国立大学附属病院の災害対策に関する取り組みについてプレスセミナーを実施。
左から岡山大学病院宮脇卓也副病院長、千葉大学医学部附属病院宮崎勝病院長、名古屋大学医学部附属病院石黒直樹病院長
(2014年3月7日/プレスセミナーにて)
2014年3月7日、第2回定例記者会見とプレスセミナーが東京医科歯科大学M&Dタワー(東京都文京区)で開催されました。その内容についてご紹介します。
【日時】2014年3月7日(金)17:00~17:40
【会場】東京医科歯科大学 M&Dタワー 11階 大学院講義室3
~第2回定例記者会見について~
第2回定例記者会見の内容は次の通りです。
テーマ:
平成25年度第5回常置委員会報告「企業等からの資金提供の公表に関するガイドラインの策定」について
発表者:
国立大学附属病院長会議 常置委員長・千葉大学医学部附属病院長
宮崎 勝(みやざき まさる)
記者会見の内容:
より良い安全な医療を提供するために、臨床研究における産学官連携活動の重要性は一層増しており、社会からの信頼を損なうことなく産学官連携を促進していくために、国立大学附属病院長会議では、利益相反(Conflict of Interest)問題に対して、適切なシステムの構築と、国民の理解と協力を得て、企業や団体、個人からの資金提供状況を広く社会に公表することは、極めて重要であると考えます。
そこで国立大学附属病院長会議は、附属病院が公的機関として、企業等からの資金提供状況に係る透明性を確保し、高い倫理性を担保した上で社会の理解と協力を得て、産学官連携活動の適正な推進が図られることを目的として「企業等からの資金提供状況の公表に関するガイドライン」を策定することが決定しました。
第1回目の公表は、平成26年9月に、平成26年度分のうち公表可能なデータ(例えば4月~6月分)を、ガイドラインの考え方を踏まえて暫定公表する予定です。
それに先駆けて、3月7日に開催された「平成25年度 第5回常置委員会」において、ガイドラインの策定に関する中間報告が行われ、その内容の一部を定例記者会見で発表しました。
なお、「企業等からの資金提供状況の公表に関するガイドライン」 は2014年6月の国立大学附属病院長会議総会で決定する予定です。
~プレスセミナーについて~
今回のプレスセミナーは「国立大学附属病院の災害対策に関する取り組み」についての報告でした。
テーマ:
東日本大震災から3年
国立大学附属病院の災害対策に関する取り組み
将来像実現化WG委員長及び常置委員会 災害対策副担当 名古屋大学医学部附属病院長
石黒 直樹(いしぐろ なおき)
国立大学附属病院長会議 常置委員会 災害対策担当 岡山大学病院副病院長
宮脇 卓也(みやわき たくや)
プレスセミナーの内容:
2011年3月11日に発生した東日本大震災においては、津波によるインフラへの大規模な被災に伴い、医師等医療スタッフや医療物資の不足、医療機器の破損による医療提供の停滞など、想定外の被害に見舞われました。全国の国立大学附属病院では、それらに対応するべく発災直後より緊急医療支援活動として医師・看護師の現地派遣、医薬品・医療材料・飲食料の緊急輸送を始め、その後も複数大学病院によるリレー方式の被災地医療支援チームを継続的に現地に派遣するなどの活動を行いました。
これらの経験を、今後も起こるであろう災害時に備え、国立大学附属病院が果たすべき役割を検討するために、2011年6月に国立大学附属病院長会議のもとに災害対策担当を設置し、医療支援の在り方、災害に強い大学病院機能の構築などの課題に対応するための議論を進めることを目的として災害対策WGを設置しました。
そして災害対策WGでは、「時系列及び被災した側・支援する側という立場からの論点」、「ネットワークと国立大学附属病院の役割からの論点」、「備えるという視点からの論点」という3つの論点を中心に検討を重ね、具体的な取り組みとして、以下の4つを実施、計画しております。
まず「災害対策相互訪問事業」は、すでに2013年に大学病院間での相互訪問、相互チェックを終了し、その報告が本日の常置委員会で行われました。さらに本年度は、「防災マニュアルガイドラインの作成」、「災害対策のための医療情報バックアップ事業」、「国立大学附属病院と省庁との災害時連携シンポジウムの開催」の3つの取り組みを実施する予定です。
国立大学附属病院の災害対策に関する取り組みについてプレスセミナーを実施。
左から岡山大学病院宮脇卓也副病院長、千葉大学医学部附属病院宮崎勝病院長、名古屋大学医学部附属病院石黒直樹病院長
(2014年3月7日/プレスセミナーにて)