この度，日本セーフティプロモーション学会第14回学術大会を，2021（令和３）年３月21日（日）に，オンラインにより開催させていただくこととなりました。大会のテーマは「with コロナ社会をセーフティプロモーションから展望する」と致しました。
セーフティプロモーションは災害，事故，事件等による外傷を扱い，新型コロナ感染症を直接の対象ではないかもしれません。また，エビデンスを重視するセーフティプロモーションは，同感染症に関するエビデンスがある程度蓄積された後，本格的に社会貢献できるものと考えられます。
　しかしながら，同感染症は，既に，人々の生活，心身の健康，経済などに多大な影響を及ぼしており，社会は大きな転換を迫られているように見受けられます。セーフティプロモーションが対象としてきた課題も同感染症の影響を受けており，例えば，自殺，DV，虐待等について，増大や深刻化が指摘されています。また，医療，福祉が逼迫し外傷の増加，救命率の低下などが，セーフコミュニティ，セーフティプロモーションスクールなどの活動，不登校児への対応などに困難が，懸念されています。災害発生時の避難所生活も問題視されています。海外でも，ネット犯罪，いじめの増加などが指摘されています。
　同感染症は我々にとって未曾有の出来事であり，今後の見通しは不確かですが，日本セーフティプロモーション学会は，現在貢献できうることを明らかにし，今後に注視すべき課題やその動向，それらに対する方策について検討するタイミングにあるのではないかと考えます。そのため，講演，シンポジウムを企画し，一般口演では様々なテーマでご発表いただく予定です。
皆様へのご案内が遅れて申し訳ありませんが，本大会は，感染症及び社会の状況から，オンラインによる開催とさせていただきます。大会までのご準備，当日のご参加等に何かとご不便をおかけするかと存じますが，積極的なご参加，ご意見の交換をお願い申し上げます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大会長　兵庫教育大学大学院　西岡伸紀