲からの逸脱に基づいて、通常の生命徴候測定に点数を割り当てる23-25。単独もしくはより多くの生命徴候測定に加重した点数やEWSの総得点が、生命徴候のモニタリングを看護師に提案したり病棟医師や救急医療援助チームを患者の側へ呼び出すのに(今後)より頻繁に利用されるかもしれない。あるいは、"呼び出し基準"を盛り込むシステムは通常の観察に基づいており、それは1つのあるいは複数の変数が非常な異常値に達した時には対応システムを活性化させる23,26。あるシステムが他のシステムより優れていると証明したデータはないが、(いずれかの)EWSシステムを使用することが望ましいかもしれない。EWSシステムは生理機能における変化と、生理機能の崩壊が差し迫っているという警告を探知する。それは"呼び出し基準"アプローチよりもよく探知できるが、その理由として、"呼び出し基準"アプローチでは生理機能が非常値に達してしまってからしか始動されないからである
病気の患者を早期に特定するためにEWSや呼び出し基準を使用することには、臨床的理由付けがある。しかしながら、臨床的予後を予見する場合の感度、特異度そして正診率は納得が行くように有効化されなければならない27,28。いくらかの研究では心拍数、血圧、呼吸回数および意識レベルの異常を差し迫る危機的イベントの指標として特定している22,23,29。(しかし)全ての重要な生命徴候が、一般病棟において常に記録されているわけではなく、また可能でもないため、それらの出現には予見価値があるという提案は疑問視されなければならない。いくつかの研究では、生命徴候のチャート化は乏しく、データ記録におけるすき間が存在していることを示している3,4,8,30。生理機能システムの使用は生命徴候のモニタリング頻度を増加させうるが31、それらは、入院患者の広範囲モニタリングが利用可能になる時にのみ、予後予見に有用になるであろう。医療スタップが患者の生理機能の異常に用心深くなった時でさえ、その患者に注意を向け、高次治療を差し向けることにはしばしば遅れが生じる3,4,7。生理機能異常に基づく警戒スコアの使用は魅力的ではある一方で、より主観的なアプローチ、つまりスタッフの経験と専門的知識に基づいたものもまた、効果的である可能性がある32。
心停止に対する従来の反応の仕方は、心停止が起きたあとに病棟スタッフ(または「心停止チーム」)が患者のもとへ駆けつけるというものである。心停止チームは、それまでに蘇生対応チームが無かった場合には(in circumstances where no team has previously existed)心停止後の生存率を改善することを示している33。しかしながら、心停止チームの役割は疑問視されてきている。ある症例研究では、心停止チームが到着する前に心拍再開した患者のみが生存退院していた34。
このことは、院内心停止後の生存率の低さと重ね合わせると、危機的病状の早期把握と重篤な患者が心停止に陥ることを防ぐための治療の重要性が強調される。「心停止チーム」という名称であると、このチームは心停止後にのみ呼び出されることになるだろう。
いくつかの病院では、「心停止チーム」は「緊急医療チーム(medical emergency team, MET)」という、心停止の患者ばかりではなく、急性の生理学的な病状悪化の患者にも駆けつけるチームに置き換えられている26。緊急医療チームはふつう、集中治療部および総合内科(general medicine)に属する医師やナーシングスタッフからなり、所定の招集基準により呼び出される。緊急医療チームを最初に呼び出すのは、医療チーム(the healthcare team)の誰でもよい。緊急医療チームが早い段階に関与することで、心停止や死亡、予定外のICU入室(unanticipated ICU admissions)を減らす可能性がある35,36。緊急医療チームは医療過誤を発見したり、蘇生治療を制限する患者の意思への適切な対応を可能にしたり(improving treatment limitation decisions)、また術後の病棟死の減少にも有用である可能性がある37,38。緊急医療チームによる介入は、酸素療法や輸液の開始といった単純な治療への関与であることが多い39。緊急医療チームの活動した時間帯(a circadian pattern of MET activation)が報告されてきたが、それによると緊急医療が必要とされ対処する(MET)システム(の活動性)には24時間を通じて特定の法則性がないように思われる40。患者の転帰に関して、緊急医療チーム(MET)の効果を検討することは困難である。(METに関する)これまでの研究結果(the study findings)の多くは、研究デザインが芳しくないことについて批判されても仕方がない(can be criticised because of poor study design)。緊急医療チーム・システムに関する最近の十分デザインされたクラスタ・ランダム化対照試験は、緊急医療チームの導入によって、チームが呼び出されるような事態が増加したことを示した。しかし(訳者註:この研究も)、心停止や予期せぬ死亡、予定外のICU入室の発生が減少するという証明には至らなかった41。
イギリスでは(訳者註:心停止に対する)予防的な病棟ケアのシステム(a system of pre-emptive ward care)が発達してきた42。このシステムは主に、重症治療アウトリーチ(critical care outreach)と呼ばれるナース個人またはチームで対応する仕組みに支えられている42。アウトリーチサービス(outreach service)には多様な形態があり、看護師1人によるものから週7日24時間活動の複数の専門家で編成されたチームまである。アウトリーチのチームまたはサービス(an outreach team or system)は病棟での死亡、術後の有害事象、ICUへの入室と再入室を減少させ、生存率を上昇させる可能性がある43-45。
この他、一般病棟での患者管理改善と病態悪化や心停止予防の試みとしては、入院までのステップを改めること、救急部門(ED)において早期に生理学的モニタリングや臨床処置を行うこと、および新しいグレードの救急医を任用し配置すること(the appointment of new grades of emergency physicians)などがある。これらのモデルの多くは、「蘇生」専門家の技能を活用して初期対応チームをサポートする試みである46。それぞれの急性期入院において必要な治療のレベルが評価され
るまで、内科・外科の評価部門(medical and surgical assessment units)があらゆる急性期入院のための一元化された収容先
(a single location)として機能する。患者はここで最長72時間まで、モニターが装着されて観察下に置かれる。そしてこの間は通常、上級医療スタッフへの連絡や必要な診断および緊急処置を迅速に実施することができる47。収容先の一元化(the single location)によりオンコールの医師、看護師、理学療法師などの呼び出し先を1カ所にする方式となる。これは(救急対応)スタッフや(救急)患者が病院中に分散している従来の方式とは対照的である。
救急外来(ED)を窓口として受診する急病患者の中に、緊急のICU型介入が明かに必要な患者が多く含まれる。救急外来における早期の、目標志向の(goal-directed therapy)治療は(訳者註:これらの患者の)病態を回復させ、
その生存率を改善するようである48。
重症患者は理想的には、管理の最も行き届いた最高の臓器サポートと看護(nursing care)が提供される部門に入院させるべき
である。このことはかなうことが多いが、中には不適切な部門に収容される者もいる49。国際的な機関が重症患者の治療レベルを定義することを提案して、高度治療室(high dependency units (HDU))や集中治療室(ICU)の入退室の基準を作っている50,51。
病院スタッフは、夜間と週末に最も手薄になりがちである。このことは患者のモニタリング、治療および転帰に影響を与える可能性がある。17:00以降の一般病棟入院52や週末の入院53と死亡率の増加には関連性がある。夜間にICUから一般病棟への転出させるのは、日中の(訳者註:一般病室への)転出や(訳者註:日夜を問わず)高度治療室へ転出させるのと比べて、院内死亡のリスクが高い54。看護師数の増加(higher nurse staffing)が肺炎やショック、入院死の発生率のみならず、心停止の発生率の低下をもたらすことを示した研究が1つある
55。
患者が次のとき、「蘇生処置を試みないで(DNAR)」の申し出を考慮する。
病院スタッフが(ある患者において)CPRを行うことが適切であるかどうか考慮できないことがしばしばである。そして(その結果として)すでに延命が無益となった症例にCPRを行うことが常態となっている(resuscitation attempts in futile cases are common)37。心停止や死が十分に起こりうるという明らかな根拠があっても、病棟スタッフがどのような蘇生状況を患者に提供するかについての決定をすることはほとんどない(訳者註)4。ヨーロッパ諸国の多くは、DNAR決定(DNAR decisions)を記録するための一定の決まった方針というものを持っておらず、その決定についての患者の意志を確かめるための実践(practice)も様々である(variable)56。(病棟スタッフが)DNARについて認識を深め、訓練を積み、(患者の)DNAR指示に関する意思決定を改善することは必ず、患者のケアを改善し、無益な心肺蘇生処置の試みを減らす筈である(第8章参照)。
次のような方針によって、回避可能な(avoidable)院内心停止を防ぐことができるだろう。
院内心停止後の的確な(exact)一連の活動は次のような多くの要因によって異なるものとなる。
心停止をモニターされていた患者は、たいてい迅速に診断される。(これに対し)一般病棟の患者では、悪化しつつある期間と目撃のない心停止があったかも知れない3,4,6-8。理想的には、心停止のリスクが高いすべての患者は、迅速な蘇生設備が利用できるモニターエリアで管理されるべきである。
すべての医療専従者は心停止を診断し、助けを呼び CPRを開始することができるべきである。スタッフは、そうするように訓練されたことをするべきである。例えば、救急集中治療領域のスタッフは、通常の医療業務で蘇生に関与することが少ないスタッフよりも高度な蘇生技術を持つだろう。蘇生診療にあたる病院スタッフは気道や呼吸、循環を管理する技術レベルが異なっているかもしれない。救助者は訓練され熟練した蘇生技術を、実施しなければならない。
応答者が1人だけの場合、助けが来るように手配しなければならない。もし他のスタッフが近くにいれば、いくつかの救命活動を同時に行うことができる。
すべての医療エリアは、心肺停止の患者の迅速な蘇生を容易にするために蘇生設備と薬剤を直ちに入手できるように準備するべきである。理想的には、除細動器を含むCPRのための器具と、器具・薬剤の配置(layout)は院内中で標準化されるべきである57。
蘇生チームは従来の心停止チームの形態を持つかも知れず、それは心停止が認められた時だけに呼ばれるチームである。あるいは、病院によっては心停止が起こる前に心停止の高いリスクをもつ患者を見極めてチーム(例.MET)を召集する戦略を立てるかもしれない35,36,39,41,58。「蘇生チーム」という用語は応答チームの活動内容によって意味の広がりが決まる。院内では心停止が突然または予期せず起こることはまれである。心停止のリスクが高い患者を見極める戦略が奏効してこれらの心停止を予防できかもしれないし、あるいはCPRが有効でないと思われる患者に無駄な蘇生を試みることを防ぐかもしれない。
院内心停止の初期管理アルゴリズムを図4.1に示す。
緊急な医学的評価が必要である。各病院のプロトコルによるが、これは蘇生チーム(例えば、MET)の形で行われるかもしれない。このチームが到着するまでの間に、患者に酸素を投与しモニターを装着し静脈内カニューラを挿入する。
実際の流れは職員の訓練(そのレベルや内容)と呼吸・循環の評価に関する経験の程度によって決まるであろう。訓練された医療従事者でも呼吸と脈拍を十分に評価して、心停止を確実に確認することはできない16,59,60。終末期呼吸(時おりみられる喘ぎや、遅い、努力様または雑音を伴う呼吸)は心停止の初期によく認められる心停止の徴候の1つであり、生命/循環のサインと混同すべきでない。
気道を開放して、正常な呼吸(時おりみられる喘ぎや、遅い、努力様または雑音を伴う呼吸は正常ではない)があるか、見て、聴いて、感じる。
傷病者が正常に呼吸しているかどうか、10秒以内に見て、聴いて、感じて判断する。
脈拍や生命の徴候が存在すれば、緊急な医学的評価が必要である。病院のプロトコルにもよるが、これは蘇生チームの形態をとるかもしれない。蘇生チーム到着を待つ間に患者に酸素を投与し、またモニターを装着し静脈内カニューラを挿入する。
呼吸はないが脈拍がある(呼吸停止)ならば人工呼吸を行い、10呼吸毎に循環を確認する。
モニター中の患者に心停止が目撃された場合は、以下のように行動する。
Immediate Life Support コースでは医療従事者に対して、除細動を含む、蘇生を開始しまた心停止チームの一員となるために必要な技法が訓練される(第9部参照)64。二次救命処置(The Advanced Life Support、ALS)コースでは蘇生チームのリーダーに必要な技法を教育する65,66。
心停止に関連した心波形は2つのグループに分けられる。ショック可能なリズム(心室細動/無脈性心室頻拍(以下、VF/VT))とショック不可能なリズム(心静止と無脈性電気活動(PEA))である。これら2つの不整脈のグループの取り扱いにおける主要な違いは、VF/VTの患者では除細動を行う必要がある点である。胸骨圧迫心臓マッサ−ジ(以下、胸骨圧迫)、気道管理と換気、静脈路確保、アドレナリンの投与や可逆性のある原因の発見と是正などの、その次に行う各処置は両グループで共通である。
二次救命処置(ALS)の心停止のアルゴリズム(図4.2)はすべての心停止に適用可能であるが、特殊な状況による心停止には追加の処置が適応になるかもしれない(第7部)。
心停止からの生存者を増加させることに疑いなく寄与する処置はVF/VTに対する迅速な除細動と居合わせた人(バイスタダー)による、直ちに開始され、かつ効果的な一次救命処置(BLS)である。高度な気道管理と薬剤投与は(まだ)二次救命処置(ALS)の処置に含まれてはいるが、心停止後の生存退院率を上昇させるということが判明していない。それゆえに、二次救命処置(ALS)の間、迅速な除細動と質の高い絶え間ない一次救命処置(BLS)を行うことに注意を払わなければならない。
成人では心停止時の最も多い波形は心室細動(VF)であり、心室頻拍(VT)やさらには上室性頻拍(SVT)が先行することもある67。心停止を確認したら助けを求め(除細動器の要請を含む)、CPRを(体外式)胸骨圧迫から開始し、胸骨圧迫:換気の比は30:2で実施する。除細動器が到着すればすぐに、パドルか接着性のあるパッドを胸部に付け波形診断をする。
VF/VTが確認されたら除細動器を充電し、1回ショックを行う(二相性で150〜200J、単相性では360J)。(そして)波形の再解析や脈の確認をすることなく、CPR(胸骨圧迫:換気比30:2)をショックの後すぐに、胸骨圧迫から再開する。例え除細動(the defibrillation attempt)が成功し循環のある波形に復帰しても、除細動の直後に脈が触れるようになるのは非常に稀68であり、循環のある波形が回復していなければ、脈を触れようとすることによる胸骨圧迫の遅れが、心筋をさらに危うい状態に陥らせるだろう69。循環のある波形が回復していても、胸骨圧迫を行うことが心室細動(VF)の再発率を上昇させるわけではない70。ショック後に心静止となっても(in the presence of post-shock asystole)胸骨圧迫は有効に心室細動(VF)に戻すかも知れない70。CPRを2分間続け、(その後)モニターを確認するために短時間CPRを中断する。もしまだVF/VTなら、2回目のショック(二相性では150〜360J、単相性では360Jで)を行う。2回目のショックのあとも直ちにCPRを再開する。
