会長挨拶
日本医療マネジメント学会 第24回東京支部学術集会 会長
独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 院長
新木一弘
この度 日本医療マネジメント学会第24回東京支部学術集会を、独立行政法人国立病院機構東京医療センターにて開催させていただくこととなりました。当院での開催は、2012年に当時の大島久二副院長が第12回東京支部学術集会を開催して以来12年ぶりとなります。 12年前の開催時と比べますと、社会経済の状況は大きく変化しています。新型コロナウイルスの発生と蔓延、国全体の財政の逼迫、国全体の働き方改革の本格実施による医療界での対応の必要性、地域医療計画の進展、物価高騰やエネルギー問題、さらには社会の様々な格差是正による健康への影響など医療界全体で考えていかなければならない問題が山積しています。 当院を含め、各医療機関は、地域医療を支えるために、ご苦労をなさっていることと拝察しています。 さて、国民一人ひとりの健康状態には、所得や労働、環境などについて格差拡大が大きな影響を与えることが指摘され、それは社会的な大きな課題であるとの指摘もあります。そのような中で、新型コロナ後の医療は、限られた保健医療資源をより有効に使うためにも、疾病を治療することだけでなく、その根本的な予防をも通じて、国民の皆さんが医療に信頼をより強固にするとともに、我々にとってもっとも大切で生活の基盤となる健康について改善していくことに向けた努力、すなわち、治療のみならず、健康に影響する社会・経済・環境の諸要因について医療側からもより積極的にアプローチしていくことが必要になると考えます。 今回は、これらの問題について「地域からの健康づくりを支える医療」をテーマに、会長招待講演などを行うとともに、一般演題として、ポストコロナ後の医療従事者の働き方、医療安全、医療の質、感染制御、地域連携、チーム医療、情報活用、クリティカルパスなど、多岐にわたる演題を募集するなど、有意義な大会とするべく、各種の企画を行っております。 当支部学術集会へのご参加とご指導・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。