学会のご案内
理事長のご挨拶
この度、前任の田畑泰彦理事長の任期満了にともない、日本 DDS 学会理事長に就任いたしました横山です。私から、日本DDS学会員の皆様方、加えてDDSを覗いてみようという会員外の方々に本学会の紹介をさせていただきます。
日本DDS学会は、その創立から2024年に40周年を迎え、1,300人余りの会員が活動しております。その大きな特徴は、「異分野」が融合した学会であることです。Drug Delivery System (DDS)は「薬物をより有効に、より安全に、より容易な投与形態で用いるためのシステム」と記述され、その研究のルーツは、薬学分野の一部門である薬剤学にあります。現代ではDDSはこのルーツに留まらずに、多種かつ広い学問領域で研究・開発されております。医学・薬学・工学の強力な3つの分野が極めて滑らかに融合し、すでにこの3つが互いに「異分野」と言えない状態でDDS研究・開発が成されているのが日本DDS学会です。これは、DDS関係の海外のどの学会にも見られない当学会の特長であります。
私自身、本学会の学術集会で多数回発表しておりますが、自分が知らない・発想しなかったコメントや質問が得られることが最も期待できる学会です。このような学問分野融合した学術集会の雰囲気は、短期間で形成するものではなく、学会創設者の先生方の信念が引き継がれ、過去・現在の会員の皆様方が作りあげた伝統です。私は、この良き伝統を将来に亘って発展させることを願うとともに、会員外に皆様にもこのような雰囲気の当学会活動に参加いただくよう、お誘い申し上げる次第です。
さて、上記のようにDDSは薬物治療に関する領域であるのですが、現在では、DDSの知識と技術は、薬物治療に限らず、診断・予防・先端治療の発展には欠かせない要素となっており、広く基礎生物医学・ヘルスケアなどのライフサイエンス研究・開発へ大きな波及力を有しております。当学会理事会は日本DDS 学会を発展させる会員の皆様の活動の一助となるべく、尽力いたします。会員の皆様方のご指導・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
2024年7月
日本 DDS 学会理事長
横山昌幸
役員
理事長
横山 昌幸(東京慈恵会医科大学)
副理事長
西川 元也(東京理科大学)
顧問
松村 保広(国立がん研究センター)
田畑 泰彦(京都大学)
常務理事
横山 昌幸(東京慈恵会医科大学)(兼任)
西川 元也(東京理科大学)(兼任)
狩野 光伸(岡山大学)(兼任)
楠原 洋之(東京大学)(兼任)
理事
栁原 克紀(長崎大学)
濱口 哲弥(埼玉医科大学国際医療センター)
西川 元也(東京理科大学)
西山 伸宏(東京工業大学)
安永 正浩(国立がん研究センター)
川上 茂(長崎大学)
小暮 健太朗(徳島大学)
新留 琢郎(熊本大学)
樋口 ゆり子(京都大学)
監事
菊池 寛(合同会社DDS戦略ファーム)
粕川 博明(サナメディ株式会社)
小嶌 隆史(武田薬品工業株式会社)
幹事
秋田 英万(東北大学)
兵頭 健治(エーザイ株式会社)
名誉理事
高橋 俊雄・永井 恒司・加藤 哲郎・眞弓 忠範・杉山 雄一・片岡 一則・河野 茂・原島 秀吉・山口 俊晴・橋田 充・岡野 光夫・今井 浩三・小西 良士・吉野 廣祐・奥 直人・髙倉 喜信
評議員
編集委員会
編集委員長
樋口 ゆり子(京都大学)
編集委員
位髙 啓史(東京医科歯科大学)
太田 琴恵(協和キリン株式会社)
亀井 敬泰(神戸学院大学)
古賀 宣勝(国立がん研究センター)
白石 貢一(東京慈恵会医科大学)
戸邊 雅則
畠山 浩人(千葉大学)
編集幹事
武元 宏泰(京都府立医科大学)
西口 昭広(物質・材料研究機構)
沿革
Drug Delivery System(DDS)とは、必要な薬物を必要な時間に必要な部位で作用させるためのシステム(工夫や技術)であり、薬物療法にとって非常に重要な考え方です。
当学会の前身である「DDS研究会」は、臨床医学、薬学、薬理学を始め幅広い領域のDDSに関する研究を発表する場として水島裕、瀬崎仁らによって1984年に設立されました。
その後、DDS研究の重要性が広く認識され、分野を超えて情報交換をすることができる共通の専門誌として1986年に機関誌「DDS」が創刊されました。1988年には日本DDS学会として組織を改め、広い分野の基礎研究者と臨床医療関係者が交流するユニークな学会となっています