第35回 Dysmorphologyの夕べ

テーマ 「visual speciality

 コロナ禍でこの1年予定されておりました開催が中止となっておりましたが、今回は久しぶりの、そして初めてのオンラインによるdysmorphologyの夕べの開催となります。
網羅的遺伝子解析における臨床的意義や重要性は、既にわが国の遺伝医療における共通認識であるとともに、実臨床への移行期にも入ってきています。迅速な網羅的解析で得られるgenotypeをphenotypeと融合し総合的診断に向かう利点は明らかですが、これは“とりあえず”のgenotype firstでないことは明らかであり、臨床の原点は”検査“より”観察眼“であるという視点はどの時代も変わらないのではないかと考えます。

 上記背景を鑑み、今回のdysmorphololgyの夕べでは、”visual speciality”をテーマに、特別講演として、京都大学先天異常標本解析センターの山田重人先生をお招きし、dysmorphologyの理解に必要不可欠な発生学のレビューや魅力的な形態イメージングを中心に講演いただきます。また後半では、1人の患者さんに対する“観察眼”を中心に理論立てながら考えていく臨床プロセスの重要性について、実況のような形で提示したいと思います。

 改めてdysmorphologyの夕べにつき宜しくお願いいたします。

開催概要

日 時 令和3年1月9日(土)17:00-19:00
会 場 Zoomオンライン開催(ライブセミナー)
主 催 日本小児遺伝学会・Dysmorphology の夕べ実行委員会
参加費 無料
取得単位 臨床遺伝専門医制度3単位
実行委員長 清水健司(静岡県立こども病院 遺伝染色体科)
当番世話人 清水健司(静岡県立こども病院 遺伝染色体科)
村松友佳子(名古屋大学医学部付属病院 小児科)

参加登録と単位取得方法

オンライン開催+情報保護の観点から、今回の参加は小児遺伝学会参加者に限定させていただきます。参加者は、当日学会ホームページからZoomに入室する際にフォームに属性記載を求められます。これをもって参加登録とさせていただきます。参加登録をされた先生方を照合し後日単位証の郵送予定です。

プログラム

1.特別講演 発生学の見地からのdysmorphology

演者山田重人先生 京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター
抄録先天奇形は発生過程における何らかの問題により発生する。先天奇形を理解するためには、発生学的なメカニズムを十分に理解している必要がある。発生学は古典的には形態学が中心であったが、近年では分子生物学・分子遺伝学的な手法の導入により、異なる視点からの研究が発展している。そのような時代の中で、演者は形態学の手法に最新のイメージング技術を導入して、発生現象を定量的に解明することを目標として研究を進めている。
本講演では、簡単にヒト発生学の歴史を振り返りつつ、演者が所属する京都大学・先天異常標本解析センターが所蔵する貴重なヒト胚子標本によるデータを中心に、発生初期のヒト胚子のようすを供覧する。さらに、顔面および四肢の発生のメカニズムについて教科書的な内容を復習しつつ、ヒト胚子期には実際どのような症例があるのか、出生時に見られるものとの違いは何か、について論じたいと考えている。

2.臨床プロセス実況中継

進行清水健司 村松友佳子(実行委員)

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