第36回 Dysmorphologyの夕べ
テーマ 「先天異常の診断アプローチ」
染色体あるいは遺伝子に変化を伴う症候群は、マイクロアレイ染色体検査や、次世代シーケンサーを用いた遺伝子検査の臨床応用により、遺伝型(genotype)から表現型(phenotype)を確認し、その関連性(病的意義)を丁寧に評価し、正しい診断を得ることの重要性が再認識されています。そこで、今回のDysmorphologyの夕べでは、これらの症候群を正しく診断するために今役立つ知識と、これから役立つ知識を、参加者のみなさんとともに学び理解を深めていきたいと思います。
第一部では、これから役立つ知識として、海外ではすでに多発奇形や発達遅滞の診断スクリーニングの第一選択となっているマイクロアレイ染色体検査を取り上げます。将来的に日本でも通常の診療としてマイクロアレイ染色体検査を実施できる状況を見据えたうえで、新しい微細欠失重複症候群を含めマイクロアレイ染色体検査で診断がついた実際の症例を提示し、形態異常のみかた、考え方、さらには検査の適応や限界、結果の解釈についてわかりやすく解説します。さらに日本小児遺伝学会を中心にまとめた、「診療において実施するマイクロアレイ染色体検査のガイダンス」についても概説いたします。
第二部では、今の実臨床に役立つ知識として、令和2年度の診療報酬改定により保険診療として遺伝学的検査が行なうことができようになった先天異常症候群を取り上げます。NICUで診ることが多い症候群について、診療現場で新生児科医がdysmorphologyを専門とする臨床遺伝専門医にコンサルトするような状況を想定し、診断プロセスやピットフォールを示します。
開催概要
日 時 | 令和3年5月7日(金)18:20~20:00 |
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会 場 | Zoomオンライン開催(ライブセミナー) |
主 催 | 日本小児遺伝学会・Dysmorphology の夕べ実行委員会 |
参加費 | 無料(第65回日本新生児成育医学会・学術集会の参加者に限定) |
取得単位 | 臨床遺伝専門医制度3単位 |
実行委員長 | 清水健司(静岡県立こども病院 遺伝染色体科) |
当番世話人 | 石川 亜貴(札幌医科大学附属病院 遺伝子診療科) 德富 智明(岩手医科大学医学部 臨床遺伝学科) |
参加登録と単位取得方法
オンライン開催+情報保護の観点から、今回の参加は日本新生児成育医学会・学術集会参加者に限定させていただきます。参加者は、当日学会ホームページからZoomに入室する際にフォームに属性、単位取得希望の有無の記載を求められます。単位証の付与条件として、入室条件は開始30分まで(18:50以前)、退室条件(19:50以降)とさせていただきます。参加登録をされた先生方を照合し、後日単位証をメール添付にて配布いたします。
プログラム
第1部 診断アプローチ‐マイクロアレイ染色体検査の臨床応用‐
司会 德富 智明(岩手医科大学医学部 臨床遺伝学科)- マイクロアレイ染色体検査を検討するときのポイント
~検査の適応と限界、結果の解釈と二次的所見について~
清水 健司(静岡県立こども病院 遺伝染色体科) - 実際の症例から学ぶ ~dysmorphologyの視点から~
岡本 伸彦(大阪母子医療センター 遺伝診療科) - 「診療において実施するマイクロアレイ染色体検査のガイダンス」について
黒澤 健司(神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
第2部 診断アプローチ‐保険診療で遺伝学的検査が可能な先天異常症候群‐
- NICUで診る先天異常症候群の診断アプローチ
石川 亜貴(札幌医科大学附属病院 遺伝子診療科)
吉橋 博史(都立小児総合医療センター臨床遺伝科)