▼メモ:日本救急医療財団心肺蘇生法委員会と日本心肺蘇生法協議会(JRC)
「プレホスピタルケア」誌:
「治療」誌:
「蘇生」誌:
本特集の母体となったのは、インターネットを用いた救急医療関係者のメーリングリスト(eml)
上での「日本の心肺蘇生法は、なぜ統一されていないのだろうか」という議論であった。心肺蘇生法は、医療の原点というべき手技であるが、驚くべきことに、その方法について世界的に統一されたものはない。国内でも複数の組織が心肺蘇生法を指導しているが、手技の細部は組織によって違っており、現場に
少なからぬ混乱が起こっている事実は、否めない。
一方、今年8月には AHAの新しい心肺蘇生法ガイドラインが発表されることになっている。このガイドラインは、1992年以来、心肺蘇生法の事実上の国際的スタンダードづくりのために、世界各国の救急・
蘇生関係者が中心になって組織された国際蘇生法連絡委員会(ILCOR)でのディスカッションが下敷きに
なっているが、残念なことにこのILCORには、創立以来日本を含むアジア地区の代表は含まれていなかった。
このような背景の中で、emlメンバーのなかで、「日本の心肺蘇生法も、国際的な標準を踏まえて統一すべきではないか」という機運が高まり、インターネット上で、有志を募ってILCOR勧告の翻訳作業を行うとともに、昨年、今年とダラスで行われた AHAの会議(心肺蘇生法ガイドライン改訂に関するもの)に
代表を送るに至った。
本特集は、そんな活動の記録であり、また、現時点での心肺蘇生法の「潮流」である。この特集を
きっかけに、わが国でも多くの救急・蘇生関係者に、心肺蘇生法の統一について関心をもっていた
だければ幸いである。
【前書き】
国際医療センター 冨岡譲二