CPRを2分間実施したら、短時間これを中断しモニターを確認する。まだVF/VTならアドレナリンを投与しすぐに3回目のショック(二相性で150〜360J、単相性で360J)を行い、CPRを再開する(薬剤―ショック―CPR―波形チェックの流れ)。胸骨圧迫の中断からショックまでの時間を最小限にする。ショックの直前に投与されたアドレナリンは、ショックの直後のCPRによって循環する。薬剤投与と2分間のCPRの後は、波形を解析し、適応があれば即座に次のショックを行えるよう備えておく。3回目のショックの後でもVF/VTが持続していたら、アミオダロン300mgを静脈内にボーラス投与する。アミオダロンは4回目のショックの前の短時間の波形解析の間に投与する。
ショックの2分後に波形をチェックし、ショックが不可能な波形になっていたり、まとまりのある(organized)波形であれば(QRS波が整か幅が狭く見えたら)脈を触れるよう試みる。波形チェックは短時間の内に行わなくてはならないし、脈が触れるかどうかの確認はまとまった(organized)波形が観察されるときのみに限る。2分のCPRの間にまとまった(organized)波形がみられても、心拍再開(ROSC)を示唆する生命徴候を示さない限りは、脈を触れるために胸骨圧迫を中断しない。まとまりのある(organized)波形があるが脈の存在に疑念があるときは、CPRを再開する。患者が心拍再開(ROSC)したら、蘇生後のケアを開始する。波形が心静止や無脈性電気活動(PEA)に変化した場合、下記のショック不可能なリズムの項を参照のこと。
VF/VTの治療の間、ヘルスケアプロバイダーはCPRとショックを効率的に協調させて実施する。心室細動(VF)が数分以上続けば、心筋では酸素と代謝基質(metabolic substrates)が不足する。短時間の胸骨圧迫が酸素とエネルギーとなる基質(energy substrates)を送り、ショックによって循環のある波形が回復する可能性を高める71。VF波形の解析によりショック成功を予測する研究によると、胸骨圧迫とショックの間の時間が短いほどショックが成功する可能性が高い71,72。例え数秒でも胸骨圧迫からショックまでの間隔を短縮することで、ショックの成功の可能性が上昇する73。
心停止時の波形に関わらず、アドレナリンを3〜5分毎に1mg、心拍再開(ROSC)が得られるまで投与する。(これにより)アドレナリンはアルゴリズムの2回のループ(loop)ごとに1回投与されることになる。CPR中に生命徴候が回復すれば(体動、正常の呼吸、咳が確認されたとき)、モニターを確認する。(そして、)まとまった波形(organized rhythm)であれば、脈を確認する。もし脈が触れるなら、蘇生後のケアと切迫停止期における不整脈の治療を継続する。脈が無ければCPRを継続する。胸骨圧迫:換気を30:2で行うCPRは疲労しやすいので、圧迫担当者を2分毎に交代させる。
胸骨叩打(precordial thump)
突然の虚脱が目撃され、即座に心停止が確認され、かつ除細動器がすぐに手に入らない場合に、単回の胸骨叩打を考慮する(第3部)74。このような状況は患者がモニターされているときに最も起こりやすい。胸骨叩打は心停止が確認されたら即座に行われるべきで、この手技の訓練をうけたヘルスケアプロバイダーのみが行う。しっかりと握ったこぶしの尺側の縁を用いて、20cmくらいの高さから胸骨の下半分に鋭い衝撃を与える。そしてこれを瞬間的な衝撃とするために(to create an impulse-like stimulus)、すぐにこぶしを引く。胸骨叩打は心室頻拍(VT)を洞調律に変換するのが最も成功しやすい。胸骨叩打による心室細動(VF)の治療は上記ほどは成功しない。そして報告されている成功例では全て、心室細動(VF)の最初の10秒以内に叩打が行われている75。(ただし)胸骨叩打によって循環のある波形が循環のないそれに変化したという報告は稀である76。
気道と換気(Airway and ventilation)
難治性心室細動(persistent VF)の治療において、除細動の合間には質の良い胸骨圧迫を確実に行う。可逆的な原因(4H&4T)を考慮し、もし同定されればそれらを補正する。電極や除細動器のパドルの位置と接触、伝導体(例えば、パッドのジェル)が適当か確認する。気管挿管は最も信頼のおける気道をもたらすが、ヘルスケアプロバイダーが適切に訓練されており、気管挿管において十分な継続的な経験がある場合にのみ試みる。高度な気道管理能力がある人が胸骨圧迫を止めることなく喉頭展開を試みる。(ただし、)声帯間にチューブを通すときには胸骨圧迫の短時間の中断が必要になるかもしれない。また、胸骨圧迫の中断を避けるため、気管挿管の試みを心拍再開まで遅らせてもよい。挿管の試みに30秒以上を要してはならない。もしこの時間が過ぎても挿管できなかったときは、バッグマスク換気を再開する。挿管後、チューブの正しい位置を確認して適切に固定する。挿管後は胸骨圧迫を1分間に100回のペースで、換気の間も中断せず続ける。換気は毎分10回の割合で行う。過換気を避ける。胸骨圧迫の中断は冠動脈潅流圧を大幅に下げてしまう。胸骨圧迫を再開したとしても、元の冠動脈潅流圧に回復するまでにある程度の遅れがある。それゆえ、換気の間も中断しない胸骨圧迫が実質的により高い平均冠動脈潅流圧をもたらす。
気管挿管の能力のある人がいない場合、許容できる代替手段はコンビチューブやラリンジアルマスク(LMA)、プロシール LMA(ProSeal LMA)またはラリンジアルチュ−ブ(Laryngeal Tube)である(第4部d)。これらの気道管理器具のどれかが挿入されれば、換気時に中断せずに胸骨圧迫を連続して行うことができる。もし、ガス(酸素)の漏れが多く適切に換気ができなければ、胸骨圧迫を中断して換気の適正化をはかる(胸骨圧迫:換気比は30:2で実施する)。
連続した胸骨圧迫の間は、1分間に10回換気する。
静脈路確保と薬剤(Intervenous access and drugs)
薬剤投与経路は末梢静脈からか中心静脈からか。まだ確保されてなければ静脈ラインを確保する。中心静脈カテーテルから薬剤を投与した方が薬剤の最高血中濃度が高くなり循環時間も短くなる77が、中心静脈カテーテルの挿入は CPRの中断を必要とし、いくつかの合併症にも関連する。末梢静脈カテーテルの挿入はより早期に行え、施行自体も容易で安全である。末梢から投与された薬剤は、中心循環に薬剤が到達するのを早めるために、投与後に少なくとも20mLの後押し(a flush of at least 20 mL of fluid)を行いまた投与した四肢を10〜20秒間挙上する。
骨髄内輸液。静脈路確保が難しかったり不可能な場合、骨髄内輸液を考慮する。この方法は通常、小児における血管確保の代替手段と考えられているが、成人でも有効である78。骨髄内への薬剤投与で、中心静脈カテーテルからの投与に匹敵する速さで適切な血中濃度が得られる。骨髄内ルートから骨髄液を吸引して、静脈血液ガス分析や電解質、ヘモグロビン濃度の測定にあてることもできる。
気管内投与。静脈路も骨髄内経路も確保できない場合、いくつかの薬を気管内投与することができる。しかし、気管チューブ経由で投与された場合血中濃度は予測できないし、ほとんどの薬剤の適当な気管内投与量は分かっていない。CPR中、アドレナリンの気管内により経静脈投与の場合と同等の効果を得るための投与量は経静脈投与の3〜10倍である79,80。いくつかの動物実験によると、アドレナリンを気管内投与したときにはその血中濃度が十分に上昇せず、一過性のβ作用を生じるかもしれない。その結果、(訳者註:静脈内投与時より)低血圧と冠動脈潅流圧が低くなる81-84。気管内投与の場合、アドレナリンの量は3mgを滅菌水10mL以上に希釈したものとする。(訳者註:なお)滅菌水の替わりに0.9%の生理食塩水で希釈すると、薬剤吸収がよいかもしれない85。プレフィルドシリンジの溶解液も気管内投与に使用できる。
アドレナリン。アドレナリンは蘇生中に広く用いられているが、またバソプレシンに関するいくつかの研究はあるが、ヒトの心停止のどの段階においても、いずれかの昇圧薬をルーチンに使用(routine use)することにより生存退院率が改善したということを示したプラセボ比較試験はない。特定の薬剤や薬剤の組み合わせをルーチンに用いること
(the routine use of any particular drug or sequence of drugs)を推奨するにも否定するにも、現在のエビデンスでは不十分である。ヒトでのデータは欠如しているが、主には動物のデータに基づき、アドレナリンの使用が現在も推奨される。アドレナリンはそのα作用により血管を収縮させ、心筋と脳の灌流圧を上昇させる。冠血流量が多ければ多いほど、心室細動(VF)波形の振動数が増し、除細動が行われれば循環回復の可能性が高まる筈である86-88。薬剤投与前に行われるべき CPRの適切な継続時間とショックの適切な回数はわかっていない。専門家の総意に基づき、VF/VTが2回のショックの後も持続すればアドレナリンを投与し、心停止の間は3〜5分毎に繰り返すこととする。薬剤を投与するためにCPRを中断してはならない。
抗不整脈薬。ヒトの心停止中にいずれかの抗不整脈薬をルーチン投与することで生存退院率が上昇するというエビデンスはない。プラセボ89やリドカイン90と比較すると、難治性心室細動(refractory
VF)に対するアミオダロンの使用は短期転帰である生存入院率を改善する。しかしながら、これらの研究では、抗不整脈薬は VF/VTが少なくとも3回のショックの後も続いている場合に、従来の3連続ショック戦略の下で用いられている。単回ショック戦略下での、ショック不応性のVF/VTに対するアミオダロンの使用に関するデータはない。専門家の総意に基づき、3回のショックの後でもVF/VTが続けば300mgのアミオダロンを静脈内にボーラス投与することとする。再発性あるいは難治性のVF/VTに対しては150mgの追加投与と、引き続いて24時間で900mgの持続投与を行ってもよい。アミオダロンが使えないときはリドカイン1 mg kg-1を代替手段として用いてもよいが、アミオダロンがすでに投与されている場合リドカインは用いない。
マグネシウム。心停止時におけるマグネシウムのルーチン投与は生存率を上昇させない91-95が、低マグネシウム血症が少しでも疑われる(カリウム喪失性利尿薬を使用している患者など)場合は、難治性心室細動(refractory VF)に対しマグネシウム(8 mmol=50%硫酸マグネシウム4mLか2g)を投与する。
重炭酸。重炭酸ナトリウムを、CPR時(特に院外心停止の場合)や心拍再開後にルーチンに投与することは勧められない。心停止が高カリウム血症や三環系抗うつ薬の中毒と関連があるならば、重炭酸ナトリウム(50mmol)を投与する。さらに、臨床状況や血液ガス分析の再検結果に基づいて同量を再投与する。一部の専門家は動脈血pHが7.1未満の場合に重炭酸を投与するが、これには議論がある。心停止中、動脈血ガス分析の値は組織の酸―塩基平衡の状態を反映せず96、組織の pHは動脈血のそれよりも低い。混合静脈血ガスの値は組織のpHのより正確な推測値を示す96が、心停止のその時に肺動脈カテーテルが挿入されていることは稀である。中心静脈カテーテルが挿入されている場合、中心静脈血ガス分析が動脈血ガスよりも組織の酸―塩基平衡の状態をより反映した値を示す。
難治性心室細動(Persistent ventricular fibrillation)
心室細動(VF)が続いていれば、パドルの位置を変えることを考慮する(第3部)。すべての可能性のある可逆的な原因(下記参照)を再検討し、同定された原因に対する治療を行う。
個々の蘇生行為の継続時間は周辺の状況と良好な結果がどの程度見込めるかを考慮に入れた、臨床的な判断の問題である。蘇生を開始するのが適当と考えられた場合は通常、患者がVF/VTである限り蘇生を続ける価値があると考えられている。
無脈性電気活動(PEA)は脈が触れないときの心臓の電気的活動と定義される。これらの患者ではいくらかの機械的な心筋収縮はあるが、弱すぎて検出できる脈や血圧を生み出すことができない。無脈性電気活動(PEA)はしばしば可逆的な病態によって生じ、それらの病態が同定され、補正されれば治療することができる(下記参照)。可逆的な原因が発見され有効に治療されない限り、心静止(asystole)や無脈性電気活動(PEA)を呈する心停止からの生存は可能性が低い。
最初にモニターされた波形が無脈性電気活動(PEA)や心静止(asystole)であればCPRを30:2で開始し、静脈ラインが確保されたらすぐにアドレナリンを1mg投与する。表示波形が心静止(asystole)であれば、CPRを中断することなくリード線が正しく装着されていることを確認する。心静止(asystole)は過剰な迷走神経の緊張によって増悪したり引き起こされる可能性のある状態なので、理論的には迷走神経抑制薬によって拮抗できる。従って、心静止(asystole)に対するアトロピンのルーチン投与が生存率を上げるというエビデンスはないが、心静止(asystole)か脈の遅い(心拍数<60/分)無脈性電気活動(PEA)であればアトロピン3mg(最大の迷走神経抑制をもたらす用量)を投与する。できるだけ早く気道を確保し、胸骨圧迫を人工呼吸中に中断することなく実施できるようにする。2分間のCPRの後、波形を再度確認する。波形の揺れがない(if no rhythm is present)(心静止(asystole))か心電図の見た目に変化がなければ、すぐにCPRを再開する。まとまりのある波形(organized rhythm)が認められたら、脈を触れてみる。脈がなければ(または脈の存在に少しでも疑念があれば)CPRを継続する。脈があれば、蘇生後のケアを始める。CPR中に生命兆候が回復すれば波形を確かめ、脈を触れてみる。
心静止(asystole)の診断をするときは常に、P波があるか注意深く心電図を確認する。P波があれば心臓ペーシングに反応する可能性があるからである。真の心静止(asystole)に対してペーシングを試みても無益である。
波形が心静止(asystole)か振幅の小さい心室細動(fine VF)かどうか疑いがあれば、除細動を試みない。その代わりに、胸骨圧迫と人工呼吸を続ける。心静止(asystole)と区別が難しい振幅の小さい心室細動(fine VF)がショックで首尾よく循環のある波形に戻ることはないだろう。質の良いCPRを続けることで、心室細動(VF)の振幅と心拍数(frequency)が改善され、循環のあるリズムに到る除細動の成功の可能性が高まる。振幅の小さい心室細動(fine VF)と考えられる波形を除細動するためにショックを繰り返すことで、電流によって直接的に、また冠血流の中断によって間接的に、さらなる心筋損傷をもたらすことになる。
心静止(asystole)や無脈性電気活動(PEA)の治療中に波形が心室細動(VF)に変わったら、アルゴリズムの左側に移る。そうでなければ、CPRを継続しアドレナリンを3〜5分毎に投与する(アルゴリズムのループの1つおきに)。
特定の治療法がある(訳者註:心停止の)原因や増悪因子について、どの心停止例においても(during any cardiac arrest)考慮しなければならない。(訳者註:心停止の原因や増悪因子については)憶えやすくするため、頭文字に基づいて4つのHと4つのTの2つのグループに分けられている。これらの状況の多くについては、その詳細を第7部で網羅している。
4つのH(The four Hs)
患者の肺が100%酸素で適切に換気されていることを確実にすることで低酸素の危険性を最小限にする。適切な胸の上がりと両側の呼吸音が聴取されることを確認する。気管チューブが気管支や食道に間違って入っていない(misplaced)か、第4章dに記載されている方法で注意深く確認する。
循環血液量減少(hypovolaemia)による無脈性電気活動(PEA)は通常大量出血によって起こる。これは外傷(第7部i)、消化管出血や大動脈瘤破裂によって起こる可能性がある。出血を止めるための緊急手術に加え、血管内容量を輸液によって急速に回復させるべきである。
高カリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、アシデミア、その他の代謝異常は生化学検査で検出されたり、患者の病歴、たとえば腎不全などから示唆される(第7部a)。12誘導心電図で診断がつく(diagnostic)かもしれない。高カリウム血症、低カルシウム血症、カルシウムチャネル遮断薬中毒の場合には、塩化カルシウムの静脈内投与が適応となる。
