ご挨拶
長野県臨床細胞学会は主に長野県内で細胞診に携わる、あるいは細胞診を勉強している臨床検査技師、医師および学生の集まりです。長野県内における細胞診の発展、技術レベルの向上、会員同士の交流などを目的に40年ほど前に日本臨床細胞学会長野県支部として発足し、2013年日本臨床細胞学会が公益社団法人化したのに伴って、現在の長野県臨床細胞学会と改称・改組されました。2025年度から佐久総合病院佐久医療センター病理診断科の塩澤 哲が、当長野県臨床細胞学会の会長を務めさせていただいております。長野県臨床細胞学会ではこれまで、豊富な実績と高い見識をお持ちの錚々たる先生方が会長を務められてこられました。私自身は元より学は浅く、一介の市中病院の病理医に過ぎず、充分な役目を果たせるか、心許ないところではありますが、気を引き締めて努めてまいりたいと思っております。
さて、我々の長野県臨床細胞学会もある意味で曲がり角に来ているのではないかと思います。コロナ禍をきっかけに日本臨床細胞学会総会を含め、主要な学会のオンライン化が進んだことによって、遠方まで行かなくても細胞検査士や細胞診専門医更新のためのクレジットを得ることができるようになりました。そこで出張が難しい人でも近場で学会に参加できるという地方会の意義は薄れました。また、近年の働き方改革に伴って、診療業務と自己研鑽や研究活動を峻別すべし、という流れになってきています。医療機関の経営環境が厳しくなったこととも相まって、学会活動に時間を割くことが年々難しくなっているように感じます。さらには企業さまからの協賛も得にくくなっているという現状があります。このような流れの中で、近年は秋の講演会の廃止、会誌のペーパーレス化からさらには会誌を廃止してwebページへの抄録掲載のみにしたことなど、当会の活動も拡大から縮小に向かう傾向にあることは否めません。当会のような地方会の存在意義も問われる局面かと思います。しかしながら、全国規模の学会では主体的に関わる機会はなかなか持てませんが、地方会で会員一人一人が自分たちの興味や関心、勉強したいことを反映させることができます。自分たちの近隣の同業の方たちと自らの抱える問題を共有して、技術を高める、そしてそれを通じて最終的に地域の医療レベルを上げ、地域医療に貢献する、ということではまだ地方会の意義はなくなっていないと考えています。そういった意味も含めて、会員の皆様にはぜひ積極的に学会の企画や運営にも関与していただきたいと思います。
至らない点も多々あるかとは思いますが、暫くの間お付き合い願いたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
令和8年5月