第24回日本臨床モニター学会総会

第24回日本臨床モニター学会総会

日本学術会議

日本臨床モニター学会 会長挨拶

 日本臨床モニター学会(Japan Association for Clinical Monitoring: JACM)は1990年に発足して以来, 30年を超える歴史ある学術団体となっています。本学会は,「臨床モニター」について活発に討議,議論すること趣旨に,めざましい医用工学の発展や奇想天外な創意工夫により進化し続ける低侵襲,高感度,高信頼性を追求した臨床モニターに興味を持つ麻酔科医が集まり発足,現在では,多分野の医師が一堂に会しています。

 特に,最近では,周術期管理という概念のもと,手術室,集中治療室,高度治療室において,パルスオキシメータ,脳波モニタ,筋弛緩モニタ,呼気ガスモニタ,循環モニタ,体温モニタ,超音波装置などの麻酔管理中の患者の安全を担保するものにと止まらず,脳血流モニタ,脳脊髄神経モニタ,運動神経モニタなど手術成績の向上の寄与を目的としたモニタが患者や医療者の周囲に配置されるようになり,臨床モニタに対する興味は尽きないところです。そして,これらの医療の質と安全性を格段に向上させる臨床モニターのブレイクスルーに合わせて,本学会の会員も,それらモニターを管理,利用する医療関係者は,医師のみならず看護師や臨床工学技士,さらに歯科医師などに広がり,本学会が主催する学術集会もそれら職種を対象とした講習会なども広く行われるようになっています。

 そのような歴史があるJACMの会長を拝命させていただけることは,私自身のみならず,私を育ててくれた栃木県足利市にとっても大変光栄なことと考えています。そのような思いで,第35回JACMを我が街“足利市”で開催させていただくこととしました。足利市は,皆さんご存じのとおり,日本最古の学校である足利学校がある歴史の古い街です。足利学校は,室町時代から戦国時代にかけて,日本における事実上の最高学府と称され,全国から多くの来学徒があり,足利市において日本の学びの礎が築かれたとされています。そのため,第35回JACMのテーマを“学びの「原点」足利で、臨床モニタを学ぶ”とさせていただきました。

 現在,第35回JACMの開催に向けて鋭意準備していますが,新型コロナウイルス感染症の蔓延状況が続いている状況では,どのような形式での開催が可能かどうか不透明なところです。現時点では,会場となる足利市におこしいただき,対面で熱く議論できればと考えています。しかしながら,新型コロナウイルスの蔓延状況,会員の皆様の施設のご事情などもあるかと思いますので,開催形式においては,参集できない演者の方々の事前収録,当日現地参加できない方々へのオンデマンド配信などで対応できるよう,状況に応じて柔軟に対応していきたいと考えています。

 私共も,例年と変わらぬ活気溢れた会にできるよう工夫を凝らして準備していくつもりですで,何卒よろしくお願い申し上げます。末筆になりますが、JACMが新型コロナウイルス感染症にも負けず,今後さらに発展することを心から祈念しております。

第35回日本臨床モニター学会総会

会長 山口 重樹

(獨協医科大学医学部麻酔科学講座 教授)