開発ツール

 

かかわり指標 Interaction Rating Scale

    • Interaction Rating Scale (IRS)
    • Interaction Rating Scale between Children (IRSC)
    • Interaction Rating Scale Advanced (IRSA)

※日本語版、English version、中国語版 があります。

1. 目的

「かわり指標」 は,社会能力のさまざな側面を,国際的に比較可能な形で精度高く容易に測定可能な指標である。子どもから成人まで,人と人との相互作用を日常的な場面設定で簡単に評価することができ,社会能力の outcome measure とするとともに,「かかわりの質」を行動面から評価し,実践の場で専門職が気になる状況の早期発見,早期支援ツールとして活用することができる。

2. 対象と設定

1) 対象

  • Interaction Rating Scale (IRS):子ども(0~8歳)と養育者・保育者など
  • Interaction Rating Scale between Children (IRSC):子ども同士(3~18 歳)
  • Interaction Rating Scale Advanced (IRSA):15 歳以上

2) 設定

    • Interaction Rating Scale (IRS)

    • 子どもの年齢相応より多少難しい課題について,養育者が関わることにより子どもが達成にむけて取り組む場面を設定し,日常的で自然体に近い形での相互作用を評価することが望ましい。自由遊び場面で評価することも可能。

Interaction Rating Scale between Children (IRSC)

Interaction Rating Scale Advanced (IRSA)

  • 相互作用が生じやすい課題を設定することが望ましい。例えば,スティッキーなどのゲーム。日常的な会話場面で評価することも可能。

3) 評価項目数

  • Interaction Rating Scale (IRS):実践用11項目,研究用81項目
  • Interaction Rating Scale between Children (IRSC):42項目
  • Interaction Rating Scale Advanced (IRSA):実践用36項目,研究用92項目

 

3. 指標の特徴

  1. 汎用性が高い(日常的な場面設定,短時間(5分程度),簡単な評価者トレーニングで実施可能)。
  2. 信頼性・妥当性が検証されている(基準関連妥当性,臨床妥当性)。
  3. 国際比較可能な領域別に数値で評価する(既存研究と比較可能,発達パターン推移分析と気になるパターンの把握が容易)。
  4. 複数者の社会能力を独立して評価するとともに,全体としての関連性を把握できる。
  5. 実践の場で専門職が容易に活用できる(相互作用の質評価,気になる状況の発見システム等への活用。
  6. かかわりの特徴を測定し,支援に直接結びつけられる。

 

4. 評価領域

A. 子ども側面

  1. 主体性 Autonomy
  2. 応答性 Responsiveness
  3. 共感性 Empathy
  4. 運動制御 Motor self regulation
  5. 感情制御 Emotional self regulation

B.養育者側面

  1. 主体性発達への配慮 Respect for autonomy
  2. 応答性発達への配慮 Respect for responsiveness
  3. 共感性発達への配慮 Respect for empathy
  4. 認知発達への配慮 Respect for cognitive development
  5. 社会情緒発達への配慮 Respect for social-emotional development

 

5. 信頼性と妥当性

Interaction Rating Scale (IRS)

信頼性:クロンバック α 係数 0.91

妥当性:NCAST Teaching Scale と 0.89 の相関。

気になる子どもの判別妥当性確認。

 

6. 参考文献

  1. 安梅勅江編, 気になる子どもの早期発見・早期支援 -「かかわり指標」を用いた根拠 に基づく子育ち・子育て支援-. 日本小児医事出版, 2009.
  2. 安梅勅江他, 子どもの社会能力評価「かかわり指標」の妥当性と信頼性, 日本保健福祉学会誌. 14(1), 23-32, 2007.
  3. Anme T. et.al, Trajectories of social competence by using Interaction Rating Scale (IRS) as an evidence-based practical index of children’s social skills and parenting, Journal of Epidemiology, 20, 419-426, 2010.
  4. Anme T. et.al, Gender differences of children’s social skills and parenting using Interaction Rating Scale (IRS), Procedia Social and Behavioural Sciences, 2, 260-268, 2010.
  5. Anme T. et.al, A pilot study of social competence assessment using Interaction Rating Scale Advanced (IRSA), ISRN Pediatrics, 2011, in press.

 

育児環境指標  Index of Child Care Environment

 

1.育児環境指標 (Index of Child Care Environment:ICCE)とは

子どもと環境とのかかわりの質的および量的側面を測定する指標です。
健やかな子育ちに影響する子どもと環境との直接的なかかわりの質と頻度、子どものために準備されている環境などを測定します。
現在100カ国以上で活用されている育児環境評価HOME(Home Observation for Measurement of the Environment、文献14)の枠組みをもとに項目と領域を設定し、日本での家庭訪問調査によるHOMEとの関連性、将来の発達や気になる行動等との予測妥当性を検証した質問紙です。

 

2.育児環境指標の特徴

  1. 日常生活の延長線上で、回答者の負担が少なく容易に情報把握ができます。5分程度で実施でき、頻度など回答しやすい項目を採用しています。
  2. 対象は0~6歳児の養育者等で、4つの領域別にかかわりの特徴を評価できます。
  3. 信頼性と妥当性が検証されています。

3.育児環境指標の領域(4領域13項目)

1.「人的かかわり」領域

    ①子どもと一緒に遊ぶ機会
    ②子どもに本を読み聞かせる機会
    ③子どもと一緒に歌を歌う機会
    ④配偶者(または、それに代わる人)の育児協力の機会
    ⑤家族で食事をする機会

2.「制限や罰の回避」領域

    ⑥子どもの失敗への対応
    ⑦一週間のうちに子どもをたたく頻度

3.「社会的かかわり」領域

    ⑧子どもと一緒に買い物に行く機会
    ⑨子どもを公園に連れて行く機会
    ⑩子ども同伴の知人との交流の機会

4.「社会的サポート」領域

    ⑪育児支援者の有無
    ⑫育児相談者の有無
    ⑬配偶者(または、それに代わる人)と子どもの話しをする機会

 

4. 参考文献

  1. Anme T, Tanaka E., et al. Validity and Reliability of the Index of Child Care Environment (ICCE), Public Health Frontier, 2(6), 2013.
  2. 根拠に基づく子育ち子育てエンパワメント―子育ち環境評価と虐待予防―, 日本小児医事出版社, 2009.
  3. 子育ち環境と子育て支援-よい長時間保育のみわけかた, 勁草書房, 2004.