世界精神

(せかいせいしん Weltgeist)

ヘーゲルにおいては弁証法とは概念の自己発展である。 絶対的概念が永遠の昔から--どこにかわからないが--存在し、 それはまた現存する全世界の本来の生きた魂である…。 それは…絶対的概念のうちにすべて含まれている、 すべての前段階を通って、 自分自身にまで発展する。それからこの絶対的概念は、 自然に転化することによって自己を「外化」し、 この自然のうちでは、それは自己を意識することなしに、 自然必然性の姿をとって、新しい発展をし、 最後に人間のうちで再び自己意識に達する。 この自己意識は再び歴史のなかで粗野な形態から脱却し、 ついにヘーゲル哲学のうちで再び完全に自分自身に帰る。

---エンゲルス


ヘーゲルの用語。絶対的概念。

ヘーゲルによれば、神は世界精神として人間の意識に宿っており、 人類の歴史というのは、 この世界精神が文化の発展を通して自己意識を獲得していく過程である。 つまり、 歴史は神そして人間が(つぼみが花開くように)自己を展開する壮大な物語である。

17/Apr/2001


冒頭の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
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