体罰について
体罰の子どもに及ぼす影響
NHZではとりわけ、子どもへの体罰防止の啓発に力点が置かれます。
たとえお尻をたたく、手をピシャリと叩くなどの軽微な暴力であっても、体罰は子どもに「暴力は効果的な問題解決法である」との誤学習をさせてしまいます。
さらには、
- ハーバード大学の行った研究では、月に1回程度でも叩かれて育っている子は、脳の意志決定領域のサイズが14~19%小さくなっていたと報告されています。
- ニューハンプシャー大学の研究では、体罰を受けずに育った子どもに比べ、2~4歳の時に叩かれて育った子どものIQは5ポイント低く、5~9歳の時に叩かれて育った子どものIQは2.8ポイント低くなっていた、と報告されています。
その他にも1500を超える研究が、体罰が子どもの自己肯定感を低下させ、自己コントロール能力を低下させ、心理精神的問題を増加させ、反社会的行動・非行を増加させ、暴力成功を増加させ、薬物の問題を抱えやすくなることを示しています。また体罰を行っている家庭では、その後に明らかな身体的虐待に発展しやすいことも明らかになっています。
体罰に関する日本の現状
現在日本では約6割の大人が、体罰を部分的に是認している状況にあります。一方で、1979年に世界で初めて体罰を禁止したスウェーデンでは、その割合は9%にまで低下しています。2020年4月より日本でも体罰が法的に全面的に禁止されていますが、NHZ(ノー・ヒット・ゾーン)の導入は病院発信の体罰文化の根絶のための啓発活動として、その効果が実証されています。