目的論的世界観

(もくてきろんてきせかいかん the teleological view of the world)

では、貴重なものとして何が残されているのか。 私が思うには、それは自己の固有の素質[理性]に従って動くこと[…]である。 実際もろもろの世話と技術もまたこの目的をめざしているのである。 なぜなら技術はすべて、ある素質を授けられているものがその仕事を --このものがそれに適するようにと素質を与えられているその仕事を-- 適切に果たすように仕向けることをめざしているのだし、 また庭師やぶどうの栽培者や子馬の調教者や犬の訓練をする者もこのことを 求めているのであるから。 また児童の教育やもろもろの授業もこのこと以外の何を目標としているだろうか。

---マルクス・アウレリウス


世界はある目的、いわば「完成形態」を持っており、 世界は日々その完成に向けて進行していると考える物の見方。 アリストテレス的な世界観であり、 今日ではデカルト以降の物理学の発展のおかげで 機械論的世界観が主流となったが、 シェリングヘーゲルなどのドイツ観念論哲学とか、 ダーウィン主義において復活したらしい。

完成形態に向かって成長するものとして、 生物、とくに植物がその例とされるので、 生物学的世界観とも呼ばれる。 (05/12/99)


上の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Wed Jan 30 05:50:20 2002