
主な機能
・包括的レビュー(システマティックレビュー/メタアナリシス:SR/MA)などの集約化された文献から優先して回答してもらうように対応
・GRADE評価(的な)提案を入れてもらう
・テキストエリアで日本語変換中に途中送信してしまうエラーに対応(地味に嬉しい)
なぜ集約化された文献を優先的に検索するようにしているかは以前のエントリ記事を参照いただければと思います。
https://note.com/embed/notes/ne2139f6ab3bc
Q: 文献検索をする上では ChatGPT GPT-5 thinking のほうが優れている?
A:はい、優れています。新しい知見の創出という研究用途で、まだSR/MAが出るほど集約されていない領域では特に、GPT-5 thinking を使うほうが良いと思います。
GPT-5 thinking の活用法については、@genkAIjokyoさんのブログエントリに詳しいです。
https://note.com/embed/notes/n6426e5fbf51e
Q: ではOpenEvidenceの優位性は?
A: 無料で使える(GPT-5 thinking は有料)ので、組織全体のボトムアップで導入したいときには選択肢の一つとなります。SR/MAなどの知見が集積されている領域では、手軽に素早くスタンダードな知見を知ることができます。
GPT-5 Thinkingは例えるなら光学望遠鏡です。
まだエビデンスが集積されていないまばらなエリアでも、さすが現在の最新モデル、といった感じで、遠い星を見つけたり、少ない星から星座を描いたりするのが得意で、未知の領域に仮説というラインを引くのがうまいと感じます。その一方で、倍率も口径も贅沢に盛った望遠鏡は設営にひと工夫が必要で、解析の時間もそれなりにかかると感じます。
一方でOpenEvidenceは双眼鏡です。
エビデンスが集積されているエリアでは、近くを素早く拡大して概要を確かめることができます(一方でとっても遠くにあるのは頑張っても焦点が合わない。GPT-5 thinkingの出番です。)。すでにエビデンスが積み上がっている領域では、AIがRCTを見つけて解説を並べてくれても、人間が吟味して統合した包括的レビューがすでに存在するなら、まずはそちらを確認したほうが早く安全で確実です。SR/MAから先に当たるほうが、我々の批判的吟味のコストが減り、忙しい臨床時間のなかでも効率良く臨床的疑問の解を探すことができます。
さらに、OpenEvidenceは無料で提供されているため、うまく使えば情報アクセスの格差を縮められると考えます。
改めて機能紹介
やったことは単純ですが、毎回の面倒と事故をまとめて減らす工夫を詰め込んだつもりです。まず、検索語の末尾に「SR/MAに基づく解説とGRADEに沿った推奨を」という英語プロンプトを自動で付けるようにして、6Sピラミッドの上位から答えに当たってもらうようにしています。さらに、入力欄で日本語変換中に送信される問題に対応しています。
このページから拡張機能を追加できます。
アドレスバーで「oe + スペース」もしくは、アイコンをクリックするとOpenEvidenceの検索窓が出現します。送信ボタンを押せば「Provide a comprehensive explanation drawing on systematic reviews and meta-analyses (SR/MA), and list recommendations according to the GRADE system.」が自動的に検索語の後ろに追加されます。(検索語はオプションから自分でカスタマイズ可能です)。余談ですが、スマホのアプリで使うときは私は「おえ(OpenEvidence)」で上記の検索語がでるように単語登録して使っています。単純な機能ですが、普通に入力した場合とぜひ比べてみてください。