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2025年度東京都立青山高等学校実習_faq

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2025年度東京都立青山高等学校実習_faq [2025/12/02 14:29] oshikane2025年度東京都立青山高等学校実習_faq [2025/12/03 03:11] (現在) oshikane
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   * サンガー法の実験をしたい   * サンガー法の実験をしたい
-確かに教科書的にはサンガー法が出てきますが、今となっては自前でサンガー法を行うことは先ずありません。確かに原理理解しておくことは大学入試レベルではないですが、生命系の大学院入試には出題されることがあるので有用かもしれませんが、研究現場的にはサンガーシーケンスであれば外注に出してしまうことが殆どです。\\ +確かに教科書的にはサンガー法が出てきますが、研究現場では自前でサンガー法を行うことは先ずありません。\\ 
-当初はサンガーシーケンスといえば、RI(ラジオアイソトープ)で標識したDNAを大きなゲル板で電気泳動するのが一般的でした、2000年頃からキャピラリー電気泳動といって、サンガー法により剥がされたDNA1塩基ずつを細いキャピラリー内で電気泳動し、観察窓に到達した各塩基をそれぞれ検出する、という方法が主流になりました(現在でもサンガーシーケンスはキャピラリー電気泳動によって行われています:cf. https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/ce_basic_dna_gsd_ts_3-2/)。\\+**シーケンサー**と呼ばれる機器が、サンガー法をベースとして自動的DNA配列をall-in-oneで読んでくれてしまうためです。\\ 
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 +サンガー法の原理理解は大学入試レベルではな、生命系の大学院入試には出題されることがあるので有用かもしれません。\\ 
 +当初はサンガーシーケンスといえば、RI(ラジオアイソトープ)で標識したDNAを大きなゲル板で電気泳動するのが一般的でした。\\ 
 +しかし、2000年頃からキャピラリー電気泳動といって、サンガー法により剥がされたDNA1塩基ずつを細いキャピラリー内で電気泳動し、観察窓に到達した各塩基をそれぞれ検出する、という方法が主流になりました(現在でもサンガーシーケンスはキャピラリー電気泳動によって行われています:cf. https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/ce_basic_dna_gsd_ts_3-2/)。\\
  
 キャピラリー電気泳動を用いたサンガーシーケンスでは、RIの替わりに「蛍光色素」で以て標識を行っています。\\ キャピラリー電気泳動を用いたサンガーシーケンスでは、RIの替わりに「蛍光色素」で以て標識を行っています。\\
 したがって、現在ではサンガーシーケンスでは蛍光標識されたDNA鎖が必要になります。\\ したがって、現在ではサンガーシーケンスでは蛍光標識されたDNA鎖が必要になります。\\
 先ずA, T, C, Gそれぞれ蛍光標識したヌクレオチドを用意します。\\ 先ずA, T, C, Gそれぞれ蛍光標識したヌクレオチドを用意します。\\
-次に、一般的に「シーケンスPCR」と呼ばれる「片側プライマーのみのPCR」を行います。それによって、片側プライマーの相補鎖を鋳型として蛍光標識されたDNAが次々に重合していき、結果として「蛍光標識されたDNA鎖」が出来ます。\\ +次に、一般的に**「シーケンスPCR」**と呼ばれる「片側プライマーのみのPCR」を行います。それによって、片側プライマーの相補鎖を鋳型として蛍光標識されたDNAが次々に重合していき、結果として「蛍光標識されたDNA鎖」が出来ます。\\ 
-この蛍光標識されたDNA鎖をサンガー法に供する(シーケンサーという機器が自動的にサンガー法⇒電気泳動⇒検出までやってくれる)ことによって、DNA鎖が「読める」ということになります。\\+この蛍光標識されたDNA鎖をサンガー法に供する(上述のシーケンサーという機器が自動的にサンガー法⇒電気泳動⇒検出までやってくれる)ことによって、DNA鎖が「読める」ということになります。\\
  
