ナースのためのコンピュ−タ通信講座 |
目 次
1980年,カリフォルニア大学バークレー校の人たちが,BSD版UNIXという計算機の基本ソフト(OS)を開発した.このOSにははじめからネットワークに必要な機能が付属していたため,これを用いて米国の各大学が接続されていった.キャンパスネットワークの普及が進むにつれ,各種企業,団体のネットワークも次々と相互に接続され,蜘蛛の巣を作るように世界中にネットワークが張りめぐらされていったのである.現在では71カ国,26,000以上のネットワークが結ばれており,利用者は推定3,000万人以上となっている.
インターネット上ではさまざまなサービスが自主的に運営されている.例えば,ある人が遠くの友人に電子メールを送った場合,メールはネットワークを次々とリレーされてその人の所まで届けられる.インターネットがパソコン通信と大きく異なる点がここにある.PC-VAN,NIFTYserveといったパソコン通信では,1つの大きな計算機に会員全員が接続し,その計算機との間でのコミュニケーションが持たれる.しかし,インターネットの場合は利用者はその気になれば世界中の無数の計算機と会話することができてしまうのである.
インターネットの中ではなんでもできるといわれる.それは音声,画像,文字などのデータを自由に送受信できるからである.情報はインターネットによって迅速に伝わるため,新しい技術が開発されるとすぐに,インターネットの中で利用できるようになっている.今後もどんどん新しいサービスがインターネットで生まれ使われていくことであろう.
WWWを利用すると情報提供者は最寄りの計算機に流したい情報を置くだけで,あとは見たい人が勝手に情報をとっていってくれる.一方情報を求めている人は,必要な時に必要な情報だけを自由に手に入れることが可能である.そのためこれまで情報提供者が宣伝にかけていた費用が大幅に削減されることになり,また情報の受け手にとっては時間に制約されることがなくなって,両者にとって大変都合がよくなった.
ブラウザのひとつ,ネットスケープを起動すると何も設定していない場合ネットスケープ社のホームページに接続される(図1).情報のありかを示す場所があらかじめ指定されているわけで,この情報のありかのことをURL(Uniform Resource Locater)という.直接URLを指定することも可能である.「リソース名 : //計算機名/パス名」という書き方をする.例えば市立宇和島病院をポイントする場合は,
http://www.uwajima-mh.go.jp/
とする.とっつきの悪い表記法であるが,コロンやスラッシュを打ち間違えるとまったくつながらないので注意が必要である.もっとも,ネットスケープの場合は簡単にwww.uwajima-mh.go.jpと指定するだけで当院の情報を得ることが可能になっている(図2).
画面に表示される文字にはところどころ違う色やアンダーラインがほどこされた部分がある.その部分をマウスでクリックすれば関連する次の情報が表示される.すなわちハイパーテキストといわれるMacではおなじみの仕組みが用いられている.異なるのは,その情報の蓄えられた場所が,自分のハードディスク内にとどまらず,全世界に散らばって存在する点である.
このようにWWWを使うと,だれもがインターネットの情報をマウスを使って次々と芋づる式に手に入れることができるようになる.これを波乗りにたとえ,ネットサーフィンと呼ぶ人たちもいる.
knitta@uwajima-mh.go.jp
アドレスの標記の仕方は
ユーザの名前@組織名.組織の種類.国名
となっている.uwajima-mhはUwajima Municipal Hospitalの略である.組織の種類にはco(企業),ac(大学),ad(ネットワーク管理組織),go(政府関係),or(これら以外の組織)があり,それぞれ2文字で識別される.
電子メールは相手が1人というのが基本であるが,何人かに同じ内容の手紙を送ることもできる.少ない人数のときは,メールアドレスを全部書けばすむ.しかし,人数が増えるとこの手間が大きくなる.複数のメールアドレスをグループにして,そのグループのメールアドレスに送って全員に届くようにしたものがメーリングリストである.これにより非公開のグループでの議論をすることができる.まただれでも参加できるようなメーリングリストもたくさんある.生活,趣味を同じくする人たちが集まって,さまざまな共通の話題についての情報交換が行われている.
3 インターネット
市立宇和島病院麻酔科 新田賢治
(エマージェンシー・ナーシング 9 (12): 1077, 1996)はじめに
インターネットの歴史と仕組み
WWW(World Wide Web)
電子メールとメーリングリスト
ネットニュース
終わりに