溺水事故では常に低体温を疑う(第7部cとd)。そして低温を測定できる体温計を使用する。
4つのT(The four Ts)
緊張性気胸が無脈性電気活動(PEA)の一次的な原因である可能性がある。またこれが中心静脈カテーテルーテル挿入を試みた後に起こることもある。診断は臨床的に行う(The diagnosis is made clinically. )。速やかに針による胸腔穿刺(thoracocentesis)で脱気し、それから胸腔ドレーンを挿入する。
心タンポナーデは頚部静脈の怒張と低血圧という典型的な兆候が心停止そのものにより通常わかりにくくなるので、診断が難しい。穿通性胸部外傷後の心停止はタンポナーデを強く示唆し、針による心膜穿刺や蘇生のための開胸が適応となる。
特異的な病歴がないとき、薬剤または毒物の不慮ないし故意の服用は検査室での検査によってのみ明らかになるかも知れない(第7部b)。利用可能であれば、適切な解毒薬を使うべきであるが、ほとんどの場合対症療法となる。
血栓塞栓性ないし機械的循環路の閉塞(thromboembolic or mechanical circulatory obstruction)で最も多い原因は大量の肺塞栓である。心停止が肺塞栓症によって生じていると考えられれば、直ちに血栓溶解薬を考慮する(第4部e)97。
蘇生を必要とする患者が、意識消失の結果、気道閉塞をおこしていることをよく経験する。しかし、ときにはこの気道閉塞が心肺停止の原因となっている場合もある。(そこで、)気道と換気の管理を行いつつ、迅速な評価をすることが重要である。これにより脳や他の組織の二次的な低酸素性障害を防ぐことができるだろう。十分な酸素化無しに心拍を再開させることは不可能であろう。これらの原則は除細動器の近くでおこった、目撃された心停止にはあてはめてはならない。この場合、最優先されるべきはすぐに除細動を試みることである。
気道閉塞には不完全閉塞の場合と完全閉塞の場合とがある(Obstruction of the airway may be partial or complete)。気道閉塞は鼻、口から気管まで気道のどこでもおこりうる(図4.3)。意識のない患者において気道閉塞の頻度が最も高い部位は咽頭である。最近までにこの閉塞は筋緊張の低下による舌の後方への変位、最終的には舌が咽頭後壁に接触する
ことが原因とされてきた。意識のない患者における気道閉塞の正確な原因は全身麻酔下の患者を対象とした研究98,99により確認された。これらの麻酔患者における研究によると、気道閉塞をおこす部位は軟口蓋と喉頭蓋であり、舌ではない。気道閉塞は吐物や血液(胃内容逆流や外傷)、異物によってもおこりうる。喉頭の閉塞は熱傷、炎症やアナフィラキシーによる浮腫でも起こりうる。上気道への刺激は喉頭痙攣を起こしうる。喉頭以下の閉塞は少ないが、気管支分泌物の過量、粘膜の浮腫、気管支攣縮、肺水腫や胃内容の誤嚥で起こりうる。
気道閉塞の認識
気道閉塞の兆候が微かで、一般人はもちろん、しばしばヘルスケアプロフェッショナルにも見過ごされる。'見て、聞いて、感じて'のアプローチは気道閉塞を見つけるための簡単で体系化された方法である。
呼吸努力のある患者において、完全気道閉塞はしばしばシーソー呼吸(see-saw breathing)と表現される、胸部と腹部の運動が逆相となる動き(paradoxical chest and abdominal movement)を呈する。患者が吸おうとする時に胸部が引き込まれ、腹部が膨らむ。呼気時には逆のことがおこる。これは正常な呼吸パターンとは対照的である。正常時には胸部が持ち上がる時に腹部が(横隔膜に押し下げられて)上方へかつ外側へ向けて同期した動きをする。気道閉塞時、他の補助呼吸筋群が使用され、頚部、肩部の筋肉が収縮することにより胸郭の運動を補助する。正常の呼吸と紛らわしい奇異性運動を鑑別するためには頚部、胸部と腹部の十分な診察が必要である。完全気道閉塞を確実に診断するためには、呼吸音がないことを慎重に聴取して確認しなければならない(must include listening for the absence of breath sounds)。一方、何らかの呼吸性雑音を呈する場合は部分閉塞を意味する。無呼吸すなわち自発的な呼吸運動がないとき、完全気道閉塞は陽圧呼吸を試みても肺が膨らまないことにより認識される。短時間、すなわちほんの2,3分以内に気道が再開通し十分な換気ができるようにならなければ、神経学的な障害や他の重要臓器(vital organ)の障害が起き、心停止に至るかも知れない。
頭部後屈とあご先挙上
救助者は片方の手を患者の前頭部に置き、頭部を優しく後屈させる。もう一方の手の指先を患者のあごの下に当て、あご先をやさしく挙上させ前頚部を伸展させる(図4.4)100-105。
下顎挙上
下顎挙上は下顎を前方に移動させ軟口蓋と喉頭蓋による気道閉塞を解除する補助的な手技である。救助者は (両手の)示指と他の指(訳者註)を下顎角の後ろに置き、上前方に押し上げる。(また両)母指を用いてあごを下方にずらし、わずかに開口させる(図4.5)。
これらの姿勢変更による(positional)方法は、軟部組織の弛緩を原因とする気道閉塞のほとんどの場合に成功する。これらにより気道開通を維持できない場合、気道閉塞以外の原因を探す。口腔内に見える固形異物を除去するためにはフィンガースウィープ法を行う。壊れているか外れている義歯は取り除く。しかし、しっかり固定されている義歯は口の形を維持し、換気しやすくなるのでそのままにしておく。
頚部脊椎損傷が疑われる気道の管理
脊椎損傷が疑われる場合(例えば、傷病者が墜落した場合、頭部や頚部に衝撃を受けた場合、もしくは浅い水中に飛び込んだ後に救出された)場合、蘇生のあいだ、頭部、頚部、胸部や腰部を中立位(neutral position)に保つ。過度の頭部後屈は頚髄の損傷と障害の程度を悪化させる可能性がある106-110。しかし、この合併症は(訳者註:実際には)報告されておらず、相対危険度については不明である。頚椎損傷の危険性があるならば、下顎挙上またはあご先挙上と補助者による頭部と頚部の用手固定(manual inline stabilisation, MILS)と合わせて、気道を開通させる111,112。効果的な下顎挙上やあご先挙上が行われているにもかかわらず生命を脅かすほどの気道閉塞が継続するなら、気道が開通するまで少しずつ頭部後屈を加えていく。気道の開放は潜在的な頚椎損傷よりも優先度が高い。
基本的気道管理手技の器具
簡単な気道管理のための補助器具は開通した気道を維持する上で、特に蘇生が長引いたときには多くの場合有効で、時には必須である。気道の開通性を維持するためには、頭部と頚部の位置を維持しなければならない。口咽頭エアウェイと鼻咽頭エアウェイは、意識のない患者での軟口蓋と舌の後方への偏位による影響を解消する。しかし、頭部後屈とあご先挙上も引き続いて必要となるだろう。
口咽頭エアウェイには新生児から身体の大きな成人まで利用可能な、各種のサイズがある。口咽頭エアウェイの必要とされるサイズは、患者の門歯と下顎角の垂直距離の長さのエアウェイを選択することで得られる(図4.6)。最も一般的なサイズは小柄、中くらい、大柄な成人でそれぞれ、#2、#3、#4である。
舌・咽頭や喉頭の反射があると、口咽頭エアウェイを挿入することで嘔吐や喉頭攣縮が起こる可能性がある。従って、口咽頭エアウェイの挿入は昏睡状態の患者に限定する。口咽頭エアウェイは3ヶ所で閉塞をおこすことがある113。まず、舌の一部がエアウェイの末端を閉塞させることがある。また、喉頭蓋谷にエアウェイがつかえる(lodge)ことがある。そして喉頭蓋によってエアウェイが閉塞することがある。
鼻咽頭エアウェイ
意識障害が軽い患者では、鼻咽頭エアウェイの方が口咽頭エアウェイより耐えやすい。鼻咽頭エアウェイは、歯を食いしばっている患者、開口障害や上顎や顔面のけがをした患者で、口からエアウェイを挿入できないときは、救命的となるかもしれない。頭蓋底骨折がある患者に鼻咽頭エアウェイを不用意に挿入すると、頭蓋内へ迷入する可能性がある。ただこれは極めて稀である114,115。頭蓋底骨折があるか疑われる場合、口咽頭エアウェイ挿入の方が望ましい。しかし、口咽頭エアウェイの挿入が不可能で気道が閉塞している場合は、鼻咽頭エアウェイを愛護的に挿入することが救命的であるかも知れない(危険より利益がはるかに上回る可能性がある)。
鼻咽頭エアウェイの長さは内径によって決められており(sized in millimetres according to their internal diameter)、内径が太くなるにつれ長くなる。鼻咽頭エアウェイのサイズを決定する伝統的な方法(患者の小指もしくは外鼻孔を測定する)は気道の解剖とは相関せず、信頼できない116。成人には6〜7mmサイズのエアウェイが適切である。鼻からの挿入は粘膜を傷つける可能性があり、出血を来たす例は30%にもなる。エアウェイが長すぎる場合は、喉頭攣縮や嘔吐の原因となる喉頭反射や舌咽頭反射をおこすことがある。
酸素
可能なときはいつでも酸素投与を行う。酸素流量が十分高流量であれば、標準の酸素マスクで 酸素濃度を50%まで上げることができるだろう。リザーバーバッグのついたマスク(非再呼吸式マスク)では、10〜15L 分-1の流量で85%の吸入酸素濃度が得られる。最初にできるだけ高濃度の酸素を投与し、次いでパルスオキシメータ(SpO2)もしくは血液ガスを見ながら酸素飽和度を調節(titrate)して行くことができる。
吸引
上気道から液状物(血液、唾液、胃内容物)を取り除くためには、硬く口径の大きい吸引嘴管(ヤンカー、Yankauer)を使用する。嘔吐反射が保たれている患者では嘴管の操作を慎重に行う。嘴管が嘔吐を誘発し得るからである。
逆に吸気流速が低すぎると吸気時間が延長し、胸骨圧迫にかけることができる時間が短くなる。1回の呼吸におよそ1秒かけて、正常な胸の動きに相当する換気量を送り込む。これは適切な換気量を送り、かつ胃への送気の危険性を最小限にし、そして 胸骨圧迫のための時間を十分に確保するという、三者を満足させるための解決策である。気道の隔離がなされていない(with an unprotected airway)心肺蘇生中は、胸骨圧迫を30回行った後、2回の換気を行う。
自己膨張式バッグ
自己膨張式バッグはフェイス・マスク、気管チューブ、またはラリンジアルマスクやコンビチューブなどの代替気道確保器具に接続することができる。酸素補給がなければ、自己膨張式バッグは大気(酸素濃度21%)で換気する。酸素を直接バッグに取り付けることによって、酸素濃度はおよそ45%まで上昇する。リザーバー・システムを装着して、酸素流量をおよそ10L/分まで増やせば、吸入酸素濃度を85%まで上げることができる。
バッグ・マスク換気を行う場合は、二人法が望ましい (図4.8)。1人が両手で適切に下顎挙上を行い、フェイス・マスクを把持し、助手がバッグを押す。このようにすると、より良い密着を達成することができ、より効果的かつ安全に換気することができる。
人工呼吸器
二次救命処置の間の換気については、ごくわずかの研究しかない。医療従事者による心停止中の換気回数が多すぎることを示す
いくつかのデータがある61,129。自動換気装置または蘇生器(resuscitators)は吸気時に一定流量のガスを傷病者に送気するが、吸気時間が長いほど一回換気量が大きくなる。吸気時に気道内圧が上昇するので、これらの装置は圧外傷に対して肺を保護するためにしばしば圧制限がかかるようになっている。自動換気装置はフェイス・マスク、気道確保器具(例えば、気管チューブ、ラリンジアルマスク(LMA))のどちらにでも使用することができる。
自動蘇生器(automatic resuscitator)は初めに10回 分-1、6〜7mL kg-1の一回換気量に設定しておく。様々な体格の傷病者のために、簡単で迅速な調整を容易にするコントロールの印をつけた装置もあれば、呼吸パターンを細やかに変えることのできる(capable of sophisticated variation in respiratory pattern)ものもある。自己心拍があるときは、傷病者の動脈血ガス分析をして(換気条件を)適正に設定する。
自動蘇生器(automatic resuscitator)には、他の方法と比較して多くの利点がある。
心停止をシミュレートしたマネキンでの研究および消防士が換気を担当した麻酔患者での研究において、マニュアル感知式流量制限付き酸素駆動式人工呼吸器によるマスク換気(manually triggered flow-limited oxygen-powered resuscitators and mask)はバッグマスク換気に比較し、胃膨満が有意に減少すると報告されている130,131。しかし、自動蘇生器(automatic resuscitator)が実際の心停止傷病者における胃膨満を軽減するかどうかについては研究されておらず、バッグ・バルブ・マスクよりも有用であることを示すデータはない。
一般に、気管チューブは心停止の間、気道を管理する最適の方法であると考えられてきた。(しかし)適切なトレーニングや経験がないと、認識されていない食道挿管(ある研究で6〜14%132-135)や位置移動(dislodgement)などの合併症頻度が容認できないほど高いというエビデンス136がある。挿管操作の延長に伴う胸骨圧迫の中断は、この間の冠動脈や脳への灌流を障害するため有害である。CPR中の気道確保のために、いくつかの新しい代替気道確保器具が考案されている。コンビチューブ、ラリンジアルマスクおよびラリンジアルチューブ(LT)は、CPR中の使用について研究されている(唯一の)代替器具であるが、ほとんどの研究者は挿入成功率と換気成功率について研究しているのみで、第1のエンド・ポイントとしての生存率を改善するかどうかという研究はしていない。心停止時にある特定の気道確保器具をルーチンに使用することを支持するデータは全くない。最も良い方法は心停止の正確な状況評価と救助者の能力(competence)によって決められる。
ラリンジアルマスク Laryngeal mask airway(LMA)は喉頭開口部周囲に密着するよう設計された楕円形のカフと径の太いチューブから構成される(図4.9)。挿入は気管チューブより容易である137-143。CPR中のLMA使用について研究されてきたが、気管チューブと直接した比較したものではなかった。CPR中のLMAでの換気成功率は72〜98%とされている144-150。
LMAを使用した換気は、バッグ・マスクより効果的かつ容易である124。LMAを遅延なく挿入できる場合はこれを実施し、 バッグ・マスク換気から切り替えてしまう(avoid bagmask ventilation altogether)ことが望ましい。間欠陽圧換気に使用すると、高い気道内圧(>20 cmH2O)を避けることができ、胃の膨満を最小にできる。心停止例でLMAを自己膨張式バッグで換気すると、バッグ・マスク換気と比較し、胃内容の逆流を減らすことができる127。
気管挿管と比較した場合、LMAの短所は誤嚥のリスクが増えることと、肺および/または胸壁コンプライアンスが低い傷病者に適切な換気ができないことである。中断のない胸骨圧迫を行う場合に、LMAを用いて適切な換気を提供できるか否かを示すデータは全くない。胸部を圧縮し続けている間に適切に肺を換気できる点は気管チューブの主な利点の1つであるかもしれない。CPR中のLMA使用に関する研究で、誤嚥例の報告はごくわずかしかない。
コンビチューブは盲目的に舌を越して挿入するダブル・ルーメン・チューブであり、食道内(図4.10a
ラリンジアルチューブ(Laryngeal tube; LT)。 LTは比較的新しい気道確保器具である。麻酔患者でのその機能はいくつかの研究で報告されているが、CPR中の使用に関する報告はない。ラリンジアルチューブは古典的LMAや(通常の)LMAと比較して扱いやすく158,159、挿入成功率の高さはパラメディックの研究160でも報告されている(reported even in studies of paramedics)。CPR中のラリンジアルチューブの使用に関しては数件の症例報告が散見されるのみである161,162。最低限の訓練のみを受けた看護師が病院外心停止30例にラリンジアルチューブを挿入したという報告163では、90%の傷病者において2回以内の試技で挿入に成功し、全症例の80%において適切に換気を行うことができた。(また)逆流は全く起こらなかった。
