第33回 国立大学法人 リハビリテーション
          コ・メディカル学術大会 大会長

       山梨大学医学部附属病院 リハビリテーション部
 
                         小尾 伸二
 


このたび第33回国立大学法人リハビリテーション コ・メディカル学術大会を平成23108日、山梨で開催する運びとなりました。

今より8年前、平成15年に第25回国立大学理学療法士学会を山梨で単独開催したのがついこの間だったような気がいたします。当時は旧山梨医科大学と山梨大学とが統合され山梨大学医学部附属病院として新たなスタートを切り、電子カルテの運用がはじまり、病院機能評価を受けようとしている慌しい最中でありました。また、学会もコンピュータ・プレゼンテーションへの移行期であったためスライド受付とPC受付の両方を準備するなど、とにかく準備が大変であったことが昨日の事のように思い出されます。

この間、リハビリテーションを取り巻く環境も大きく変わり、介護保険の導入や診療保険点数の度重なる改正に対応を余儀なくされ、スタッフ一人当たりの単位数や治療日数も制限されるようになりました。また、医療ではDPCが導入され病院在院日数の減少と稼働率の向上が叫ばれ、リハビリテーションの目標に達せないまま転院するケースも多くなっています。

このような変化の中で、大学病院に期待されるリハビリテーションは、より急性期からのリハビリテーション効果を求められる一方、チーム医療として褥瘡対策や栄養管理に携わると同時に、がん治療などの終末期緩和ケア医療にも関わるといった多様な役割を担うようになりました。他方、従来の「教育」「研究」「臨床」という大学病院の大きな役割に変化はなく、我々リハビリテーション・スタッフに要求されるものは年々増大し多様化する一方に思われます。

山梨ではここ最近、「山梨学院高校サッカー部の全国制覇」「甲州鳥もつ煮のB-1グルメ日本一」「まぼろしの魚クニマスの発見」など明るい話題が続き、「リニアモーターカーのルート決定」や「山梨大学における燃料電池ナノ材料研究開発」など未来への発展がうかがえるニュースも多く報道されています。

本学会においても、当初は大学病院リハビリテーションの「研究」「臨床」を公表する場として、また新人の学会発表の練習の場として位置づけられていたように思います。しかし、近年ではレベルの高い「研究」や大学病院ならではの「臨床」における症例報告。さらには工夫されたスタッフ・学生の「教育」や「管理・運営」方法といった発表も散見されるようになり、最近ではリハビリテーション療法士学術大会の名の通りPT・OT・ST各職種から各々の特徴ある有意義な発表が成されるなど、新たな発展を遂げていると思われます。

本学会が今後ともあらゆる社会変化に対応し、国立大学病院のリハビリテーションに示唆を与え発展し続けますよう祈念し、微力ではありますが準備を進めております。どうか、皆様方のご支援ご協力を賜り、多くの先生方にご参加いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
                                      平成23年2月8日


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