ご挨拶
このたび、日本セーフティプロモーション学会第10回学術大会を、2016年12月10日(土)、11日(日)に、京都学園大学太秦キャンパス(京都市右京区)にて、開催させていただくことになりました。
今年は、学会設立から10年目、わが国最初のセーフコミュニティ(SC)が誕生して9年目を迎えます。昨年の第9回学術大会では、「もう一度、安全・安心を問う〜セーフティプロモーションの原点に立ち返って〜」がテーマで、大会長の反町吉秀先生からは、セーフティプロモーション(SP)の歴史を振り返り、SP活動が成果を生むための課題について展望していただきました。その中で、元々のSPには存在しなかったが、日本における安全・安心を確保するために必要な取り組みと、オリジナルなSPでは実現されていたが、日本におけるSP活動では不十分な取り組みが課題としてあげられ、また、SP、SC活動の傷害予防効果を適切に評価し活動にフィードバックすることの重要性などが指摘されました。日本セーフティプロモーション学会は、SPおよびSCを取り上げたわが国最初の学会であることより、今大会では、昨年度に引き続き、とりわけわが国に起きている事象や課題を整理して、今後に繋げたいと考えました。テーマは、「学会設立10年目 -未来に向けて-」としました。
大会1日目には、京都市民を対象にした公開講座として、特別講演「長寿社会とセーフティプロモーション」(鈴木隆雄先生:桜美林大学老年学研究科教授)および教育講演「自然災害から尊い命を守る -減災への努力-」(後藤健介先生:大阪教育大学准教授)を開催します。自然災害、特に地震やつなみに対する減災や、長寿社会における安全・安心のための取り組みなど、これらの領域で蓄積されている情報は、わが国から発信できる非常に貴重なものです。市民とともにその重要性をSPの観点で確認したいと思います。また、特別企画として、学会設立時から理事長の任にあられます衞藤隆先生から「学会設立から10年目を迎えて -これからの日本におけるセーフティプロモーションを考える-」、亀岡市自治防災課の松永恵理子様から「わが国最初のセーフコミュニティ亀岡から −その成果と課題-」をお話ししていただきます。
大会2日目は、教育講演「子どものライフスキルとセーフティプロモーション」(西岡伸紀先生:兵庫教育大学大学院教授)、協力講演「スポーツ外傷とそのリスクについて」(井口順太先生:京都学園大学健康スポーツ学科講師)の他、一般講演で大いに議論したいと思います。学生・大学院生の発表も大歓迎です。
年末の京都もなかなか風情があります。ただし、12月11日は京都亀岡ハーフマラソンに日程が重なってしまいました。“第10会学術大会を亀岡マラソン以上に熱く!”を合言葉に準備を進めて参ります。皆様のご参加をお待ちしております。
大会長 木村みさか (京都学園大学健康医療学部健康スポーツ学科 教授)
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