プロシール・ラリンジアルマスク(ProSeal LMA)。プロシール・ラリンジアルマスク(ProSeal LMA)は麻酔下患者では広く研究されたが、CPR中の機能と性能に関する研究は全くない。プロシール・ラリンジアルマスクは理論上、CPR中の使用において、古典的LMAより有利な点が以下の様にいくつかある。(すなわち)喉頭への密閉性向上により、より高い気道内圧での換気が可能になった164,165。(また)上部食道からの胃内容の逆流を抑え胃内容を排液する胃管とバイトブロックを備えている。(一方)プロシール・ラリンジアルマスクには、CPR用の気道確保器具としての潜在的弱点がある。それは、古典的なラリンジアルマスクより挿入がやや困難で、ディスポーサブルでなく、比較的高価で、また固形の吐物は胃管を閉塞させるという点である。CPR中の性能に関するデータが待たれる。
Airway management device(AMD)。airway management device(AMD)は麻酔患者における1つの研究166ではうまく機能しなかった。しかし、改良版ではわずかにながらその機能が改善した167。pharyngeal airway express(PAX)も麻酔患者における1つの研究168でうまく機能しなかった。これらの器具をCPR中に使用したデータはない。
Intubating LMA。
Intubating LMA(ILMA)は麻酔中に気道確保困難例を管理するのに価値があるが、CPR中の使用については研究されていない。ILMAを挿入するのは比較的簡単である169,170が、一方気管チューブを盲目的にかつ確実に挿入するにはかなりの訓練を必要とする171。このため、(気管チュ−ブの盲目的挿入は)経験の浅いプロバイダーのための理想的なテクニックではない。
成人の心肺停止において、気道を維持し換気を行うためにどのような処置を行うべきかあるいは行うべきでないかに関して、十分なエビデンスは無い。にもかかわらず、気管挿管は気道を確保する最適の方法(the optimal method of providing and maintaining a clear and secure airway)と考えられている。気管挿管は高レベルの技能を持っていると認められた熟練者がいる時にだけ行う。バッグマスク換気と気管挿管を比べた唯一の無作為試験は、病院外で気道管理を必要とした小児例で検討された172。この研究では生存退院率に差はなかったが、小児の結果を成人に適応させてよいかどうかは明らかではない。EMT(Emergency Medical Technician)またはパラメディックによって治療された成人院外心停止の転帰を比較した報告が2つある173,174。パラメディックにより行われた手技(気管挿管、静脈路確保および薬剤投与を含む)の有無により、生存退院率に差は認められなかった174。
気管挿管がバッグマスク換気よりも優れている点がいくつかある。気道を確保することにより、胃内容物や口腔咽頭からの血液による誤嚥から気道を保護(protect)すること、胸骨圧迫を絶え間なく行う際でも、適切な換気量を正確に提供できること、救助者の手を解放し他の仕事ができる可能性があること、気道内分泌物を吸引できること、薬剤投与ルートになり得ること、などである。バッグマスクは胃の膨張を起こしやすく、理論的に逆流と誤嚥のリスクが高い。しかしながら、心停止傷病者においてバッグマスク換気が気管チューブによる換気よりも誤嚥の頻度を高めることを示す信頼性の高いデータはない。
バッグマスク換気と比較した場合の気管挿管の欠点がいくつかある。気管チューブの位置異常を気付かない可能性があること(病院外心停止傷病者では 6132,134〜14135%)、挿管操作のために胸骨圧迫が長く中断される(prolonged period without chest compressions)こと、成功率がそれほど高くないことなどである。挿管成功率は個々のパラメディックの挿管経験に関連している175。挿管不成功率は、院外において患者を扱う数が少なく頻繁に挿管を実行しないプロバイダーでは50%にも達する134。病院前救護要員(prehosital staff)に気管挿管のトレーニングを行うための費用についても考慮されるべきである。院外で挿管(prehospital intubation)を行うヘルスケア人員は、構造化されモニターされたプログラムの中でのみ気管挿管を施行するべきである。そのプログラムは包括的で能力に応じた(技能習得)訓練と、定期的な技能維持訓練(regular opportunities to refresh skills)とを含むべきである。
場合によっては喉頭展開(laryngoscopy)や挿管操作の結果、挿管が不可能な事が分かるかもしれないし、これらの処置が傷病者の生命を脅かすような重篤な状態の悪化を招くかもしれない。例えば急性喉頭蓋病変、喉頭病変、頭部外傷(挿管操作による頚部の屈曲は頭蓋内圧をさらに上昇させるかもしれない)、または頚髄損傷などである。このような状況であれば、麻酔薬や光学ファイバー式喉頭鏡などの専門的技術が必要かもしれない。これらのテクニックは高度の技能とトレーニングを必要とする。
救助者は有効な胸骨圧迫の必要性と挿管の危険性と利点を天秤にかけなければならない(must weigh the risks and benefits of intubation)。挿管操作は胸骨圧迫の中断を必要とするが、いったん高度な気道確保器具が留置されれば、換気は胸骨圧迫の中断を必要としない。高度な気道管理に熟練した救護要員は胸骨圧迫を中断せずに喉頭鏡操作を行えなければならないし、胸骨圧迫を中断するとしてもチューブが声門を通り抜ける時に短時間の中断するにとどめる。また、胸骨圧迫の中断を避けるために、挿管操作は自己循環の回復(心拍再開)まで行わないという考えもある。挿管操作に30秒以上かけるべきではなく、この時間内に挿管できないなら、バッグマスク換気を再開する。挿管の後には、チューブ位置確認を行い適切に固定する。
気管チューブの正しい位置確認
認識されていない食道挿管は気管挿管操作の最も重大な合併症である。正しい気管チューブの位置を確認するための一次、二次確認をルーチンに行うことでその(認識されない食道挿管の)危険が減少する。まず行う評価(primary assessment)としては両側胸郭挙上の観察、腋窩での聴診(呼吸音は左右で等しくかつ適切であるべき)、心窩部聴診(送気音
が聞こえない)がある。正しいチューブ位置の臨床所見(チューブの曇り、胸郭挙上、肺野での呼吸音聴診、胃への送気音を聴取しないこと)は完全に信頼できるわけではない。呼気中のCO2検出か食道挿管検知器具による。気管チューブ位置の二次確認は認識されていない食道挿管の危険を減少させる。チューブ位置が正しいかどうか疑問があれば、喉頭鏡を使用しチューブが声帯を通過しているかどうかを直接見る。
先端が主気管支にあるか気管内にあるかを鑑別するための二次確認の方法はない。心停止におけるチューブ位置確認の最適の方法については不十分にしか検討されておらず、どの器具も他の確認方法より優れているという証拠はない176。初期設置後のチューブ位置を確認する器具の能力を定量化するデータはない。
食道挿管検知器具(esophageal detector device; EDD)は、大きいシリンジのプランジャーを引くか、圧縮された自在球を膨張させることによって、気管チューブの端に吸引力を作るものである。軟骨で支持された堅い気管からなる下気道に置かれた気管チューブからは容易に空気が吸引される。チューブが食道にあるときは食道が虚脱するので、空気を吸引することができない。一般に食道挿管検知器具は循環のある時もない時もどちらでも信頼性が高いが、喘息、気管分泌物が過剰、病的肥満、妊娠後期などでは吸引時に気管が虚脱することがあり、判断を誤りうる133,177-180。
CO2検出器は肺から呼出された呼気中CO2濃度を測定するものである。6回の換気後もCO2が検出される場合は気管チューブの先端が気管・主気管支にあることを示す181。気管チューブ先端が気管分岐部の上に正しく留置されているかどうかを確認するには両側中腋窩線での聴診が必要である。自己循環のある傷病者では、呼気中CO2の非検出は、チューブが食道にあることを示す。心停止中、肺血流が少なくCO2が十分排出されないことがあり、(この場合)CO2検出器が正しく留置された気管チューブを感知しないかもしれない。心停止でCO2が検出された場合は、チューブが気管か主気管支にあることは確かであるが、呼気中CO2が乏しいときは、食道挿管検知器具が気管チューブの最も良い位置確認法である。電子式のものあるいは単純かつ安価な色調表示式のものなど、様々なCO2モニタ−や探知器を病院内外で利用することができる。
輪状軟骨圧迫
バッグマスク換気と挿管操作の間、訓練された介助者が行う輪状軟骨圧迫により、胃内容の逆流とそれに続く肺への誤嚥の危険を防ぐことができる。輪状軟骨圧迫が不正確に実施されるか、または過度の力が加われば、換気や挿管は困難となるだろう128。換気が可能でないなら、輪状軟骨に加えた力を減少させるか、圧迫をやめてしまう(remove it completely)。もし傷病者が嘔吐したら、直ちに輪状軟骨圧迫を解除する。
気管チューブの固定
気管チューブの偶然的な移動はいつでも起こりうるが、一番多いのは蘇生中および搬送中と考えられる。気管チューブを固定するための最も効果的な方法はまだ決定していないが、従来法であるテープやバンド(ties)による固定か、気管チューブホルダーのいずれかを使用する。
輪状甲状間膜切開
バッグマスクで呼吸停止傷病者に換気することも、気管チューブや代替の気道確保器具を挿入することも不可能なことが時にある。これは浮腫・異物による喉頭部の閉塞や重症顔面外傷で起こることがある。こういった状態では、輪状甲状間膜穿刺か外科的輪状甲状間膜切開を行うことにより酸素の供給を行えば、救命できるかもしれない。気管切開は時間がかかり危険で、高度の外科的技能と器具を必要とするので、緊急時には禁忌である。
外科的輪状甲状間膜切開は、準待機的気管挿管か気管切開が実行されるまでの間、傷病者を換気することができる確実な気道確保法である。輪状甲状間膜穿刺は一時的な処置であり、短時間にとどめるべきである。穿刺には大径でねじれない(non-kinking)カニューレが必要で、また高圧の酸素を必要としバロトラウマ(圧外傷)の危険がある。特に胸部外傷では効果がない場合がある。また、カニューレのねじれがおこりやすいため酸素化が得られず、患者搬送時には不適当である。
この話題は以下の項目に分かれている。すなわち、心停止の治療中に用いられる薬剤、切迫心停止期に用いられる抗不整脈薬およびその他の薬剤、輸液そして薬剤投与経路である。薬剤に関する正確な情報を提供するために、これらのガイドラインであらゆる努力が払われているが、おそらく関連する製薬会社からの資料が最も新しいデータを提供しているであろう。
心停止での緊急管理にはほんの数種類の薬剤だけが適応とされており、それらの使用を支持する科学的エビデンスには限りがある。薬剤投与は、最初の除細動(適応がある場合に)の後、また胸骨圧迫と人工呼吸が開始された後にのみ考慮すべきである。
2005年のコンセンサス会議(2005 Concensus conference)でレビューされた、心停止の管理に関連する3つの薬剤群がある。すなわち血管収縮薬、抗不整脈薬、そしてその他の薬剤である。最善とされる静脈路以外の薬剤投与経路についてもレビューされ議論された。
血管収縮薬
ヒトの心停止中のどの段階でも、血管収縮薬をルーチンに使用することで生存退院が増加することを示すプラセボ対照試験はこれまでのところない。心肺蘇生の主要目的は自己循環の復帰まで、重要臓器への(訳者註:最小限必要な)血流を維持することである(to re-establish blood flow to vital organs)。ヒトの心停止におけるデータが不足しているにも関わらず、血管収縮薬は心肺蘇生中の脳および冠灌流を増加させる手段として推奨され続けている。
アドレナリン(エピネフリン)対 バソプレシン。アドレナリンは 40年もの間、心停止の治療に用いられてきた主要な交感神経様作用薬であった182。主な作用はαアドレナリン作用による血管収縮効果であり、これによって全身の血管収縮が起こり、冠および脳灌流圧が上昇する。しかしながら、アドレナリンの作用(変力・変時)によって冠
および脳血流が増加するかもしれないが、同時に心筋酸素消費量、異所性の心室性不整脈(特に心筋がアシドーシスである場合)、そして肺動静脈シャントによって一時的な低酸素血症を来たすことで、それらの利点が相殺されてしまう。
アドレナリンのβ作用がともすれば有害となることから、代わりになる血管収縮薬が探求されて来た。バソプレシンは自然に分泌される抗利尿ホルモンである。これはきわめて高用量では平滑筋 V1受容体を刺激することで作用する、強力な血管収縮薬である。心停止におけるバソプレシンの重要性は、病院外心停止患者についての研究で、蘇生に成功した患者においてバソプレシン濃度が高いということで最初に認識された183,184。臨床研究185,186や動物実験187-189では、心停止での蘇生の際にアドレナリンの代わりにバソプレシンを用いることで血行動態変数の改善が実証されており、すべてではないが、いくつかの研究186では生存率が改善することが示されている190,191。
1996年に心停止におけるバソプレシンの初めての臨床使用について報告され、この薬が有望であることわかった。アドレナリンによる標準的な治療で反応しない心停止患者についての研究で、バソプレシンは8人の患者すべてにおいて自己循環を再開させ、うち3人は神経学的後遺症なしに退院した。その翌年、同じグループが病院外での心室細動症例について小規模ながら行った、無作為化試験の論文を発表した。その報告では、バソプレシンで治療した群のほうがアドレナリンで治療した群に比べて、蘇生成功率や24時間後の生存率が有意に高かった192。これら2つの研究結果を受けて、アメリカ心臓病協会(AHA)は、バソプレシンを除細動に反応しない心室細動の成人症例におけるアドレナリンの代替薬として推奨した182。(訳者註:また)上記2つの小規模な研究が成功したのを受けて、院内193および院外194における心停止に対するバソプレシンとアドレナリンを比較するための、大規模な無作為化試験が行われた。両研究とも、患者を最初にバソプレシンを投与する群とアドレナリンを投与する群に無作為に割り付け、最初の薬剤に反応しない場合の救済としてアドレナリンを用いた。両研究とも、最初の血管収縮薬バソプレシン40U193(一方の研究194では同量を繰り返し投与)はアドレナリン(1mgの繰り返し投与)と比較して、心拍再開(ROSC)率や生存率の改善を示すことはできなかった。病院外での心停止に関する大規模研究194では、post-hoc解析によって、心静止患者のサブグループにおいて生存退院は有意に改善したことが示されたが、神経学的後遺症のない生存には差がなかった。
5つの無作為化試験のメタ解析195では、バソプレシンとアドレナリンを比較しても心拍再開(ROSC)、24時間以内の死亡および退院前の死亡に関して統計学的有意差を認めなかった。初期リズムで分けたサブグループ解析でも、退院前の死亡率に関して統計学的有意差を認めなかった195。
2005年コンセンサス会議の参加者は、このエビデンスから得られるべき治療勧告について徹底的に議論した。プラセボ対照試験が不足しているものの、アドレナリンは心停止における標準的な血管収縮薬となっている。どのような心停止調律においても、アドレナリンの代わりにもしくはアドレナリンとともにバソプレシンを使用することを推奨する、またはこれに反対するための十分なエビデンスは現時点ではないということで同意した。診療上、アドレナリンは今でも、すべての波形分類の心停止の治療において最も重要な(primary)血管収縮薬であるとして支持されている。
アドレナリン
用量。心停止時のアドレナリンの初期静脈内投与量は1mgである。血管路(静脈内または骨髄内)の確保が遅れるかできないときは2〜3mgを滅菌水10mLで希釈し気管チュ−ブから投与する。気管ルートからの薬剤吸収はバラツキが大きい。
難治性の心停止患者に対してより高用量のアドレナリンを使用することを支持するエビデンスはない。一部の例では蘇生後にアドレナリンの持続点滴が必要になる。
