「災害発生時,住民が困ること」はどのようなことでしょうか?
その1つの答えが「クラスターアプローチ」(下図)にあります.「(人権)保護」「食糧確保」「通信」「早期復旧」「教育」「水と衛生」「ロジスティクス」「栄養」「避難所」「仮設住宅運営」「保健」,震災時にはこの11領域が主な問題となります.それぞれの領域において関わる機関が異なり,それぞれの領域で「多職種」連携が必要であり,領域同士の連携も求められます.あなたがもし,支援者として活動するのであれば,この連携を実践するために「自分はどの立場で,どこまでの範囲で,どのような活動を行うか」明らかにする必要があると考えます.
災害前からこれらの知識があれば,発災当初から効率的・効果的に動けているかもしれません.「平時にできないことは,非常時にもできない」と言葉があるように,これは,発災時の対応・復旧・復興だけでなく,平時から防災・減災・準備を意識して行動することが大事です.また,「医療」という枠だけでない,それぞれのクラスターとのつながりを,平時から考えているのであれば,災害後の協働がよりスムーズになることは,想像に難くないでしょう.