第41回 Dysmorphologyの夕べ

テーマ「新生 Dysmorphology へようこそ!」

 「Dysmorphology(異常形態学/形態異常診断学)」は特異性のある身体所見を学術的かつ詳細に評価することにより、先天異常症候群の診断や医療管理に寄与する臨床遺伝学の一分野です。当委員会は 1980 年に「臨床奇形懇話会」として新たな症候群の発表を主要な目的としてスタートし、2002 年より「Dysmorphology の夕べ」として専門外医師にも裾野を広げる活動を継続しています。
 遺伝医療がより普遍的な診療になってきた現在、Dysmorphology を幅広く活用していただくためにも親しみやすい若手小児科医への入口も大切と考え、今回より新たに“朝”の入門企画を応募形式で行います。乞うご期待ください。一方で“夕べ”においては、引き続きこの分野の技術・視点・魅力につきトピックとして発信を続けます。新生 Dysmorphology をどうぞよろしくお願いいたします。


① 朝の新企画 「Dysmo-ning」~コモンな症候群の所見を知ろう~

日 時令和5年(2025年)3月1日(土)AM8:00-AM8:50
会 場東京都立産業貿易センター浜松町館 4 階 第2会議室 (日本小児遺伝学会大会 第 2 会場)
コーディネーター群馬県立小児医療センター 遺伝科 山口 有
神奈川県立こども医療センター 遺伝科 黒田 友紀子
大阪母子医療センター 遺伝診療科 西 恵理子
〈概要〉
  • そもそも Down 症候群の特徴的外表所見は?
  • どの所見の組み合わせに注目する?どのように記載する?
  • 臨床写真はどのように撮影する?
  • コモンと言われる比較的頻度の高い先天異常症候群~Down 症候群、Kabuki 症候群、22q11.2 欠失症候群、Williams 症候群などの外表所見を中心に基本的な知識・技能をハンズオンやスクール形式で学ぶ入門企画です。
〈対象〉 Dysmorphology 入門者 Dysmorphology を学びたい若手医師を優先させて頂きますが、医師以外の方々からのご応募もお待ちしております。
〈募集人数〉
  • 15名程度 <事前申込制>
    (申し込み方法は、大会ホームページから詳細をご案内させていただく予定です)

② 夕べ企画 「新時代 Dysmorphology セッション」

日 時令和5年(2025年)3月1日(土)16:30-18:00
会 場東京都立産業貿易センター浜松町館 4 階 第 3 会議室 (日本小児遺伝学会大会 第 1 会場)
〈概要〉

近年の小児遺伝医療における dysmorphology 診療のアプローチ方法として重要な3つの視点
・AI 技術(Face2Gene 含む分析技術)との共存
・網羅的解析の有用性と reverse dysmorphology
・順行性の classical な診断過程(diagnostic journey)の重要性
を挙げ、上記テーマでの話題提供を 15-20分くらいで簡潔に 3 人のスピーカーにお話しいただきます。
また、この話題をもとに、今後の dysmorphology の未来について 30-40 分で意見交換を行います。

〈対象〉 第 47 回日本小児遺伝学会大会 参加者 (事前申込不要)

前半) 近年の Dysmorphology 診療における3つの視点 (90 分)

座長:兵庫県立こども病院 臨床遺伝科 森貞 直哉

  1. Dysmorphology 診療と AI の共存 15-20 分
    スピーカー:神戸大学大学院医学研究科 内科系講座小児科学分野 花房 宏昭先生
    dysmorphology の診療における強力な共存ツールとなりつつある AI 技術
    (Face2Gene、Pubcase Finder など)の利活用
  2. Genotype をサポートする reverse dysmorphology 15-20 分
    スピーカー:国立成育医療研究センター 遺伝診療科 福原 康之先生
    網羅的解析後に検出されたバリアントから改めて表現型を検討する reverse dysmorphology
    /ultra-rare syndrome の表現型検討
    IRUD 結果報告における表現型議論 表現型評価の標準化の意義
  3. 変わらぬ順行性の診断プロセス~diagnostic journey~ 15-20 分 スピーカー:愛知県医療療育総合センター中央病院 小児内科・遺伝診療科 稲葉 美枝 先生
    表現型を丁寧に記録し臨床推論を行い、患者家族への臨床遺伝学的フォローアップを経て遺伝学的検査とともに診断にいたる順行性の diagnostic journey の意義

後半)Dysmorphology の未来を語ろう (30 分)

ファシリテーター:静岡県立こども病院 遺伝染色体科 清水 健司
名古屋大学大学院医学研究科 小児科学 村松 友佳子

上記3つ話題をきっかけに、Dysmo 委員、実践診療の経験がある現場医師、経験豊富な専門医師、認定遺伝カウンセラーなど、会場参加者を交えて、Dysmorphology の今後(未来)についてカジュアルに意見交換をおこないます。

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