自己循環再開後、過量のアドレナリン(1mg以上)は頻脈、心筋虚血、心室頻拍や心室細動を引き起こすことがある。灌流のある調律が再開した後、さらにアドレナリンが必要だと考えられるときは、適切な血圧を維持するように注意して用量を調節する。ほとんどの低血圧患者では通常、50〜100μgの静脈内投与で十分である。コカインや他の交感神経系刺激薬に関連して起こった心停止では、注意してアドレナリンを使用する。
用法。アドレナリンは以下の2種類の希釈濃度のものが一般的である。
これら両希釈製剤とも、ヨーロッパ諸国で日常的に用いられている。
様々な他の昇圧薬(例えばノルアドレナリン)が心停止治療のためのアドレナリンの代替薬として、実験的に用いられて来た。
血管収縮薬と同様に、抗不整脈薬が心停止時に有用であるというエビデンスはほとんどない。ヒトの心停止において生存退院を増加させる抗不整脈薬はないが、アミオダロンは生存入院を増やす事が示されている89,90。ヒトにおける長期的な転帰のデータ(human long-term outcome data)は不足しているが、心停止での不整脈治療に対する抗不整脈薬の使用は有用であるとする報告が否定的な報告よりも多い。
アミオダロン。アミオダロンは膜安定型の抗不整脈薬であり、心房および心室心筋の活動電位の持続と不応期を延長させる。房室伝導は遅くなり、同様の効果は副伝導路においてもみられる。アミオダロンは軽度の陰性変力作用を持ち、非競合的α遮断作用による末梢血管拡張をもたらす。アミオダロンの経静脈的投与によって起こる低血圧は投与速度に関連があり、薬剤そのものよりも、溶媒(Polysorbate 80)がもたらすヒスタミン遊離によって起こる197。比較的副作用が少ない水溶性アミオダロン製剤の使用が奨められるが、今のところはまだ入手しにくい198,199。
初めの3ショック後にも継続するショック不応性のVFに対するアミオダロンの投与は、プラセボ89やリドカイン90と比較して短期の転帰指標である生存入院率(the short-term outcome of survival to hospital admission)
を改善する。アミオダロンはまた、VFや血行動態が不安定なVTをおこしているヒトもしくは動物に投与することで除細動に対する反応を改善させるようである198-202。単回通電(single shock)により治療する時、アミオダロンの適切な投与時期について示すエビデンスはない。これまでの臨床研究では、アミオダロンは少なくとも3回のショック後もVF/VTが持続している場合に投与されている。この理由によって、またその他のデータが欠けていることにより、300mgのアミオダロン投与は3ショック後もVF/VTが持続している場合に勧められる。
適応。アミオダロンは以下の場合に適応となる。
投与量。3回目のショック後にもVF/VTが持続する場合、20mLの5%ブドウ糖に希釈した(もしくはプレフィルドシリンジ製剤を使用)300mgのアミオダロンを静注による初回投与量(an initial intravenous dose)として考慮する。アミオダロンは末梢静脈に投与すると血栓性静脈炎を起こすことがあるので、最初から中心静脈カテーテルが入っている場合にはそこから投与する。しかし、そうでない場合には太い末梢静脈を用い、十分にフラッシュするようにする。他の不整脈を治療するためにアミオダロンを使用する場合の詳細は第4章fに記載されている。
臨床での使用。アミオダロンは皮肉なことに(paradoxically)不整脈を引き起こすことがあり、QT間隔を延長させる薬剤と同時に投与すると特にそうである。しかしながら、同じ環境下では他の抗不整脈薬に比べて催不整脈効果が低い。アミオダロンの主な急性の副作用として低血圧と徐脈があるが、薬剤投与のスピードを落とせば予防できるし、もし起こっても輸液や強心薬で治療できる。長期にわたる経口投与で起こる副作用(甲状腺機能異常、角膜の微細沈着物、末梢神経障害、肺・肝の浸潤)は、急性期に考慮する必要はほとんどない(are not relevant in the acute setting)。
リドカイン
2000年のILCORガイドラインの出版まで、リドカインは選択されるべき抗不整脈薬であった。(しかし)アミオダロンとの比較研究90でリドカインはその座から降ろされ(displaced it from this position)、現在ではアミオダロンが利用できない時にだけ推奨される。アミオダロンはすべての院内での心停止および救急隊員が随行する(attended by ambulance crew)院外での心停止において、使用できるようでなければならない。
リドカインは筋細胞の不応期を延長させることによって働く膜安定性の抗不整脈薬である。心室の自動能を減少させ、その局所的な麻酔作用が心室の異所性活動を抑制する。リドカインは不整脈を発生させている脱分極した組織の活動を抑制するが、正常な組織の電気的活動への干渉は最小限である。従って、脱分極に関連した不整脈(例えば虚血、ジギタリス中毒)の抑制には有効であるが、正常に分極した細胞による不整脈(例えば心房細動・粗動)にはあまり効果がない。リドカインには心室細動に対する閾値を上げる働きがある。
リドカイン中毒では感覚異常、傾眠傾向、意識混濁や、けいれんに進展する筋収縮などを引き起こす。一般にリドカインの安全な投与量として、最初の1時間に3mg kg-1を超えてはならないと考えられている。もし中毒の徴候が見られたら、注入をすぐに中止する。(また、)痙れんがみられるようならその治療を行う。リドカインは心筋機能を低下させるが、アミオダロンに比べるとその程度はより軽い。心筋の機能低下は通常一過性で、輸液(intravenous fluids)か血管収縮薬によって治療できる。
適応。難治性のVF/VTに用いる(アミオダロンが使用できない時)。
投与量。アミオダロンが使用できない場合、3ショックで反応しないVF/脈なしVTに対して初期量100mg(1〜1.5 mg kg-1)のリドカイン投与を考慮する。必要なら50mgの追加投与を行う。最初の1時間で投与総量が3 mg kg-1を超えないようにする。
臨床での使用。リドカインは肝臓で代謝され、心拍出量低下や肝疾患、高齢などのために肝血流が減少している場合には半減期が延長する。心停止の間は正常な薬物代謝機能が働かないので、1回の投与でも高い血中濃度に達するかもしれない。24時間の持続投与の後では、血漿での半減期は著明に延長する。そのような状況では投与量を減量し、定期的に治療継続の適応があるかどうか検討する。リドカインは低カリウム血症や低マグネシウム血症では効果が弱いので、速やかにそれらを補正するべきである。
硫酸マグネシウム
マグネシウムは多くの酵素系で重要な成分であり、特に筋でのATP生成に関わっている。マグネシウムは神経化学伝達において、アセチルコリンの放出を低下させたり運動神経終板の感受性を減らすなどの主要な役割を持っている。マグネシウムはまた、気絶心筋(訳者注)の収縮反応を改善させ、まだ十分に解明されてはいないものの何らかのメカニズムで梗塞のサイズ拡大を予防する203。血漿マグネシウム濃度の正常範囲は0.8〜1.0mmol L-1である。
低マグネシウム血症はしばしば低カリウム血症と同時に認められ、不整脈や心停止の原因となる。低マグネシウム血症では心筋でのジゴキシンの取り込みが増加し、細胞のNa/K-ATP ase活性が低下する。低マグネシウム血症か低カリウム血症もしくはその両者を認める患者では、治療濃度のジギタリスであっても心臓毒性を示してしまう。マグネシウム欠乏は入院患者においても稀ではなく(is not uncommon in hospitalised patients)、頻繁に他の電解質異常、特に低カリウム血症、低リン血症、低ナトリウム血症そして低カルシウム血症を合併する(frequently coexists)。
マグネシウムが低いとわかっている状態でのマグネシウム投与は有用である事が分かっているが、心停止においてルーチンにマグネシウムを投与すること(giving magnesium routinely)が有用かどうかは不明である。成人での病院内外における研究では、CPR中にマグネシウムをルーチン投与することが心拍再開の比率を増加させることを示せなかった91-95,204。難治性VFにはマグネシウム投与が有益であろうという報告はいくつかある205。
適応。硫酸マグネシウムは次の病態において投与される。
投与量。ショック不応性VFの際は静注の初期量である2g(4mL(8mmol)の50%硫酸マグネシウム液)を末梢静脈から1〜2分かけて投与する。10〜15分後に繰り返してもよい。硫酸マグネシウム溶液の製剤(preparations)はヨーロッパの各国で異なっている。
臨床での使用。低カリウム血症のある患者は、しばしば低マグネシウム血症を合併している。もし心室性の頻脈が起きた時は、マグネシウムの静脈内投与は安全で効果的な治療である。急性心筋梗塞でのマグネシウムの役割については未だ分かっていない。マグネシウムは腎臓から排泄されるが、高マグネシウム血症による副作用は、腎不全の時でさえ稀である。マグネシウムは平滑筋の収縮を抑制し、血管拡張と用量依存性の低血圧を引き起こすが、通常一過性で静脈内輸液や血管収縮薬に反応する。
その他の薬剤
アトロピン
アトロピンは副交感神経の神経伝達物質であるアセチルコリンをムスカリン受容体において拮抗する。それ故、アトロピンは洞結節、房室結節において迷走神経を遮断し(blocks the effect of the vagus nerve)、洞結節の自動能を増し房室結節の伝導を促進する。
アトロピンの副作用は投与量に関係している〈複視、口渇、尿閉(and urinary retention)〉。(しかし)心肺停止中にこれらの副作用について考慮する必要はない。急性の錯乱状態が、特に高齢者で、静注後に起こるかもしれない。(なお)心肺停止後では、アトロピン単独で瞳孔散大を来たすことはない(dilated pupils should not be attributed solely to atropine)。
アトロピンの適応は
心静止、無脈性電気活動で脈拍数60 分-1未満の成人への推奨されるアトロピン投与量は1回3mg静注である。徐脈治療におけるアトロピンの使用に関しては第4章fに記載がある。院内および院外心停止に対してアトロピンを用いた最近のいくつかの研究174,216-210は、その利点を示すことができなかった。しかし心停止の予後は(本来)非常に重篤であり(asystole carries a grave prognosis)、一方で(and)アトロピン投与後に蘇生に成功したという逸話的な報告もある。この状況(心静止)においては(アトロピンは)有害ではなさそうである
テオフィリン(アミノフィリン)
テオフィリンはホスホジエステラーゼ阻害剤で、組織のcAMPを増加させ副腎髄質からアドレナリンを放出させる。変時および変力作用もある。徐脈性心静止患者におけるアミノフィリン使用については、限られた研究211-214ではあるが、自己心拍再開と生存退院の増加は認められなかった。同じ研究において、アミノフィリンで有害事象が起こるとも言えなかった。
アミノフィリンの適応は:
テオフィリンはアミノフィリンとして投与されるが、アミノフィリンはテオフィリンとエチレンジアミドの合成剤で、テオフィリン単剤よりも20倍溶解しやすい。
テオフィリンは治療域が狭く、適切な血中濃度は10〜20mg L-1(55〜110mmol L-1)である。この濃度以上では、不整脈、痙攣といった副作用が起こるが、特に急速静注した場合に起こりやすい。
カルシウム
カルシウムは心筋収縮の細胞レベルでの機序において根本的な役割を果たしている。(しかし)ほとんどの心停止例において利点があるとするデータはほとんどない。投与後に血中濃度が上昇することは虚血心筋に対しては有害であろうし、脳蘇生も障害するだろう。PEAでは次に示す特別な場合にのみ、蘇生中にカルシウムを投与する。
10%塩化カルシウム(6.8mmol Ca++)の1回10mLの投与を、必要なら繰り返してもよい。カルシウムは脈拍を遅くするし、催不整脈性もある。心停止においては、カルシウムは急速静注しても良い。自己心拍があるのであればゆっくり投与する。カルシウム溶液と重炭酸ナトリウムを同じ輸液ルートから同時に投与しない。
緩衝剤
心停止においては呼吸性および代謝性アシドーシスが同時に起こるが、前者は肺でのガス交換が行われないこと、後者は嫌気性細胞代謝が行われることによる。心停止における酸血症(アシデミア)への最善の対処方法は胸骨圧迫である。(また)換気にも多少の追加的な効果がある(some additional benefit is gained by ventilation)。もしCPR中あるいは蘇生後において、動脈血ガス分析でpHが7.1未満(あるいはBEが-10mmol L-1以下)なら、少量の重炭酸ナトリウム(8.4%溶液50mL)の投与を考慮する。CPR中、動脈血ガス分析は解釈を誤る(may be misleading)可能性があるし、組織の酸塩基平衡とはほとんど関連がない(bear little relationship)96。重炭酸イオンはCO2となり、細胞内に急速に広がる。これにより以下のことが起こる。
軽度のアシド−シスでは末梢血管の拡張が起こり脳血流量を増加させる。それ故、動脈血pHを完全に正常化してしまうのは特に緊急の場面においては、理論的に脳血流量を減らすことになる。重炭酸イオンは肺を通じてCO2として排出されるため、換気を増やす必要がある。これらの理由により、代謝性アシドーシスに重炭酸ナトリウムを投与するのは正当化されにくい。
いくつかの動物実験や臨床研究で心肺停止中に緩衝剤を使用することが調べられた。臨床研究ではトリボネートか重炭酸ナトリウムが緩衝剤として使われたが何の利点も示されなかった216-210。臨床的に利点が見いだされた研究は1つ221だけで、その研究は重炭酸ナトリウムを病院前救護(EMS)において、より早期にまたより頻繁に用いれば、有意に高い自己心拍再開(ROSC)率、生存退院率を、そしてより良い長期的な転帰をもたらすとしている。動物実験では多くは結論が出せていないが、いくつかの研究では三環系抗うつ薬や短時間作用性ナトリウムチャネル遮断薬(第7章b)による心毒性(血圧低下、不整脈)への対処に重炭酸ナトリウムを用いるのが良いとされている。心肺停止中、心肺蘇生中(特に院外心停止)、自己心拍再開後に、重炭酸ナトリウムを常に使用するのは推奨されない。致死的な高カリウム血症、高カリウム血症による心肺停止、重症の代謝性アシドーシス、三環系抗うつ薬の過量投与において重炭酸ナトリウムの投与を考慮する。50mmol(8.4%溶液50mL)を静注する。必要に応じて同量を追加投与するが、治療方針を決めるために(動脈血か中心静脈血の)酸塩基分析を行う。高濃度の重炭酸ナトリウムが血管外に漏れ皮下投与になると重度の組織障害が起こりうる。重炭酸ナトリウム溶液はカルシウム塩と混合すると、重炭酸カルシウムができてしまうので混合できない。
心肺蘇生中の血栓溶解
成人の心肺停止は血栓による冠動脈閉塞の結果起こる急性心筋梗塞によることが多い。いくつかの報告によれば心肺停止中に、特に心肺停止が肺塞栓によるものである場合には、血栓溶解剤を使って蘇生に成功する場合がある。冠動脈、肺動脈の血栓を破壊(break down)するために血栓溶解剤を用いることはいくつかの研究の対象になって来た。血栓溶解剤は動物実験において心肺蘇生中の脳血流に良い効果をもたらすことが示され223,224、(また)臨床研究では心肺蘇生中に血栓溶解剤を用いると低酸素性脳障害が少ないと報告された225。
いくつかの研究で、標準的な治療に反応しない非外傷性心肺停止中に血栓溶解剤を使うことについて調べた。2つの研究では生存退院には有意な差がないが自己心拍再開例が増加した97,226とされ、更に踏み込んだ研究では集中治療室での生存が増加することが示された225。少数の一連の症例報告227は標準的治療に抵抗性のVF、PEA患者に対して血栓溶解剤を使用することで生存退院した3例についても報告している。逆に1つの大きな臨床研究228では、PEA(心電図学的には未分類、undifferentiated PEA)による院外心停止患者で初期治療に反応しなかった場合に血栓溶解剤を使用しても何ら重要な効果が示されなかった。肺塞栓が疑わしいか、肺塞栓と確定した心肺停止患者に投与した場合については2つの研究229,230で利点があることが示され、このうち1研究では24時間後の生存率が改善した229。いくつかの臨床研究97,226,229,231や症例報告227,230,232-234では非外傷性心肺停止の蘇生中に血栓溶解剤を使用しても出血の副作用は増加することは示されてはいない。