-といった感じで、サンガー法はこの様に自動化されてしまっており、実習として行うには現実的ではないかなと思いました。\\ +といった感じで、サンガー法はこの様に自動化されてしまっており、実習として行うには現実的ではないかなと思いま。\\ 
-ただ、自動化されているといっても例えば「DNAシーケンスの波形がおかしい」など、実験上のトラブルシューティングはしなくてはならないですから、そういう意味では原理を一通り知っていることは、将来的に生命系の実験・研究を専門とするのであれば必要ではないか、とは思います。ただ大学受験ではそこまで問われともないと思いますので、「ふーん」で良いかとは思います。+ただ、自動化されているといっても例えば「DNAシーケンスの波形がおかしい」など、実験上のトラブルシューティングはしなくてはならないですから、そういう意味では原理を一通り知っていることは、将来的に生命系の実験・研究を専門とするのであれば必要ではないか、とは思います。\\ 
 +ただ大学受験では、サンガー法が出るとしてリード文付きと思いますので、資料集などを見て納得、くらいで良いのではないかと個人的には思います。
  
   * PCRをしたい   * PCRをしたい
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 恐らく、今後大学に進めば生物系であれば必ず1回はPCR実習があると思いますが、恐らく等電点電気泳動は中々ないと思います。\\ 恐らく、今後大学に進めば生物系であれば必ず1回はPCR実習があると思いますが、恐らく等電点電気泳動は中々ないと思います。\\
 同時に教員目線ですが、「生化学」で一番苦慮するのは生体高分子のpKaやpIといった箇所です。\\ 同時に教員目線ですが、「生化学」で一番苦慮するのは生体高分子のpKaやpIといった箇所です。\\
-例えば、医療応用としては「アルカリフォスファターゼ(ALP)のアイソザイムに対する検査法」があります。\\+ 
 +等電点電気泳動の医療応用としては「アルカリフォスファターゼ(ALP)のアイソザイムに対する検査法」があります。\\
 「同じ機能を有するがアミノ酸配列が進化的にアミノ酸配列が異なる酵素群」のことをアイソザイムといいます。\\ 「同じ機能を有するがアミノ酸配列が進化的にアミノ酸配列が異なる酵素群」のことをアイソザイムといいます。\\
 ALPは、ALP1:高分子型、ALP2:肝性、ALP3:骨性、ALP4:胎盤性、ALP5:小腸性、ALP6:免疫グロブリン結合と6種のアイソザイムがあることが知られており、「アミノ酸配列が異なれば等電点も異なる」ということを利用してALPの分離をすることで、各々の存在比を実験的に割り出すことが可能です。\\ ALPは、ALP1:高分子型、ALP2:肝性、ALP3:骨性、ALP4:胎盤性、ALP5:小腸性、ALP6:免疫グロブリン結合と6種のアイソザイムがあることが知られており、「アミノ酸配列が異なれば等電点も異なる」ということを利用してALPの分離をすることで、各々の存在比を実験的に割り出すことが可能です。\\
 それぞれのALPは疾病を示唆する指標になり得て、肝ガンや肝硬変、骨粗しょう症などを知る手掛かりとなります(cf. https://data.medience.co.jp/guide/guide-01040002.html)。\\ それぞれのALPは疾病を示唆する指標になり得て、肝ガンや肝硬変、骨粗しょう症などを知る手掛かりとなります(cf. https://data.medience.co.jp/guide/guide-01040002.html)。\\
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 +一般に測定や検査の原理は理解が難しいので、中々キチンと説明できる人が居ないと思います。\\
 +他方、インベンション・イノベーションには原理の理解が不可欠です。\\
 +大学受験にパスすることも勿論大切ですが、将来的に今回の体験が皆さんの中でインベンション・イノベーションの一助になればと願っています。
  
   * クローニングをしたい   * クローニングをしたい
2025年度東京都立青山高等学校実習_faq.txt · 最終更新: 2025/12/03 03:11 by oshikane