Greeting

理事長挨拶

基礎と臨床が連携しながら
若手が楽しく高いレベルの研究を実践し
国内外に成果を発信する

渡部 徹郎

 2022年度から日本血管生物医学会理事長を拝命している東京医科歯科大学の渡部 徹郎と申します。理事長職も3年目となりましたが、中神 啓徳 副理事長・樋田 京子 副理事長ならびに役員の皆様のお力添えを頂きながら、これまでの本学会の良い部分をさらに伸ばしていければと考えています。

 さて、日本血管生物医学会は、今年で設立20周年を迎えます。本学会はこれまで日本の血管生物医学を支え続けてきましたが、これからも最先端の国際的研究者が集う場として進化し、世界の生命科学の発展に貢献し続けていきたいと考えています。

 日本血管生物医学会には多くの良い部分がありますが、その中の一つが基礎系と臨床系の研究者がバランス良く連携している点だと思います。近年研究のアウトプットとして実用化や成果応用が強く求められておりますが、基礎研究の楽しさを臨床応用につなげて大きな社会的インパクトがある成果となる例が本学会において多く見られることは大変心強く感じています。今年も第32回日本血管生物医学会学術集会を「心血管領域の基礎研究に挑戦する若手研究者が増えることで、この領域がさらに発展し続ける」という期待を込めて「Dive into the World of Cardiovascular Science!」というテーマで開催しますので、多くの会員の皆様が活発なディスカッションをしてくださることを楽しみにしています。

 また、今年度だけの試みとして、日本血管生物医学会特別集会を開催致します。「血管研究捲土重来」というテーマで、久しぶりの本学会単独開催の集会となりますので、皆さん奮ってご参加ください。

 国際交流の活発さも日本血管生物医学会の強みだと思います2024年7月2~5日には国際血管生物学会(IVBM)がアムステルダムで開催されます。多くの会員の皆様が参加して頂けるようなので、本学会の成果を世界に向けて発信していきたいと考えています。

 さらに若手研究者の元気の良さは本学会の誇るべき点であり、若手研究会などで培った共同研究が高いレベルの血管研究につながっている点がこの学会の強みだと思います。これからは若手研究者にも学会の運営に積極的に参画して頂き、多くの会員が同じ世代の横のつながりを通じて日本血管生物医学会を自分のホームだと感じることができるような環境を醸成して頂ければと期待しています。

 若手研究者をさらに活性化するための学会の新たな取り組みとして、学部生と修士課程の大学院生を対象にした学生会員のカテゴリーを設けて、会費を無料としました。ぜひ、皆さんの研究室・分野の方々に入会をお誘いしてください。また、公式Twitterなどを通じた発信を通じて、より魅力的な学会となるように、若い会員の皆様からもご意見を頂きたいと考えております。

研究を取り巻く厳しい環境や学会の財政など、様々な問題もありますが、会員の皆様のお世話になりつつ良い形で課題の解決に当たりたいと思います。今年度は学会業務委託会社の変更もあり、会員の皆様にはご不便をおかけしますが、学会をより良い方向に進めていくために必要なことですので、ご理解頂ければ幸いです。微力ながら、尊敬する多くの先達によって作り上げられてきた本学会の更なる発展のために、全力を尽くします。どうぞご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。

令和6年4月1日

日本血管生物医学会理事長

渡部 徹郎

注:日本血管生物医学会は2004年4月1日に、前身の日本血管細胞学会(1993年設立)とVascular Medicine学会(1996年設立)が合併することで設立されました。

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