非外傷性心肺停止の間に血栓溶解剤を常に(ルーチンに)用いることを勧告するには不十分な臨床データしかない。血栓溶解剤の使用を考慮するのは心停止が急性肺塞栓と証明されるか疑われる場合である。血栓溶解療法は成人の心停止においては、その心停止が急性血栓によると疑われた患者において初期標準的治療が上手くいかなかった場合に、症例ごとにその適否を検討した方が良い。CPR中の患者であることで血栓溶解療法の禁忌にはならない(Ongoing CPR is not a contraindication to thrombolysis)。
急性肺塞栓症で心肺蘇生中に血栓溶解療法を行うことで、60分を超える心肺蘇生を必要とする場合でも、生存率と良好な神経学的予後が報告されている。もし血栓溶解剤がこのような状況下で使用されれば、さらに60〜90分のCPRを継続することを考慮しなくてはならない235,236。
輸液
循環血液量の減少は心停止において十分可逆的な原因である。循環血液量の低下が疑われるときは急速輸液を行う。蘇生の初期段階においては膠質液を用いることに明確な利点はないので、生理食塩水かハルトマン氏液を使用する。デキストロースは避けなくてはならないが、それは血管内から再分布し高血糖を惹起するためである。高血糖は心停止後の神経学的予後を悪化させる237-244。
心停止中に常に(ルーチンに)輸液を行うべきかということについては議論がある。循環血液量が減少していない心停止に対して輸液を常に行うのと輸液をしないのと比較した、ヒトでの研究はない。4つの実験的に心室細動を起こした動物実験245-248では輸液をする方が良いともしない方が良いとも言えなかった。循環血液量の減少がなければ、過度の容量負荷は有害とされる。輸液は末梢から投与された薬剤を大循環(the central circulation)に送るのに使われなくてはならない。
薬剤投与の他のルート
末梢静脈路が確保できなければ、蘇生薬を骨髄から投与しても十分な血中濃度が得られる。いくつかの研究が示すところによれば、骨髄内経路は安全で、輸液負荷による蘇生(fluid resuscitation)、薬剤投与、検査結果に関して問題がない78,249-255。骨髄内経路は歴史的には主に小児で用いられるが、成人にも有効である。
気管チューブからの薬剤投与
蘇生薬は気管チューブからも投与できるが、血中濃度はさまざまで静脈内投与、骨髄投与の場合よりも実質的には低い。
アドレナリンを静注量の3〜10倍多く投与しないと静注と同じ血中濃度は得られない79,80。CPR中、肺は正常の10〜30%しか灌流されないから、結果としてアドレナリンが肺に残ることになる。気管チューブから多量のアドレナリンを投与した後心拍出量が元に戻れば、肺から肺循環へ長時間にわたってアドレナリンの再吸収が起こることになり、高血圧、悪性の不整脈、心室細動の再発が起こりうる80。リドカインおよびアトロピンも気管チューブから投与できるが、この場合も十分な血中濃度が得られるかどうかは確実でない256-258。もし静脈ルートの確保に時間がかかったり確保できなければ、骨髄内経路を考慮しなくてはならない。気管チューブからの投与は血管内投与(静脈ルート、骨髄内ルート)に時間がかかるか、それができないときに行う。気管内に投与するのは気管チューブに直接投与するのと比較しても利点はない256。生理食塩水の代わりに蒸留水を使って希釈した方が薬剤の吸収がよく、酸素化能の低下もきたしにくい85,259。
心肺蘇生の技術と器具
高頻度胸部圧迫
高頻度(毎分100回より多く)に用手的あるいは器具を用いて胸骨圧迫を行うと血行動態が改善するが、長期的な転帰(longterm outcome)は変化しない261-265。
開胸心マッサージ
開胸心マッサージでは従来の胸骨圧迫よりも高い冠灌流圧が得られ266、外傷性心停止(第7部i参照)、心臓胸部手術後267,268(第7部h参照)や外傷に対する手術時などで、胸部または腹部(経横隔膜的到達法)が開いている時の心停止には適応になりうる。
間歇的腹部圧迫(IAC-CPR)
IAC-CPRは胸骨圧迫を緩めたときに腹部を圧迫するものである269,270。これにより心肺蘇生中の静脈灌流を増やし271,272、自己心拍再開率を上げ短期予後を改善する273,274。1つの研究では院外心停止患者で標準的な心肺蘇生と比較して生存退院が改善された274が、ほかの研究では何の利点も見られなかった275。心肺蘇生のための器具には以下のものがある。
能動圧迫-減圧心肺蘇生法(Active Compression-Decompression CPR)
ACD-CPRは吸引カップがついた手で使える器具で、胸骨圧迫をしていないときにも前胸部を持ち上げることができる。圧迫解除時に胸腔内圧を下げることで心臓への静脈灌流を増やしまた心拍出量を増加させ、結果として胸部圧迫時の冠灌流圧と脳灌流圧を上昇させる276-279。ACD-CPRによる結果は様々である。いくつかの臨床研究においては標準的な心肺蘇生と比較してACD-CPRで血行動態が改善したとするものもある173,277,279,280が、別のものではそうでないとするものもある281。ACD-CPRは院外心停止後の長期的な転帰を改善した。3つの無作為試験280,282,283において、ACD-CPRは院外心停止後の長期生存率を改善したが、5つの別の無作為試験では有意差を認めなかった284-288。ACD-CPRの効果は訓練の質と期間に強く影響される(highly dependent)289。
院外心停止患者に対する10の臨床研究と院内心停止患者に対する2つの臨床研究を合わせたメタ分析では、ACD-CPRが標準的な心肺蘇生法よりも短期的および長期的な転帰において優れているとは言えなかった290。2編の死後の研究では従来の心肺蘇生法と比較して肋骨、胸骨骨折がより多いとされた291,292が、他の研究では差は見られなかった293。
インピーダンス閾値弁(Impedance threshold device, ITD)
ITDは胸骨圧迫の間で胸部が戻るときに(during chest recoil)肺への空気の流入を制限するバルブである。これにより胸腔内圧が低下し心臓への静脈灌流量が増加する。カフ付き気管チューブとACD-CPRを同時に使用すれば294-296、ITDは ACDで能動的に胸骨圧迫を解除する際に相助的に働き(act synergistically)、静脈灌流をさらに増加させる。ITDは気管チューブやマスク換気で従来の(ACD無しの)心肺蘇生を行うときにも用いられてきた297。もし救助者が隙間無しにしっかりマスク保持を実施できていれば、ITDは気管チューブを使用しているときと同様に胸腔内圧の低下をもたらす297。
院外心停止患者における2つの無作為試験では、ITDを加えたACD-CPRは標準的な心肺蘇生法単独の場合と比較して自己心拍の再開と24時間後の生存率が改善された296,298。標準的な心肺蘇生を行っているときには、ITDはPEAによる院外心停止患者において24時間後の生存率を改善した297。
ピストン式自動心臓マッサージ機による心肺蘇生法(Mechanical piston CPR)
ピストン式自動心臓マッサージ機はバックボードに乗せた空気駆動式のプランジャーで押すことにより胸骨を圧迫する。いくつかの動物実験299,300では、器械式ピストンによる心肺蘇生で呼気終末CO2分圧、心拍出量、脳血流量、平均動脈圧、短期の神経学的転帰が改善した。ヒトによる研究でも呼気終末CO2分圧と平均動脈圧の改善が、従来の心肺蘇生法と比較して認められた301-303。
ルンド大学心停止システム(LUCAS)によるCPR
ルンド大学心停止システム(LUCAS)は空気駆動式の胸骨圧迫器具で積極的に胸骨圧迫の圧を緩めるためのカップが付いている。人における従来の心肺蘇生法と比較した無作為試験はない。心室細動を起こしたブタにおける研究が示すところではLUCASによる心肺蘇生は従来の心肺蘇生法と比較して血行動態と短期生存率を改善した304。(一方)LUCASは20人の患者に使用されたが、不十分な結果しか得られなかった304。ブタを用いた別の研究では、従来の蘇生法と比較してLUCASによる心肺蘇生法では脳血流量と心拍出量が増加した305。LUCASは搬送中も除細動中も継続して胸骨圧迫ができる。
器械によるピストン式の心肺蘇生またはLUCASによる心肺蘇生は長時間の心肺蘇生(prolonged CPR)が必要な場合は特に有効かもしれない。(この)長時間の心肺蘇生は病院への輸送中、低体温306や中毒に伴う心停止などの場合に必要となる。
胸部全周圧迫式バンドまたはベストによる胸部全周圧迫式心肺蘇生法
Load-distributing band(LDB)は胸部全周を巻く圧迫装置で空気駆動式にバンドとバックボードを締める器具である。LDBを使った心肺蘇生は血行動態を改善する307-309。ケースコントロール研究が示すところでは院外心停止患者に対してLDB心肺蘇生を行うと救急部門への生存入院率が改善した310。
胸部腹部交互圧迫式心肺蘇生法(Phased thoracic-abdominal compression-decompression CPR, PTACD-CPR)
PTACD-CPRはIAC-CPRとACD-CPRの概念を合わせたものである。PTACD-CPRは手で持ち運べるサイズで(a hand-held device)、
胸骨圧迫および腹部圧迫解除と、胸骨圧迫解除および腹部圧迫を交互に変化させる器具を用いる。成人心停止患者における1つの無作為試験ではこの方法でも生存率は改善しなかった311。
低侵襲直接的心臓マッサージ(Minimally invasive direct massage)
低侵襲直接的心臓マッサージ(MIDCM)は2〜4cmの胸部切開部から小さなプランジャーのような器具を挿入して行う。1つの臨床研究によればMIDCMで標準的心肺蘇生法を凌駕する血圧の改善が見られたが、この器具により心臓血管外科術後患者において心臓破裂を起こした312。この器具の製造は中止された。
心停止による死亡率や予後を改善するための戦略には、心停止以外の重症不整脈の予防と治療が含まれる。不整脈は心筋梗塞の合併症として広く認識されている。それらは心室細動へ移行して、除細動が成功するかもしれない。この章に示された治療法のアルゴリズムは、専門家ではないALSプロバイダーが緊急時に患者に安全で有効な治療ができることを目指している。そのため、できるだけ単純化したアルゴリズムとなっている。もし患者が多くの治療方法(経静脈または経口の薬物)が選択可能である緊急事態以外の場合は、専門家以外にはなじみがないであろう。そのような場合は、心臓内科医などの適切な専門知識を有している医師からの助言を得る時間があるだろう。
より詳細な不整脈治療の情報は以下のサイトにある。
すべての場合に、不整脈を評価する間に酸素を投与し静脈ルートを確保する。可能な限り12誘導心電図を記録すること。これは治療前やその後であっても正しい診断や、専門家の助言をもらうために有用である。またK、Mg、Caなどの電解質異常があれば補正しておく。
重篤な徴候や自覚症状の有無はほとんどの不整脈に対する適切な治療を決定する要因である。以下に述べる要因は不整脈によって患者が不安定になっていることを示す。
心リズムと重篤な徴候の有無を診断した後、緊急処置には大まかに3つの選択がある。
すべての抗不整脈治療(理学的処置、薬剤、電気的治療)は、催不整脈作用を持つ。そのため治療が無効であるばかりか、臨床的な症状の悪化を起こすかもしれない。その上、多種類の抗不整脈薬を使用したり1種類でも高用量で用いた場合は、心筋抑制や低血圧を生じる。それは心波形の悪化を起こす。頻拍症を洞調律へ移行させる抗不整脈薬は心カルディオバージョンに比べて効果発現が遅く、また確実性に乏しい。このため、抗不整脈薬は重篤な徴候のない安定した患者では控えられがちであり、重篤な徴候のある緊急患者では一般にカルジオバージョンが用いられる。
不整脈が適切に治療されたら、12誘導の心電図を再検査して長期治療が必要な異常を検索する。
徐脈は厳密には60 分-1以下の心拍数で定義される。しかし、絶対的な徐脈(40 分-1以下)と患者の循環動態に対して不適切に遅い相対的徐脈とを分けることが理にかなっている。徐脈の診断の第一段階は患者が不安定かどうかを決定することである(図4.11)。以下に述べる重篤な徴候は不安定と評価される。
もし重篤な徴候があればアトロピン500mcgを静脈投与する。必要により3〜5分おきに繰り返し、総量は3mgまでとする。アトロピンの投与量が500mcg以下のときは、逆に心拍数が減ることもある313。健康なボランティアによる研究では3mgの投与量で安静時心拍数を最大に上昇した314。急性冠虚血や心筋梗塞時にはアトロピンを注意深く使うこと。心拍数の増加は心筋虚血を悪化させ、梗塞範囲を増大させる可能性がある。アトロピンで満足できる反応が得られたり、患者が安定していれば、次に行うことは心静止の危険性を評価することである。それは以下がその危険因子である。
房室ブロックは1度、2度および3度に分類される。そして急性心筋梗塞や心筋炎による構造的な異常と同様に、多種類の薬剤や電荷質異常を伴っている。1度の房室ブロックはPR間隔の延長(0.20秒以上)で定義され、多くは良性である。2度の房室ブロックはMobitz I型、II型に分けられる。Mobitz I型においてブロックは房室結節で生じ、しばしば一過性で症状を伴わないかもしれない。Mobitz II型ではブロックは多くは房室結節以下のHIS束や脚で生じ、しばしば症状を伴い、完全房室ブロックに移行する可能性がある。3度の房室ブロックは房室解離として定義され、原因疾患により永続したり一時的であったりする。
心ペーシングは心静止の危険性がある時、患者が不安定なとき、アトロピンで十分な反応が得られないときに必要となる。このような状態では決定的な治療は経静脈的ペーシングである。必要な人員や設備が整うのを待つ間に、患者の状態を改善するために以下のような治療を行う。
症状のある徐脈にはドパミン、イソプレナリン(*訳者注:イソプレナリンは本邦にはない薬剤で、本邦ではイソプロテレノールがこれに相当する)、テオフィリンなどの他の薬剤も使用する。ベータ遮断薬やカルシウムチャネル遮断薬が徐脈の原因と考えられるときにはグルカゴンの静脈投与を考慮する。心移植患者にはアトロピンを投与しない。逆説的に高度房室ブロックや洞停止を生じる。
狭いQRS幅の完全房室ブロックはペーシングの絶対適応ではない。なぜなら房室接合部の異所的ペースメーカー(狭いQRSを伴う)が適切な安定した心拍数をもたらすからである。
(患者の循環動態に比べて不適切に遅い相対的除脈を含む)
経皮的ペーシング。アトロピンが無効またはこれに反応しない場合または患者が重度な症状を呈しているとき、特に高度ブロック(Mobitz II型 2度や3度の房室ブロック)の場合はすぐに経皮ペーシングを開始する。経皮ペーシングは痛みが強い上に、有効な心筋収縮が得られないことがある。心筋収縮を確かめ、患者の状態を再評価する。痛みを取るために鎮痛薬や鎮静薬を使用する。そして徐脈性不整脈の原因解明に努める。
Fist(拳)ペーシング。もしアトロピンが無効で経皮ペーシングがすぐに使用できない場合、ペーシング機器を待つ間、手拳(fist)ペーシングを試みてもよい316-318。閉じた拳による胸骨左下縁へのリズミカルな一連の打撃により50〜70/分の生理学的な心拍数に調節する。
以前のERCガイドラインにはそれぞれ独立した3つのアルゴリズムがあった。すなわち、広いQRS幅の頻拍、狭いQRS幅の頻拍および心房細動のアルゴリズムである。切迫心停止状態(the peri-arrest setting)においては、治療法の基本方針の多くは全ての頻拍症に共通である。従って数々のアルゴリズムは単一の頻拍症アルゴリズムに統合された(図4.12)。
頻拍が原因となって患者の徴候や症状が不安定であったり増悪するようであれば(例えば、意識障害、胸痛がある、心不全、低血圧や他のショック徴候)、直ちに同期性カルディオバージョンを試みる。それ以外の正常心の患者においては、心室拍数(ventricular rate)が150回/分未満では重篤な徴候や症状を起こすことは滅多にない。心機能不全状態や重篤な併発症を伴う患者は150回/分より少ない心拍数でも、症状を訴えたり不安定状態となろう。(電気的)カルディオバージョンで同調律への回復に失敗しその患者が不安定であれば、アミオダロン300mgを10〜20分かけて静脈内投与をし再びカルディオバージョンを試みる。アミオダロンの負荷投与量(loading dose)に引き続いて900mgの持続投与を24時間かけて行う。連続DCショックは再発する(数時間あるいは数日以内に)発作性(自然停止する)の心房細動には適していない。このことは不整脈を引き起こす持続的な悪化因子(precipitating factors)(例えば、代謝障害や敗血症)を有している重篤な患者においては、比較的一般的である。カルディオバージョンは引き続き起こる不整脈を予防しない。もし再発するようなら、薬剤で治療する。
同期性電気的カルディオバージョン
心房性あるいは心室性頻拍症を変化させるために電気的カルディオバージョンを行う場合、ショック(通電)は心電図上のT波よりむしろR波に同期させねばならない。このように相対性不応期を避けることで、心室細動を引き起こす危険性を最小限にする。意識のある患者は同期性カルディオバージョンが試行される前に、麻酔あるいは鎮静をする。QRS幅が広い頻拍症や心房細動に対しては、単相性なら200J、二相性なら120〜150Jで開始し、効果がなければ漸増して行く(第3部参照)。心房粗動や発作性上室性頻拍症はしばしばより低いエネルギーに反応しやすく、単相性なら100J、二相性なら70〜120Jで開始する。
安定している頻拍(頻拍による重篤な徴候や症状がない)の患者で病状が増悪していなければ、12誘導心電図で波形の解析をし、治療法を選択し決定する(determine treatment options)時間がある。(対応する)ALSプロバイダーに心電図を正確に診断する専門的知識(expertise)がないこともありうるが、(少なくとも)洞性頻脈やQRS幅が狭い上室性頻拍、QRS幅が広い頻拍を鑑別できなければいけない。もし患者が安定していれば、通常に専門家に相談する時間はある。もし患者の状態が不安定になれば、直ちに同期性電気的カルディオバージョンに進む。重篤な合併症と症候性頻脈を有する患者の管理では、合併症の治療が必要である。
広いQRS幅の頻拍症
広いQRS幅の頻拍では、QRS幅は0.12秒より長くたいていは心室起源である。変行伝導を伴った上室性の調律でも広い QRS幅の頻拍になるが、切迫心停止期における不安定な患者では頻拍症は心室起源と仮定する。広いQRS幅の頻拍で安定している場合、次の段階はそのリズムが規則的か不規則かを判断することである。
規則的な広いQRS幅の頻拍 規則的な広いQRS幅の頻拍は心室頻拍か脚ブロックを伴った上室性頻拍の可能性が高い。安定した頻拍であればアミオダロン300rを20〜60分かけて静脈内投与を行い、その後900rを24時間かけて持続投与する。広いQRS幅の整な頻拍が脚ブロックを伴った上室性頻拍と思われたら、狭いQRS幅の頻拍に指示されている手順(the strategy indicated for narrow-complex tachycardia)(後述)でアデノシンを投与する。
不規則な広いQRS幅の頻拍 不規則な広いQRS幅の頻拍はほとんどが脚ブロックを伴った心房細動であるが、(もし必要であれば専門家による)慎重な12誘導心電図解析によって調律を特定する診断ができる。また心室の早期興奮を伴った(WPW症候群患者における)心房細動の可能性もある。脚ブロックを伴った心房細動におけるよりも、QRS幅の形や幅にさらに多くの多様性が存在する。3つ目の可能性としては多形成心室頻拍(例えば、トルサードドポアンツ)があるが、多形性心室頻拍で臨床症状(adverse features)を伴わないことはまずありえない。
不規則な広いQRS幅の頻拍の評価と治療には専門家の助けを求める。脚ブロックを伴った心房細動を治療する場合には心房細動として治療する(後述)。早期興奮型心房細動(あるいは心房粗動)であれば、アデノシンやジゴキシン、ベラパミル、ジルチアゼムを用いない。これらの薬剤は房室結節を遮断し、早期興奮状態を増強させてしまう。通常、電気的カルディオバージョンがも最も安全な治療法となる。
トルサードドポアンツ型の心室頻拍に対しては直ちに、QT間隔を延長させると知られているすべての薬剤を中止する(treat torsades de pointes VT immediately by stopping all drugs・・)。特に低カリウム血症などの電解質異常の補正をする。硫酸マグネシウムを10分間かけて2g、静脈内投与する319,320。一旦正常化された不整脈の再発を予防する上で、他の治療法(例えばオーバードライブペーシング)の適応があるかもしれないので、専門家の助けを求める。もし(しばしばみられるが)悪事象が生じるようなら、直ちに同期性カルデイオバージョンを実施する。もし無脈性となったら、直ちに除細動を試みる(心停止アルゴリズム)。
狭いQRS幅の頻拍症
規則的な狭いQRS幅の頻拍症には以下のものがある。
不規則な狭いQRS幅の頻拍症はほとんどたいていは心房細動かあるいは時々多様な房室伝導を有する心房粗動(“多様性ブロック”)である。
規則的な狭いQRS幅の頻拍症
洞性頻拍 洞性頻拍は運動や精神的な不安のような刺激に対する一般的な正常の反応である。病的な患者においては疼痛や発熱、貧血、血液喪失、心不全のような各種の病態(stimuli)に対する反応として現れる。治療のほとんどは通常、その根底にある原因に向けられる。(これに対し、)これら多くの刺激に対する反応としての洞性頻拍に対しレートコントロールする試みは、事態を悪化させることになる。
房室結節リエントリー性頻拍と房室回帰性頻拍(発作性上室性頻拍) 房室結節リエントリー性頻拍は発作性上室性頻拍の最も一般的なタイプであり、しばしば他に心疾患を有しない患者で見られ、また切迫心停止期には比較的少ない。これは規則的な、QRS幅が狭い頻拍症の原因であり、心電図上明らかな心房性活動がはっきりせず、またたいていは安静時の心拍数の正常範囲(60〜120回 分-1)以上の心拍数となる。それは関連付けられる(coincidental)器質的心疾患や冠動脈疾患がなければたちの悪いものではない(It is usually benign, unless・・)が、時に患者を脅かすような(重篤感のある)症状をもたらすことがある(may cause symptoms that the patient finds frightening)。
房室回帰性頻拍はWPW症候群の患者に見られ、たいていは付加的な器質的な心疾患がなくても発症する。通常型房室回帰性頻拍は規則的な狭いQRS幅の頻拍症であり、しばしば心電図上で明らかな心房性活動がわからない。
規則的な房室伝導を有する心房粗動(しばしば2:1伝導) 規則的な房室伝導を有する心房細動(しばしば2:1伝導)は規則的な QRS幅が狭い頻拍症を形成するが、その中で心房性活動を見つけたり、確信を持って粗動波を同定したりすることは困難である。したがって最初は房室結節性リエントリー性頻拍あるいは房室回帰性頻拍との区別は難しい。2:1伝導の心房粗動あるいは1:1伝導の心房粗動でさえ、脚ブロックを伴っていれば規則的な広いQRS幅の頻拍となり、心室頻拍と区別することは通常、非常に難しい。この波形はVTとして治療すれば通常は有効であり、心室反応を遅くしてリズムの同定ができる。最も典型的な心房粗動は約300回 分-1の心房レートを持ち、2:1伝導であると150回 分-1の頻拍を呈することとなる。もっと速いレート(170回 分-1かそれ以上)の心房粗動は2:1伝導ではないであろう。
規則的な狭いQRS幅の頻拍症の治療 もし患者が不安定で不整脈を原因とする臨床症状を呈する(unstable with adverse features caused by the arrhythmia)なら、同期電気的カルディオバージョンを行う。不安定な規則的な狭いQRS幅の頻拍症において、同期性カルディオバージョンの準備をしている間にアデノシンを投与することは理にかなっている。しかし、もしアデノシンで洞調律に戻らなかったら、遅滞なくカルディオバージョンを行う。悪影響を及ぼす症状を伴わなければ、以下のように治療する。
不規則な QRS幅が狭い頻拍症
不規則な狭いQRS幅の頻拍症はほとんどが無秩序な心室への反応を伴った心房細動であるが、ごく稀に多様性の房室ブロックを伴った心房粗動もある。リズムを特定するために12誘導心電図を記録する。不整脈による悪い影響が出ている不安定な状態なら、同期性電気的カルディオバージョンを行う。
悪い影響がなければ、治療の選択は以下の通りである。
個々の患者にとっての最適な治療法を決めるために、専門家の助けを求める。心房細動が長く持続すればするだけ心房内血栓ができやすくなる。一般には48時間以上続いている心房細動は十分な抗凝固療法がなされるか、あるいは経食道心エコーで心房内血栓がないことが確認されなければ、(電気的であろうと薬物的であろうと)カルディオバージョンで治療しない。心拍数のコントロールが目的であれば、β遮断薬321,322やジゴキシン、ジルチアゼム323,324、マグネシウム325,326を用いたり、あるいはこれらを併用する選択肢がある。
心房細動の持続時間が48時間以内であり波形を正常化させることが妥当と考えられたら、アミオダロンの使用を考える
(300rを20〜60分かけて静脈内投与し、その後900rを24時間かけて持続投与)。イブリチドやフレカイニドもリズムの正常化のために用いられるが、この目的でこれらの薬剤を使用する前に専門家の助言を仰ぐ。この状況下では電気的カルディオバージョンも選択肢の1つあり、薬理学的カルディオバージョンよりも多くの患者の洞調律を回復させるであろう。
心房細動の患者で心室早期興奮(WPW症候群)を有しているとわかっている、あるいはわかった場合は、専門家の助言を求める。早期興奮性心房細動や心房粗動の患者にはアデノシンやジルチアゼム、ベラパミル、ジゴキシンを用いない。これらの薬剤は房室結節をブロックすることで、相対的に早期興奮状態を増強させてしまうからである。
アデノシン
アデノシンは生体内で生成されるプリンヌクレオチドである。房室結節の伝達を遅延させるが、他の心筋細胞や伝導経路にはほとんど作用を及ぼさない。房室結節を含むリエントリー回路を有する発作性上室性頻拍(AVNRT)の停止に著明に効果を示す。他のQRS幅が狭い頻拍においては、アデノシンは心室への反応を遅くして潜在する心房性リズムを明かにする(reveal the underlying atrial rhythms)であろう。アデノシンは半減期が10〜15秒と極端に短いため、速く流れる静注路に急速投与するか、投与した後に生理食塩水でフラッシュする。効果的と思われる最小量は(初回投与としてはいくつかの承認された投与量と異なる)6mgであり、もし効果がなければさらに12mgを1〜2分かけて2回まで追加投与できる。患者には一過性に不快な副作用、特に嘔気、顔面紅潮、胸部不快があることを注意しておく(Patients should be warned of・・)327。アデノシンはヨーロッパの一部の国々では使用できないが、その代わりアデノシン三リン酸(ATP)がある。ヨーロッパの数カ国ではどちらも使用できないが、(その場合)ベラパミルがおそらく次善の選択薬であろう。テオフィリンやその誘導体はアデノシンの効果をブロックする。ジピリダモールやカルバマゼピンを服用中の患者や除神経心(移植心)の患者では著しく効果が増強され、危険である。これらの患者、あるいは中心静脈内に投与する場合には、アデノシンの初期投与量を3rに減量する。WPW症候群を有する場合、アデノシンによって房室結節の伝導をブロックしてしまうと副伝導経路の伝導を促進することになる。上室性頻拍が存在する場合には、危険な程に速い心室の反応を来すかも知れない。WPW症候群が存在する場合、稀であるが、アデノシンが危険な程に速い心室の反応を伴う心房細動を引き起こすことがある。
アミオダロン
静注用アミオダロンはナトリウム、カリウム、カルシウムの各チャンネルに効果があり、α及びβ(アドレナリン)遮断特性もある。静注用アミオダロンの適応は以下の通りである。
アミオダロンは患者の状況や血行動態の安定度に応じて、300mgを10〜60分かけて静脈内投与する。この負荷投与量(loading dose)に続いて、24時間かけて900mgの持続投与を行う。追加投与量は150rであるが、再発性あるいは抵抗性の不整脈などでもし必要であれば、製造業者の推奨する最大量1日計2gまで投与可能である(この許容最大量は国によって異なっている)。重度な心機能低下がわかっている患者では、心房性、心室性の不整脈に対しては他の抗不整脈薬よりも静注用アミオダロンのほうが望ましい。アミオダロンの主の副作用は低血圧と徐脈であるが、薬物注入速度を緩徐にすることで予防できる。アミオダロンによって引き起こされる低血圧は血管作動性溶剤(ポリソルベート80とベンジルアルコール)が原因である。アミオダロンの新しい液剤(aqueous formation)はこれらの溶剤を含んでおらず、リドカイン同様低血圧を起こすことはない。アミオダロンは可能な限り、中心静脈カテーテルから投与するべきである。(というのは、)末梢静脈に投与すると血栓性静脈炎を起こすからである。緊急時には太い末梢静脈から投与する。
カルシウムチャンネル遮断薬:ベラパミルとジルチアゼム
ベラパミルとジルチアゼムは房室結節の伝導を遅延させ不応性を増強させるカルシウムチャンネル遮断薬である。ジルチアゼム注射薬はいくつかの国では使えない。これらの薬の作用は、いろいろな心房性頻拍患者のリエントリー性不整脈を停止させ、心室の反応速度をコントロールすることである。適応は以下の通り。
ベラパミルの初期投与量は2.5〜5mgを2分かけて静脈内投与する。治療に反応せず、また薬物に惹起される悪事象がなければ、15〜30分毎に5〜10mgを最大20mgまで繰り返し投与する。ベラパミルはQRS幅が狭い発作性上室性頻拍や上室起源と確認されている不整脈の患者にのみ投与するべきである。
ジルチアゼム250μg kg-1と引き続き2回目として投与する350μg kg-1にはベラパミルと同等の効果がある。ベラパミルと程度は小さいがジルチアゼムは心筋収縮力を減弱させ、重度の左室機能障害を有する患者では危険なほど心拍出を低下させる。アデノシンの項で述べられた理由(上述)により、カルシウムチャンネル遮断薬を既知の早期興奮性(WPW)症候群に関連した心房細動や心房粗動の患者に投与することは有害と考えられている。
β遮断薬
β遮断薬(アテノロール、メトプロロール、ラベタロール(αとβ両方の遮断効果あり)、プロプラノロール、エスモロール)は体内循環しているカテコールアミンの効果を減弱させ、心拍数を減らし血圧を下げる。また急性冠症候群患者に対し、心筋保護効果も有する。β遮断薬は以下のような頻拍症に適応がある:
アテノロール(β1)の投与方法は5rを5分間かけて静注し、必要なら10分後に繰り返す。メトプロロール(β1)は2〜5rを総量15rまで5分間隔で投与する。プロプラノロール(β1とβ2効果)は総量0.1r kg-1を、2〜3分間隔で3等分して緩徐に投与に静注する。
エスモノ−ル注射液は短時間作用型(半減期が2〜9分)のβ1選択性β遮断薬である。0.5mg kg-1を1分間かけて投与し、その後0.05〜0.2 mg kg-1 min-1で持続投与する。
β遮断薬の副作用は徐脈、房室伝導遅延および低血圧である。βアドレナリン遮断薬の使用禁忌は2度あるいは3度房室ブロック、低血圧、重症のうっ血性心不全そして気管支れん縮を伴う肺疾患である。
マグネシウム
マグネシウムは心房細動における心拍数のコントロールに対して用いる326,328-330。10分かけて硫酸マグネシウムを2g(8mmol)投与する。必要なら1回繰り返すことができる。
自己心拍の再開(ROSC)は心停止から完全回復に向かう第一歩に過ぎない。蘇生後の治療は最終転帰に重大な影響を及ぼすことが予想される237,331が、現在までのところ、この時期の治療に関するデータは比較的少ない。イギリスにおいて心停止から自己心拍再開がしてICUに入室した患者22,105人のうち、生きてICUから退室できた患者は9,974人(45%)であり、生存退院できた患者は6,353人(30%)であった(ロンドンの集中治療監査研究センター(Intensive Care National Audit and Research Center, ICNARC)における1995年12月より2004年10月までのデータから)。神経学的後遺症の全くない正常な脳の機能を回復させるためには、安定した心臓のリズムと正常な循環動態が必要であり、さらには個々の患者に見合った蘇生が必要である。蘇生後期は自己心拍再開が達成されたその場所から始まるが、ひとたび状態が安定するとモニタリングや治療を継続するために最適な高度治療の行える場所(例えば、ICUやCCU)に移される。
適切な治療にすぐ反応し心停止の時間が短時間で済んだ患者では、すぐに正常な脳機能を回復する可能性がある。このような患者では気管挿管や人工呼吸を必要とすることはないが、フェイスマスクでの酸素投与を行う。低酸素血症や高炭酸ガス血症のいずれも、その後のさらなる心停止発生の可能性を高め、二次性脳損傷を引き起こす原因となりうる。意識障害を伴った患者に対しては気管挿管をし、鎮静下での人工呼吸管理を考慮する。気管チューブが気管分岐部の上方の適切な位置にあることを確認する。低炭酸ガス血症は脳血管を収縮させ脳血流を減少させる332。心停止後に過換気によって生じる低炭酸ガス血症は脳虚血を引き起こす333-336。心停止からの蘇生後に動脈血CO2分圧に関してどの程度の値を目標にするかというデータはないが、呼気終末CO2値と動脈血ガス値をモニターしながらCO2濃度が正常になるように換気調節をすることが最も妥当と思われる。(また)適切な動脈血酸素飽和度を維持できるように吸入酸素濃度を調節する。
胃管を挿入し胃の減圧を行う。口対口法あるいはバッグバルブマスクによる人工呼吸によって胃は拡張し、横隔膜が固定され換気の障害となってしまうからである。咳をさせないようにする。咳は頭蓋内圧を上昇させ一過性の低酸素血症を起こすからである。適量の鎮静剤を投与する。またどうしても必要なら、筋弛緩剤を投与する。胸部レントゲン写真を撮影し、気管チューブや中心静脈ラインなどの位置を確認、肺水腫の有無の評価をし、肋骨骨折による気胸などの心肺蘇生に伴う合併症を検索する。
冠動脈閉塞の根拠があれば、直ちに血栓溶解や経皮的冠動脈インターベンションによる血管再開通の必要性を考慮する(第5部 急性冠症候群
心停止後においては循環動態が不安定になるのが通常であり、低血圧や低心拍出係数、不整脈などの徴候が現れる337。この、蘇生後における心筋の機能障害(あるいは気絶心筋、myocardial stunning)はたいてい一過性であり、通常は24〜48時間以内に回復する338。蘇生後期には血中サイトカイン濃度の著明な上昇が見られ、それが敗血症様の症状や多発臓器不全のような形で現れる339。
右室充満圧を上昇させるために輸液が必要となるかも知れないし、一方で左室不全の治療のために利尿薬や血管拡張薬が必要となるかも知れない。ICUにおいては、動脈ラインを留置して持続的に血圧をモニタリングすることが必須であり、非侵襲的あるいは侵襲的(肺動脈カテーテルによる)心拍出量モニターは有用であろう。心停止後の転帰に関して血圧がどのような影響を与えるかを評価した無作為化試験はほとんどない。ある無作為化研究によると、自己心拍再開の5分後に平均動脈血圧を100mmHgより高くした群と100mmHg以下にした群の間に神経学的転帰に有意差はないと示されている。しかし心拍再開後、最初の2時間の血圧を高めにしたほうが良好な機能回復が得られた340。確固たるデータがない中、その患者の正常血圧を考慮した上で、平均動脈血圧の目標値を適度な尿量が得られるくらいの血圧値に設定する。
心停止直後には、たいてい高カリウム血症の期間がある。その後の内因性のカテコラミンの放出がカリウムの細胞内への輸送を促進し、低カリウム血症を引き起こす。低カリウム血症により心室性不整脈が起こりやすくなる。血清カリウム濃度が4.0〜4.5 mmol L-1を維持するように、カリウムを投与する。
脳循環
自己心拍再開直後には脳血流量が増加する時期がある341。しかし再還流後15〜30分もすると脳全体の血流は低下し、全体的に低灌流状態となる。正常な脳血流の自動調節能が失われ、脳灌流は平均動脈圧に依存するようになる。このような状況下においては、低血圧は脳血流量を著明に減少させ神経障害を悪化させてしまうだろう。よって、心拍再開後においては、平均動脈圧をその患者の正常レベルに維持しなければならない。
鎮静
心拍再開後24時間までは患者を鎮静し人工呼吸を行うことは一般的に行われて来たが、心停止後に人工呼吸や鎮静、筋弛緩をどのくらいの期間行うかに関する確かなデータはない。鎮静と人工呼吸の継続時間に関しては低体温療法を行うかどうかにも左右される(下記参照)。鎮静が転帰に影響するかどうかを示すデータはないが、短時間作用型の鎮静剤(例えば、プロポフォールやアルフェンタニル、レミフェンタニル)のおかげで、早期に神経学的評価を行うことが可能となっている。病院前心停止あるいは院内心停止後で48時間以上鎮静を継続した場合には、肺炎発症の頻度が増加する342。
痙攣のコントロール
心拍再開した成人患者の5〜15%で痙攣とミオクローヌス、もしくはそのどちらかが発症し、さらにそれらの約40%は昏睡のまま回復しない343。痙攣が起こると脳の代謝は最大4倍にまで増加する。痙攣が持続すると脳損傷を引き起こす可能性があるため、ベンゾジアゼピンやフェニトイン、プロポフォール、バルビツール塩などを使って痙攣をコントロールする。これらの薬剤はそれぞれ低血圧を引き起こす可能性があり、低血圧に対しては適切に対処しなければならない。痙攣やミオクローヌスそれ自体はさほど転帰と関係してはいないが、痙攣重積状態、特にミオクローヌス重積状態は転帰不良と相関している343,344。
体温コントロール
異常高熱の治療:心停止後最初の48時間における高体温(異常高熱)はよくあることである345-347。体温が37℃を超えると、1℃上昇するごとに神経学的転帰が不良となる危険性が増す348。全脳虚血動物モデルにおいては、解熱剤と身体冷却法もしくはそのどちらかを用いることで脳梗塞の体積が減少した349,350。心停止後最初の72時間に生じる高体温に対しては、解熱剤あるいは積極的な冷却で治療する。
低体温療法:軽度低体温療法は再灌流障害に伴う多くの化学反応を抑制すると考えられている。これらの反応には、次々にミトコンドリア障害やアポトーシス(プログラムされた細胞死)へと導く可能性のある、フリーラジカルの産生
や興奮性アミノ酸の放出、カルシウムの細胞内への移動などが含まれる351-353。2つの無作為化臨床試験によると、心室細動による院外心停止から蘇生されたが昏睡状態の成人患者を心拍再開後、数分から数時間以内に冷却した場合、良好な転帰を得たことが示された354,355。これらの研究では、対象者は12〜24時間32〜34℃まで冷却された。ある研究においては、初期リズムが PEA/心静止であった、院外心停止から心拍再開して冷却された成人の昏睡患者で、代謝面(乳酸と酸素摂取)での良好な結果が得られたことが示された356。ある少数例の研究では、心室細動によらない心停止から生存した昏睡患者において、低体温療法の有効性が示された357。
冷却を開始するには、体外冷却と体内冷却の併用もしくはそのどちらかの方法がある354-356,358-361。4℃の生理食塩水を30mg kg-1(訳者注:30 mL kg-1の誤りであろう)
点滴すると、核温が1.5℃低下する358,359,361,362。対外冷却法に比べ、血管内冷却法の方が核温をより精密にコントロールできるが、この方法で良好な転帰が得られるかどうかは不明である360,363-365。
軽度低体温療法の合併症には、感染症の増加、循環動態の変動、凝固異常、高血糖と低リン血症や低マグネシウム血症ほかの電解質異常などがある366,367。
心室細動による院外心停止後に自己心拍を回復した意識のない成人患者には、32〜34℃の低体温療法を施すべきである。冷却は出来る限り早期に開始し、少なくとも12〜24時間継続すべきである368-374。低体温療法は、除細動の適応とならない心波形による院外心停止、あるいは院内心停止から心拍が再開した意識のない成人患者においても有効かもしれない。ふるえ(シバリング)に対しては、適切な鎮静剤と筋弛緩剤で対処をする。筋弛緩剤は通常ボーラス投与するが、時に持続投与も必要となる。復温はゆっくり(1時間に0.25〜0.5℃)行い、高体温にならないようにする。最適な目標体温、冷却速度、低体温の持続期
間、復温速度などに関しては確定的なものはなく、さらなる研究が必要である。
血糖値のコントロール
心停止からの蘇生後の高血糖と神経学的に不良な転帰との間には強い相関関係がある237-244。脳卒中後においても、持続的な高血糖が神経学的転帰を悪化させる375-378。インスリンを用いた厳密な血糖コントロール(4.4〜6.1 mmol L-1あるいは80〜110mg dl-1)は重症な成人患者の院内死亡率を減少させる379,380が、心停止後の患者においては明確には証明されていない。その有効性は投与されたインスリンの量ではなく厳密な血糖コントロールによるものと考えられている381。ラットを用いた1つの研究で、窒息性心停止の後にブドウ糖とインシュリンを投与すると脳機能の転帰が改善することが示されている382。心停止後の血糖コントロールに関する、人間での無作為化比較試験は行われていない。重症者における目標とすべき最適な血糖値はまだ定まっていない。昏睡の患者では低血糖になっていても気がつかないという特別な危険があるが、目標とすべき血糖値が低ければ低いほど、この合併症の危険が増加する。
すべての重症患者と同様に、心停止後に集中治療室に入室した患者では頻回に血糖値をモニターし、高血糖はインスリンで治療する。インスリン治療を開始すべき血糖値や目標とすべき血糖値は、それぞれの(地域や施設の)方針で決定する。心停止後の血糖コントロールに関する研究が必要である。
蘇生後ひとたび心波形と心拍出量が安定した場合には、個人の生存に最も影響を与えるのは脳である。院外心停止患者で、
ICUに入室した後に死亡した患者の2/3は神経障害の結果死亡する383。院内心停止患者でICUに入室した後に死亡した患者の場合、その1/4は神経障害によって死亡している。自己心拍再開直後に、個々の患者に施行可能な神経学的転帰を予測できる手段が必要である。そのような予後予測のテストには100%の特異度が必要である。
臨床的なテスト
生化学的なテスト
血清中の神経特異エノラーゼ(NSE)とS-100b蛋白が心停止後の転帰を判断するのに有用である可能性がある237,243,244,387-399。しかし、データを示している臨床試験の95%信頼区間(95%CI)は広く、多くの研究では意識が回復しただけで(機能レベルに関するコメントなしに)転帰"良好"とされている。この主題に注目した唯一のメタ解析によれば、5%の疑陽性率で95%の信頼区間を得るには、およそ600人の被験者を対象とした研究が必要であると推定されている400。このような大規模研究はこれまで行われておらず、個々の症例での転帰予測には上述したような生化学的評価は依然として信頼性に乏しい。
電気生理学的評価
心停止後少なくとも72時間昏睡状態にある正常体温の患者では、正中神経刺激による体性感覚誘発電位は100%の特異度で転帰不良を予測できる384。低酸素や無酸素が原因となっている昏睡患者において、誘発電位のN20成分が両側とも消失している場合は、一様に致命的である。心拍再開後少なくとも24〜48時間以内に脳波が記録されれば、限られてはいるが予後に関する情報が得られる401-413。脳波が正常であったり著明に異常であった場合には信頼性を持って転帰の予測ができるが、この両極端の場合を除いてその中間の脳波では予後予測の信頼性はない。
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■4b. 院内での蘇生(In-hospital resuscitation)
ということである。
傷病者を仰臥位としてから気道を開放する。■4c. 二次救命処置(ALS)による治療のアルゴリズム
(ALS treatment algorithm)
Shockable rhythms(ventricular fibrillation/pulseless ventricular tachycardia)
Non-shockable rhythms (PEA and asystole)■4d. 気道管理と換気
(Airway management and ventilation)
気道閉塞の原因
図4.3 気道閉塞の原因
程度のいかんを問わず気道閉塞が確認されたら直ちに、気道を開通させそれを維持する(create and maintain a clear airway)ための処置を行う。舌や他の上気道構造物によって起こった気道閉塞を改善する手技は3つある。頭部後屈、あご先挙上、そして下顎挙上である。
図4.4 頭部後屈とあご先挙上
図4.5 下顎挙上
図4.6 口咽頭エアウェイの挿入
自発呼吸が不十分もしくはみられない患者に対しては、可能な限り速やかに人工呼吸を行う。呼気吹き込み(救助呼吸)は効果的であるが、救助者の呼気中の酸素濃度は16〜17%しかないので、できるだけ速やかに酸素濃度の高い空気での換気に切り替える。口対口人工呼吸は器具を必要としない利点はあるとはいえ、特に吐物や血液のみられるときには感覚的に不快であり、救助者は面識のない傷病者との身体接触には気が進まないであろう118-121。心肺蘇生を行った救助者が感染症に罹患した報告は結核、重症急性呼吸器症候群(SARS)などの単発例があるのみである123。CPR中のHIVの伝染は報告されていない。単純な器具で人と人の直接接触を避けることができる。これらの器具の中には、患者と救助者との交差感染を減少させるものもある。もっともSARSを確実に防御するものではない123。蘇生用ポケットマスクは広く用いられている。ポケットマスクは麻酔用のマスクと似ており、口対マスク換気が行えるようになっている。このマスクには一方向弁が付いており、患者の呼気が救助者に向かわないようになっている。マスクは透明で患者の吐物や血液が見えるようになっている。酸素投与ができるように接続用コネクタが付いているマスクもある。コネクタのないマスクで酸素を用いたポケットマスク換気をするときは、マスクの下に酸素のチューブを通し空気が漏れないようにマスクを顔面にしっかり密着させる(ensuring an adequate seal)。患者の顔面とマスクを十分に密閉させるには両手法(a two-hand technique)を用いる(図4.7)。
図4.7 口対マスク人工呼吸
一回換気量や吸気流量が過剰ならば高い気道内圧が生じ、胃内へ送気しやすくなり、それによって胃内容逆流と誤嚥の危険性が高まる。胃内への送気の可能性は以下のことで増す。
バッグ・マスク装置は高濃度酸素での換気を可能にするが、1人で使用するにはかなりの技術を必要とする。フェイス・マスクと共に使用する場合、片手でバッグを押しもう一方の手でマスクと傷病者の顔との間から空気が漏れないように密着しつつ気道を確保することは、しばしば困難である124。この漏れは低換気の原因となり、気道が開通していない場合、ガスが胃に流入しうる125,126。胃に流入したガスはさらに換気を障害し、嘔吐と誤嚥のリスクを高める127。輪状軟骨圧迫はこの危険を減少させることができるが、十分に訓練された助手を要する。不適切な輪状軟骨圧迫は換気をより困難にするかもしれない128。
図4.8 二人法によるバッグ・マスク換気
ラリンジアルマスク Laryngeal mask airway(LMA)
図4.9 ラリンジアルマスク・エアウェイの挿入
図4.10(a) 食道に入ったコンビチューブ
・
図4.10(b) 気管に入ったコンビチューブ
■4e. 循環の補助(Assisting the circulation)
である。
・心静止
・アトロピン抵抗性の致死的徐脈
・高カリウム血症
・低カルシウム血症
・カルシウム拮抗剤の過量投与
・細胞内アシドーシスを助長する。
・虚血心筋に対して陰性変力作用を起こす。
・既に虚脱している循環、脳に対して多量のナトリウムを負荷し浸透圧を上昇させる。
・酸素解離曲線を左に移動させ、組織における酸素供給を阻害する。■4f. 切迫心停止期の不整脈
(Peri-arrest arrhythmias)
www.escardio.org
必要ならば、酸素投与、静脈路確保、12誘導心電図の記録を施行する。
図4.12 頻拍のアルゴリズム ■4g. 蘇生後のケア
(Post-resuscitation care)